2011年 09月 01日
ペルージャ・ローマ間はスルガ社高速バスが便利

ペルージャのバスターミナルであるパルティジャーニ広場からローマ、ティブルティーナのバスターミナルまでの所要時間が2時間半、逆にローマからペルージャまでが2時間15分で、電車よりも速く、乗り換える必要がないので、便利です。

料金は、片道16ユーロで、往復24ユーロ(復路は1か月有効)。切符に書かれているANDATA E RITORNOは「往復」、そして、Scade il 01/09/2011は、「2011年9月1日まで有効(直訳は「有効期限が切れる」)ということです。購入した日は上に02/08/2011とあり、つまり、2011年8月2日。イタリアでは、年月日を、日本とは逆に、日月年の順に記します。
上の時刻表を見ればお分かりのように、この高速バスはローマ・フィウミチーノ空港とペルージャ間の移動にも利用できますし、アッシジやデルータ、トーディなどの他のウンブリア州の町やペルージャの鉄道駅(Stazione Fontivegge)で乗降できる便もあります。ただし、時刻にアステリスクがついている場合は、その時刻・場所でのバス乗車を、前日(前日が日曜・祝祭日の場合は、最も近い平日)の午後7時までに、電話で予約する必要があります。

この高速バスが発着するペルージャのバスターミナル、パルティジャーニ広場(Piazza Partigiani)の正面は、こんなふうになっています。ここからペルージャの中心街へは歩いてすぐ。ちなみに、この広場は以前は名をPiazza d’Armiと言っていたようで、義父母は今もこの名前で呼んでいます。アッシジ、トラジメーノ湖方面などのウンブリア州の他の町行きのバスも、ここから出発します。上の写真の建物の左側の部分で、こうしたバスの時刻表や情報を入手したり、切符を購入したりすることができます。ちなみに、右側にはバールがあります。

一方、ローマ・ペルージャ間を結ぶこちらのスルガ社(Sulga Srl)の高速バスの場合は、バス料金はバスに乗車してから支払います。人から聞いた話ですが、同じペルージャのバス会社でも、スルガ社は、もともと個人でバスの運転手をしていた人々が集まってできた会社で、会社というよりは個人が互いに協力しあう組合という感じで、そのため、時間にもかなり正確で(交通渋滞の場合は仕方ありませんが)、ストライキもないようです。

わたしもこれまでローマ市内やフィウミチーノ空港に出かける際に、何度もこの高速バスを利用してきたのですが、発車が若干遅れることはあっても、到着時刻はほぼ正確です。ただ、先月2日の朝9時にローマに行こうとしたときに、初めて、バスの前で不満を述べるたくさんの旅行者たちを目にしました。客が多くて、バス1台では、全員が乗ることができなかったからです。でも大丈夫。9時過ぎには、運転手の要請で、もう1台のバスが現れ、2台のバスは、それぞれフィウミチーノ空港行き、ローマ・ティブルティーナ行きとなり、旅行者たちは自分の目指す場所に行くバスへと乗り込みました。この日は出発が15分ほど遅れましたが、それでもローマには時刻どおりに到着しました。

