2011年 09月 03日
カッラーラ 大理石の山に向かって
フェリーは、1時間の航海の前半は、エルバ島の北東の海岸に沿って進んで行きます。甲板に出て、島や海の眺めを楽しむうちに、船はピオンビーノ港に近づいていきました。
こうして無事、正午頃にピオンビーノ港に到着。実は、当初の予定では、わたしは14日にいったんペルージャに戻り、15日に夫と共に、ピエモンテへの旅行に繰り出すことになっていました。それが、エルバ島滞在中に夫から電話があり、「14日にうちに戻らなくても、ぼくが15日に港まで車で迎えに行くから、そのままピエモンテに向かおう。」と言ってくれたのです。おかげで長旅をする代わりに、1日長く友人宅で過ごすことができたのですが、そういうわけで、港に着いてすぐに、夫と電話で連絡を取り合い、夫の待つ駐車場へと向かいました。
高速道路に上がる前に、近況を語り合いながら昼食を済ませ、ピエモンテへと向かいました。夫はこの日、朝9時にペルージャを出て、ピオンビーノ港まで、すでに240kmの距離を3時間運転していました。ピオンビーノからピエモンテまでは、400km以上離れているため、この日のうちにピエモンテに行くのではなく、どこか途中で宿泊をした方がよさそうです。
では、どこで宿泊を? わたしには、以前からずっと訪ねてみたい宿がありました。カッラーラ(Carrara)でかずこさんが営まれているB&B です。昨年の夏にアプアーノ・アルプスに行ったとき、期待はずれだった感があったことがきっかけで、大理石の山を魅力的に語るかずこさんのブログ(下記リンク参照)を訪問しました。風景も美しく、さまざまな農作物を育てていらっしゃるので、夫もきっと喜んで滞在するだろうと思っていました。
わたしが、「カッラーラの山の中腹にある、日本人女性が経営するB&B に宿泊したい。」と言うと、夫も賛成してくれました。問題は、宿の名前が思い出せず、かずこさんの姓も存じ上げず、広いカッラーラのどこにこの宿があるのか、どうすれば電話番号を知ることができるか、ということです。空室があるかさえ分かりません。
高速を下りて、カッラーラの観光案内所で尋ねようと思ったら、その日はすでに閉まっていました。そう言えば、コロンナータ(Colonnata)について記事を書かれていたことがあったから、この村まで行けば、宿かかずこさんを知っている人がいるかもしれない。そう思って、コロンナータを訪ね、バールでいろんな人に、「日本人女性が経営しているB&B を知りませんか。」と尋ねたのですが、納得のいく答えをしてくれる人はいませんでした。バールの電話帳も調べましたが、並んでいる宿泊施設名には、「あ、こういう名前だった!」とピンと来るものがありません。「B&Bなら、この山を下りる途中に二つあるから、訪ねてみては。」と聞いて、山を下る前に、せっかくですから、コロンナータの村を散歩することにしました。
今も大理石の採掘の進む、白い岩肌をあらわにした山を前に、大理石の記念碑が並んでいます。
記念碑には、人々が、大理石を採掘する様子が、彫り刻まれています。
大理石を採掘してきた村だけあって、教会の内部でも、大理石がふんだんに使われています。広場にあった給水場も、やはり大理石でできていました。
せっかくだから有名なコロンナータのラルドを買おうかと思いはしたのですが、昼食は済ませているし、まだ旅が続く上、夏は車内が暑くなるため、お土産にも不適当だということで、あきらめました。
車で山を下る途中で、おまわりさんや村人たちに尋ねるうち、ようやく「その日本人女性とB&Bなら知っている。」という人が現れました。その方の説明に従って、しばらく山を下ったあと、左に曲がり、細い坂道を登って行くと、B&B Galleria Ars Apuaを指し示す道案内があります。この名前にピンと来て、下に書かれていた電話番号に電話をすると、応対に出たのは、かずこさんご本人。しかも幸い、その晩は空いている部屋が一つあったのです。(上の写真は、B&Bの2階の窓から撮った写真です。)
こうして無事、探し求めていたB&Bを探し出し、宿泊することができました。
しばらく部屋で休んでから、かずこさんが紹介してくれたレストランのあるベルジョラ(Bergiola)の村に向かいました。夕食前にしばらく村を散歩したのですが、こちらの給水場が、印象に残りました。ネズミの装飾が施されていたからです。
しかも、後ろを見ると、ネズミのしっぽまで、きちんと作ってあります。
夕食後にもベルジョラ村を散歩し、教会の近くから、美しい夕焼けを見ることができました。
さて、翌朝。向かいの大理石の山の細い坂道を、毎朝、採掘に赴く車が器用に登って行くのだと、前夜かずこさんから聞いていた夫は、興味津々。
双眼鏡で、登って行く車の様子や、山頂で作業をするクレーン車を、熱心に観察していました。
イタリアの宿ではなかなかお目にかかれない、目玉焼きにサラダまである、おいしい朝食をうれしくいただきました。イタリア人らしく、「朝食は甘くなければ」という夫も、黄身の柔らかい目玉焼きは大好物で、ジャムもおいしかったので、喜んでいました。かずこさんも、他のお客さんもいてお忙しかったのに、いろいろとお話ができてうれしかったです。
Bed & Breakfast Galleria Ars Apua
Via Antica di Bergiola, 19 - 54033 Carrara (MS)
Tel/Fax: +39 0585-70496
Cell : +39 329-8707297
Email : contatti@g-arsapua.com
Sito : Bed & Breakfast Galleria Ars Apua, Carrara - HOME
Blog : https://galleriaar.exblog.jp
LINK
かずこさんのブログはこちらです。
- カッラーラ日記 大理石の山に見守られて
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素敵な風景です~
双眼鏡で見ると楽しいでしょうねぇ。
お友達のお宿も素晴らしいわ、とってもいい雰囲気ですね。
朝メニューも美味しそう。
毎朝目玉焼きを食べていますの、それがご飯なんですよ、ジャムつけてパンにしますわ。
長い距離を来られたご主人さま優しいです~
ペルージャからピエモンテへは、ただでさえ道が長いのに、少し遠回りして、ピオンビーノ港まで迎えに来てくれました。感謝しています。
無事に探し求めた宿が見つけられて良かったですね。
ちょっとしたヒントで探しだすのは、見つかった時の喜びも大きいです。
青空に大理石の山が美しい!(^○^)/
こちらでは台風12号の影響でしばらく青空がお預けになっています。
早く青空がみたい心境になっています。(^^)/
あの日は本当に部屋が空いていてなお子さん達に少し待ってもらったけれどあの時間に来てくれたらお掃除も出来ていて本当に良かったです。
最近知り合ったばかりなのに何度もあっているのでもうずっと前から知り合いだったみたいですね。
正確な場所も宿の名前も知らずに、探しに乗り出したのは、かなり無謀だったかなとも思うのですが、そう、最初に難航したこともあって、宿が見つかったときには、本当にうれしかったです!
台風12号の被害、日本全国にわたっていて、かなり大きく、亡くなられた方や行方不明の方までいらっしゃるようですね。どうかこれ以上被害をもたらすことなく、通過してくれますように。
白い雪をかぶった山と青空の風景って日本ではよく見られて好きなんですけど、こちらは大理石の採れる岩肌なんですね。
白い山と青空はやはり綺麗ですね。
この絶壁のような岩肌の山を作業者が器用に登っていくというのが想像つかないんですけど…熱心に観察したくなる気持ちが分かります(笑)
凸d(^ー^)応援pochi!
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