2011年 09月 04日
花のマリッティメ・アルプス1


イタリア語では、アルプス山脈のことを「アルピ」(le Alpi)と言います。アルプスと言えばハイジ、スイスというイメージがありますが、アルプス山脈は、イタリア半島の北方に、東西に長く横たわり、ヨーロッパの数か国にまたがっています。アルピ・マリッティメは、この広大なアルプス山脈の南西に位置し、イタリアとフランスの国境にまたがっていて、イタリア側は、州立アルピ・マリッティメ自然公園、フランス側は、国立メルカントゥール自然公園となっています。

この夏、わたしたちは、7月に二人で、イタリアのアルピ・マリッティメ自然公園を9日間訪れ、8月に友人たちと共に、フランスのメルカントゥール自然公園を、4日間訪ねました。

アルピ・マリッティメ自然公園を歩いていて、まずは、水の豊かさに驚きました。澄んだ水が、ほとばしり流れる川に沿って、歩いていくと、渓谷の両側にそびえたつ山の斜面から、小川や滝が流れ落ちてくることが、よくありました。

そして、山を登ってたどり着いた川の源には、たいてい美しい湖がありました。

次に驚いたのが、7月も半ばを過ぎたというのに、色とりどりの美しい花が、野山を彩っていたことです。

標高が高いため涼しい上に、水が豊かなためでしょう。(雨にも時々降られました。)おかげで、水のせせらぎを耳にし、美しい花を眺めながら、山を登ることができました。そして、さまざまな色や大きさの蝶が、花の間を飛び回っていました。

さて、7月16日土曜日の朝、カッラーラのかずこさんのB&B(記事はこちら)を後にしたわたしたちは、高速道路をまずは、ピエモンテ州を目指して、北上しました。「山のふもと(piè 〔di〕 monte)」というその名のとおり、アルプスの高い山々に囲まれたピエモンテ州には、自然公園がたくさんあります。今回は、州の南西に位置するアルピ・マリッティメ自然公園を訪れることに決めました。
7月の週末とあって、湾岸を走る高速道路の渋滞を心配していたのですが、サヴォーナ付近で車が少し多かったくらいで、ひどい渋滞に巻き込まれることもなく、走ることができました。アウトグリルで昼食休憩を取り、パニーノを食べ、モンドヴィ(Mondovì)で高速を下りて、アルピ・マリッティメへと向かいます。途中、ヴァルディエーリ(Valdieri)の町(上の写真)に立ち寄りました。山に向かって登って行くと、行き合う村が小さくなり、ガソリンスタンドやATMがなかったり、観光案内所の閉まるのが早かったり、宿では現金でしか支払いをできなかったりする場合がよくあります。そこで、この町で現金を調達し、自然公園の登山用地図とガイドブックを購入しました。

それから、雲に覆われたアルプスの山々を見ながら、ジェッソ川(Torrente Gesso)沿いに走り、テルメ・ディ・ヴァルディエーリ(Terme di Valdieri)まで行きました。自然公園の観光案内所で、宿の情報も聞きました。案内所付近から出る登山コースが興味深いので、近くの宿に泊まれたらと思ったのですが、二つあった宿のうち、一つは満室で、もう一つは温泉施設もある料金のひどく高い宿でした。

そこで、案内所で、近くの村の宿を教えてもらい、川沿いの道を引き返しました。テルメ・ディ・ヴァルディエーリに近いサンタンナ・ディ・ヴァルディエーリ(Sant’Anna di Valdieri)の村にさしかかると、B&Bへの道を指し示す標示があり、示す方向に向かうと、

B&Bの向かいに、バールとレストランも兼ねたホテル、ロカンダ・アルピーナ・バルマ・メーリス(Locanda Alpina Balma Meris)があります。わたしたちは、7月16日の晩から20日まで、このホテル、バルマ・メーリスに滞在しました。最初の晩は、バス・トイレ共同の部屋しか空きがなくて、この部屋の宿泊料金は、朝食・夕食込みで、一人44ユーロ。

