イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ヴィトッツァ洞窟の住居群1 、トスカーナ ソラーノ

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 この数日、ペルージャでは、というより、イタリア中部全体で、おかしな天気が続いています。午前中は晴れ間が見えて、暖かくいい天気なのに、午後になると急に空がかき曇り、雷鳴がとどろき、雨が降り出す。そんな日が続いています。

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Lago di Bolsena

 6月3日金曜日は、午後の天気予報がPioggia e schiarite(雨のち晴天、または雨と晴天が交互に繰り返し)だったのですが、朝は天気がよかったので、ペルージャを車で出発して、昨年12月にも訪れた、tufo(凝灰岩)の里、ソラーノを目指して、出発しました。途中、昼食に、パンとポルケッタを購入した町、Grotte di Castroで、ボルセーナ湖の浜辺で食べるといいと勧められ、打ち寄せる波の音を聞きながら、パニーノをほおばりました。

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 ソラーノ(Sorano)近くにあるヴィトッツァ(Vitozza)には、上の写真に見えるように、凝灰岩(tufo)をくりぬいた洞窟がたくさんあります。こうした洞窟は、かつては、住居や仕事場、あるいは家畜小屋として、使われていました。ヴィトッツァには、こうした洞窟の住居(abitazioni rupestri)が、なんと200以上も存在します。上の写真に見える住居は、18世紀のものですが、この洞窟の居住地区は、すでに12世紀から存在していました。

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 ところどころに、こうして、この居住地区全体の地図や説明を示す案内看板がありました。

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 上の写真の洞窟の前には、野イチゴがあり、いくつかは、もうすっかり赤くなっていました。真っ赤に熟れたイチゴは、もちろんすぐに摘み取って、おいしくいただきました。

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 この日、散歩をしている人は少なかったのですが、馬を木につないで、昼食を食べているグループに出会いました。「危険なので、あまり後ろ足の近くを歩かないように。」と、声をかけられました。

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 本来の考古学公園(Parco Archeologico)の入り口は、実はこの馬に出会った地域で、「ここからは、これまでとは比較にならぬほど、興味深い洞窟の住居がたくさんあるんですよ。」と、乗馬グループのガイドをしている青年が、教えてくれました。

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 道中は、おもしろい洞窟がたくさんありました。こちらの洞窟には、棚が掘ってあります。

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階段を登った先にあるこちらの洞窟の住居には、穴があって、

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こうして立てかけたハシゴを登って、

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上にある住居まで、行くことができるようになっています。高所恐怖症のわたしは、ハシゴではなく、岩の住居の左手にある階段を上りました。この写真で鮮やかな黄色を見せる植物はとても興味深く、黄色く見えるのは、日光が差し込む洞窟の入り口から見たときだけです。

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不思議なことに、こうやって水たまりに近づき、別の位置から眺めると、表面の植物は、泥のような茶色に見えます。夫の推測では、水の表面に生えている植物には、日光を受けて光を発する部分がある(夫はその部分のまねをして、ポーズを取っています)のではないかということです。

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 この洞窟のわきにある階段をさらに上ると、岩の上に、それは美しいセンペルビブム(semprevivo)の花が、たくさん咲いていました。

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 中には、こんなふうに岩を深くくりぬいた洞窟もあり、なんだか風呂桶のように見え、わたしは急に、日本のお風呂への郷愁を感じました。(つづく)

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- tufo(凝灰岩)の里を訪ねて、ソラーノ / Città del Tufo, Sorano, Pitigliano, Sovana & Onano (7/12/2010)
- tufoの里を訪ねて2、オナーノとカソーネのレストラン / Verso Sorano, Lago di Corbara – Onano – Casone, Park Hotel Ristorante Bel Vedere (8/12/2010)
- tufoの里を訪ねて3、ソラーノ温泉 / Terme di Sorano (12/12/2010)
- ソラーノ考古学公園、洞窟の住居群2/ Abitazioni rupestri di Vitozza II - Parco Archeologico “Città del Tufo”, Sorano (6/6/2011)
- ソラーノ、凝灰岩の町 / Sorano, Città del Tufo (GR) (5/12/2015)
- イタリアのかかし二人で楽しそう / Spaventapasseri simpatici a Sorano (GR) (9/12/2015)

参照リンク / Riferimento web
- Parco Archeologico "Città del Tufo", Sorano - Il Parco Archeologico

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by クロちゃん at 2011-06-06 06:32
なおこさん、おはようございます。♪
これはとても興味深い、私好みの洞窟です。(^<^)
冒険の心をくすぐりますね。
太古のロマンがあちこちに感じられます。
もしかすると、黄金の宝が眠る秘密の扉があったりして…。(^^)/
Commented by ムームー at 2011-06-06 18:33
なおこさん
美しい湖ですねぇ~
そちらもお天気が変わりやすいのですね。
洞窟の中での住居なにか、こちらの縄文時代みたいです。
考古学公園ってあるなんて素敵~
ご主人さまのポーズ楽しいです~
応援ポチ!
書いてない時も応援しています。
Commented by milletti_naoko at 2011-06-06 23:11
クロちゃん、こんにちは♪

洞窟がお好きとは知りませんでした。どこかに宝がという伝説は、ペルージャの北方にあるテッツィオ山にまことしやかに伝わっているそうです。散歩の前半は、ひどく蒸し暑かったのですが、洞窟の奥深くに入ると、ひんやりと涼しいので、涼をとることができました。
Commented by milletti_naoko at 2011-06-06 23:15
ムームーさん、こんにちは♪

日本の夏の天気を思い出すような、妙な天気が続いています。天井が崩れ落ちませんように、と少し心配しながら、いろいろな洞窟を興味深く観察しました。

応援をありがとうございます! わたしも基本的に、ムームーさんに限らず、どなたのブログでも、コメントを書くときは必ず応援をしますし、コメントは書かなくても、いいなあと思ったら、必ず応援のぽちをしています。自分がしてもらってうれしいことは、人にしましょうという精神で……
Commented by bianchi_saitoh at 2011-06-06 23:30
洞窟居住区、行ってみたいです。

棚があったり、階段など洞窟としては近代化なのですね。

ちなみに“アレ”はお風呂ですね!たぶん・・・。
日本人にはそう見えてしまいます。
パート2楽しみです。
Commented by milletti_naoko at 2011-06-06 23:53
bianchi_saitohさんへ

わたしにもお風呂に見えるのですが、流し台か洗濯場かもしれませんし、何かの作業場かもしれませんね。主な洞窟の前には、詳しい説明も書いてあったのですが、全部はきちんと読まなかったし、書いていなかったような気もします。

機会があったら、ぜひ訪ねてみてください。美しいPitiglianoの町や温泉で有名なSaturniaの近くです。楽しみにしていただいて、ありがとうございます♪ ただいま明朝の授業の準備中なのですが、時間に余裕があれば、今日中にパート2を書き上げるつもりです。できるかな、できるかな~?
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by milletti_naoko | 2011-06-05 20:26 | Toscana | Comments(6)