海外旅行へ出発する飛行機に乗り遅れたらどうしようと、不安のあまりに憤る乗客も多く、運転手は対応に追われていました。後で運転手さんと話をすると、「この時期は、こういうことが時々あるので、会社には最初からバスを2台回すように言っているのに、聞き入れてくれないんですよ。結局は、すぐに他のバスが来て、時間通りに目的地に着けるのですが、お客さんにはそれが分からないので、不安になったり、腹を立てたりするので、いつもぼくたちが苦情を浴びることになるのですが、会社はそれを分かってくれないんです。」と、言っていました。
ペルージャとローマ・フィウミチーノ間も、やはりこの高速バスが便利です。旅行の大きな荷物を、バスの下部にある大きな荷物入れに置いてしまえば、あとは、乗り換えの必要もないので、そのまま楽に目的地に着くことができます。それが、電車に乗ると、エレベータもエスカレータもないペルージャ駅では、荷物に苦労しながら、階段を上り下りすることになります。ローマ・テルミニ駅とフィウミチーノ空港を結ぶレオナルド・エクスプレスも、数年前に乗って驚いたのですが、乗客が大きな荷物を持っていることが想定されているというのに、電車の入り口に、3、4段ほど階段があります。ですから、電車の昇降も、大荷物を抱えた旅行者にとっては一苦労です。
ペルージャとローマ・フィウミチーノ間のバス料金は、片道が21ユーロで、往復が34ユーロ。(*2023年現在は片道19.90ユーロでオンライン購入、バスの車内で購入すると約3ユーロ高くなるとのことです。詳細は追記を参照のこと。)こちらも復路は1か月有効です。ただ、フィウミチーノ空港では、国際線第3ターミナル(T3)近くの旅行バス用駐車場から出発するのですが、停留所や目印があるわけではないため、慣れているわたしたちでも、高速バスの乗り場(駐車しているところ)を見つけるのに苦労します。

ローマ・ティブルティーナのバスターミナル(Autostazione Tiburtina、地図はこちら)は、ペルージャからの高速バスの着く場所と出る場所が違いますので注意してください。出発するのは、わたしが覚えている限りでは、いつもこのSTALLO16付近です。

というよりも、上の写真に見える公衆トイレの前と言った方が、分かりやすいかもしれません。このトイレ、以前は50セントだったのに、8月には60セントと値上がりしていました。

ティブルティーナ・バスターミナルは、メトロのティブルティーナ駅から歩いてすぐのところなので、メトロで楽にローマ市内に行くことができます。
ローマからイタリア入りして旅行をされようという方、ペルージャに留学していてローマに出かけてみたいという方、よかったら、ぜひこちらの高速バスを利用してみてください。乗り換えや階段の昇降がないので、荷物があってもなくても、快適に旅をすることができます。

ただ、たまに携帯電話に向かって、あるいは隣の連れと、いつまでも大声で話し続ける人もいて、こういう人と乗り合わせた場合に、電車と違って、他の車両に移動するわけにはいかないという難点があります。どちらの町を出発するときも、町の中をぐるぐると回る間は、日が差し込む方向がしばしば変わりますが、基本的には、ペルージャからローマへは北から南へ向かうことになるので、朝は右側の座席、午後は左側の座席に座ると、日ざしを避けることができます。ローマからペルージャに向かう場合はその逆になります。
余談になりますが、ティブルティーナ・バスターミナルの公衆トイレには、苦い思い出があります。この高速バスは、たいていの場合、フィウミチーノからティブルティーナに着いたあと、バスターミナルで45分ほど停車します。夫と二人で初めて日本に旅をしたのはもう何年も前の話なのですが、旅行を終えて、日本からイタリアに到着し、後はバスでペルージャに到着するばかりというとき、このティブルティーナでの停車中に、公衆トイレに行った夫が、トイレに、証明書のたぐいすべてと財布を入れたバッグを置き忘れてしまったのです。すぐに気づいて戻ったものの、バッグはあとかたもなく、すぐにバスターミナルの警察の詰め合わせのようなところに訪ねに行き、ペルージャに戻ってすぐに、警察署に届けたのですが、財布はもとより、パスポートも運転免許証も身分証明書も、すべて二度と見つかりませんでした。母国に帰って気が緩んだということもあるのでしょうか。皆さんも、旅行の際は家に帰るときまで、気を緩めずに、十分に注意してくださいね。
*追記(2019年10月27日)
FlixBusでも、ペルージャ・ローマ間を便利に往復できるようになりました。興味がおありの方は、下記リンクをご参照ください。
参照リンク / Link per gli orari autobus Sulga Perugia - Roma Tiburtina - Fiumicino
- Sulga – Orario Autobus, Perugia - Deruta - Todi Roma Tiburtina - Fiumicino
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方は助かりますね。
バスからの景色も素敵です~
駅にエレベータやエスカレーターがないのは大荷物や体の悪い人には辛いですね。
家に帰りつくまで気を緩めないことですね。
そうなんです。バスの走る道路は、小高い丘や緑の平野の間を走り、時々車窓からテベレ川も見えて、眺めがとてもいいんですよ。
わたしは松山から大阪まで出かけるのに、安いのと夜間に移動できるという利点から、時々高速バスを利用していました。日本の電車は時間に正確で、車内も清掃が行き届いていますが、イタリアでは、長距離の高速バスに比べると、電車の特にローカル線には、清潔さに大いに問題があるという場合も多いのです。電車はたまにエアコンが故障しているときもあり、イタリアで高速バスが便利ですよというのには、そういう事情もあります。
忘れ物は、わたしもうっかりすることが多いので、気をつけたいと思います。最後の最後まで気を抜かないことが大切なんですよね。
「なおこさん、おはようございます。♪ 高速バスはまだ未経験ですが、なるほどと参考になることがたくさんありました。日本でも遠くに行く時は電車だけじゃなく高速バスも視野に入れましょう。それで交通手段がグッと広がりますね。忘れ物は、気の緩みっぱなしな私も気をつけます。(^^)/」
*なおこ注
幸い、まだ閉じていなかったコメント管理欄に、クロちゃんのコメントが残っていたので、コピーして貼らせていただきました。