翌日からは、バス・トイレつきの広い部屋に泊まり、朝食・夕食込みの宿泊料金が、一人48ユーロでした。わたしたちが泊まった部屋は、幸いダブルベッドの他に、もう一つシングルベッドのある広い部屋で、三つもある窓からは、ちょうどアルプスの山が見えました。上の写真は、夫が部屋の窓から、朝6時過ぎに撮影したものです。朝日の光を浴びて、山が赤く染まっています。
経営者が変わったばかりのこのホテルは、食事はおいしいこともあれば、あれ、ということもあったのですが、夕食は、前菜からデザートまですべて含むフルコース。掃除は少し行き届かないところもあったのですが、なにせ経営する若者たち(と言っても、30~40代)の人がいいので、居心地がよくて、わたしたちは、すっかりいついてしまいました。サンタンナの村から出ているトレッキングコースがいくつもあるため、イタリア内外から、山を歩くために利用する客が大勢いました。



アルプスの山はいくつかの国にまたがってるのですね。
自然公園いいですねぇ~
川の源が湖があるなんて素敵、お花も咲き蝶も舞う、何て
美しい眺めでしょう。
こうして夏休みを過ごすっていいなぁ。
なおこさんのお話で旅に行かれる方にすごく、嬉しい
ことですね。
行けない私ですが、このような写真をたくさん見せて
貰って色々と思い巡らせて楽しんでいます~

きっとヤナギランだと思います。行き慣れたイタリア中部やアッペンニーニ山脈とは違う花や植物も多く、花には詳しい夫も名前を知らなかったのですが、クロちゃんのブログを拝見すると、ヤナギランを始め、見覚えのある花が多く、名前が分かってうれしいです。イタリア語の名前は知っていても、日本語で何と言うか知らない花も多いのです。『クロちゃん山の植物図鑑』、頼りになります! 朝日を浴びたアルプスすてきですよね。この日の朝、わたしはまだ寝ていたのですが、翌々日にはわたしも早起きして、オレンジ色に染まる山の雄姿を眺めることができました。夫が撮影した翌日も早起きしてカメラを構えたのですが、曇っていたのです。

あらためて、Googleの地図で見て理解しました。イタリアと隣国の国境はアルプス山脈なんですね。
アルプス山脈がまるでイタリアの屋根みたいですね。
自然公園の景色もさすがに素晴らしいですね。
アルプス=雪をかぶった山…というイメージがあるんですが、夏場はあまり雪が残っていないみたいですね。
花が見れる場所が多いのでしょうか。
凸d(^ー^)pochi

一枚目の画像を見て、ハイジが飛び出してきそうだわ♪なんて思いました。素晴らしいですね~しみじみ。
↓イタリアの方って甘い朝食を好まれるのですか!
なるほど道理で・・・一つ物知りになりました^^
最近夫の朝食は、ヨーグルトに季節のフルーツ、シリアルに牛乳と豆乳をかけて、甘いミルクティー、黄身とろとろの目玉焼き(お醤油が欠かせない!) と、豪華版です(笑) 洋食ぽいけど、微妙に和テイストなところがポイントです。やはり幼少から慣れた味が一番ですね。
ちなみに私は、あるものを適当につまんでます(爆)
そうなんです。イタリアでは甘い朝食を好む人が多いのです。パンにジャム、ビスケット、ケーキ、シリアルなど、人によって食べるものは違うし、たまに朝食をパニーノに食べるというイタリア人もいはするのですが。日本のホテルでは朝食が洋風であっても、パスタとか目玉焼きとか塩気のあるメニューですよね。初めて日本を旅行したとき、最初は夫も宿で出される和洋の朝食を試していたのですが、途中からやはり「甘い朝食でなければ」ということで、前の晩でコンビニでカッフェッラッテと菓子パンを調達して、ホテルの室内で食べるようになりました。あとで他の方に話を聞くと、日本を旅行する際、こうやって部屋で朝食をとるイタリア人は夫だけではないことが分かりました。だんなさまの朝食、何だか朝からおいしそうで、いいですね。おしょうゆというのが乙。「あるもの」とは何かが気になるわたしです。