はじめまして。
5月にイタリアへ旅行する予定なのですが、ペルージャへの行き方を検索していて、こちらのブログを見つけました。
フィウミチーノ空港のバス乗り場は、やっぱりわかりにくいですか。
旅行で使うイタリア語くらいはしゃべれるのですが、聞きながらでもやっぱり探すのは難しいですか。
また、電車でペルージャに入る場合は、centroまでは、ミニメトロであがってこれるんでしょうか?
http://www.sulga.it/orari/perugia_roma.pdf
Voli Internazionali Terminal T3 (parcheggio bus turistici)
と書かれています。
駐車場の場所は分かりやすいのですが、他の大型バスが停まっていると、スルガのバスが隠れてしまうので、他の観光バスが多い時間帯だと、見つけるのが大変かもしれません。バス乗り場自体は分かりやすいのですが、広大な駐車場の、空きを見つけたところに停まるため、場所が決まっておらず、他に駐車しているバスが多い場合は、見つけるのが大変かもしれないということです。
電車でペルージャに入る場合には、ペルージャの鉄道駅で降りて、ミニメトロに乗ることもできますが、ミニメトロは早朝・深夜は運行していないので、飛行機の到着時間が夜中だったり、大幅に遅れて、ミニメトロ運行中にペルージャに到着できない場合には、駅にはタクシーもあるし、市内行きのバスはかなり遅くまで出ていたような気がします。
すてきな旅になりますように。

頑張って探すしかないですね!
8年前に、ティブルティーナのバスターミナルからトーディに行ったことはあったのですが。。。
頑張ります!
ペルージャに行く私には、なおこさんのblogがとても参考になります。
ブログの情報がお役に立っているようで、幸いです。

Italiaより無事帰国しました。
飛行機も時間通りに到着し、飛行機の到着時刻より1時間後には、Sulga社のバスに乗ることができました(^^)
ゲートを出たところで、バスの出発時間まで15分しかなかったので、次のバスに乗るつもりで、とりあえず、駐車場に下見にと思い行ったところ、バスがすぐ見つかり、1台早いバスに乗ることができました。
Perugiaは、とても過ごしやすく、ゆっくりできました。
また、ぜひとも訪れたいと思っています。
なおこさんのPerugiaからのブログを楽しみにしています。
いろいろありがとうございました!