イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

少しずつ少しずつ

 少しずつ少しずつ秋が深まり、ミジャーナでは、まだ青いものの、

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Migiana di Monte Tezio 27/9/2011

ドングリが、こんなに大きくなりました。

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 9月27日火曜日の夕方、ミジャーナの家(記事はこちら)の改築の様子を見に行ったときの話です。以前に比べて、壁が1メートルほど高くなるように設計したため、壁に積み上げるための石を、家の周囲やオリーブ園の中から、探し出して運ぶのを、わたしも少し手伝いました。この日は、すでに壁の高さが達すべきところまで達して、屋根を載せられるように、準備をしていました。

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 夫は、器用に仮設足場を上り、屋根の近くまで行って、進行状況を見ながら、左官職人さんと話しています。高所恐怖症のわたしには、この足場を上る度胸はないので、下で、夫たちの会話を聞いていました。

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 こうして話が終わってから、家の前の丘を登って撮影したのが、2枚目の写真です。高く登れば、屋根で覆ってしまう前に、今なら見える屋内の様子を撮ることができるからと、わたしが夫に提案しました。丘の上には、ヨーロッパオーク(quercia)の木が多く、そこで、ドングリの実に出会えたわけです。

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 改築中の家を取り囲むオリーブの木々を見ても、オリーブの実が、少しずつ少しずつ熟していっています。

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 帰りがけに、栗林(castagneto)を通って、ロミトーリオ(Il Romitorio di Monte Tezio、記事はこちらまで、散歩することにしました。坂を登り始めてすぐに、とても見晴らしのいい場所があって、ミジャーナの村や、やはり改築中の古城、Castello di Procopioが、遠望できます。

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 ところどころで、枯葉の間から、

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秋咲きのシクラメン(ciclamino)が、顔を出しています。

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 みごとな大木の多い栗林の中でも、ひときわ大きく、ひときわ愛着のある栗の木(castagno)には、夫は手を幹にじっと押し当て、何やら語り合っているようです。

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 こうして、30分ほど歩いてから、たどり着いたロミトーリオ近くにも、やはり大きなヨーロッパオークが、枝を伸ばしていました。夫は、改築の参考にするため、ロミトーリオの屋根を見たかったようですが、主人らしい女性と放し飼いの犬がいたので、二人で遠くから、屋根の造りを観察しました。

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 近くでは、色づきつつある野バラの実が、茜色の日の光を浴びて、いっそう美しく、

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引き返して丘を下る途中には、鮮やかに赤いセイヨウサンザシ(biancospino)の実を、時々見かけました。ミジャーナの家の周囲に植えたいからと、夫は、よく熟していそうな実を選んで、摘んでいました。

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9/10/2011

 10月7日金曜日は、朝から空が暗く、強い風が吹きすさんでいたのですが、午後にはどしゃ降りの雨が降り、家では、閉まった窓からも雨水が室内に入り込み、慌ててよろい戸を閉めようと窓を開けると、それだけで上半身ずぶ濡れになってしまいました。この日は、屋根をまずはセメントで覆う作業が行われ、夫も作業を手伝っていたのですが、幸い、雨が降り出したのは、作業が終わって、片づけをしている最中だったとのことです。ただ、まだ流したばかりのセメントが、ひどい豪雨に耐えたかどうかを、夫が心配していたために、10月9日日曜日、昼食のあとで、義弟と共に、屋根や屋根下の部屋の様子を見に行きました。

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 わたしも、今日こそ最上部まで上って、様子を見てみたいと思ったのですが、足場の3階まで登っただけで、高さが恐くなり、被害の観察は、夫と義弟に任せることにしました。写真は、わたしがたどり着けた高さから撮ったものです。

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 幸い、セメントは雨に持ちこたえ、屋根の下に水が流れ込むことは、なかったようです。このあと、ひょっとしたら水が入り込んだかもしれないと、階下にも様子を見に行きました。手前に見えるような瓦やレンガは、改築中に使えるようにと、夫と義父が協力して、探し出して、汚れを取り除き、積み上げたものです。まだ作業の済んでいないものもあり、この作業が一つひとつ時間のかかる大変なものなのですが、新しいものを買うよりは、せっかくある古いいい素材を使いたいということで、時間のあるときに、根気のある作業に取り組んでいます。完成は1年先になるかもしれない、とは言うものの、ミジャーナの家も、こうして少しずつ少しずつ、完成に近づきつつあります。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by oliva16 at 2011-10-12 19:38
秋が相当深まっている様子ですね。栗の木の写真を見ていると、こちらまでマイナスイオンが伝わってきそうです。そういえば私はずいぶん長いこと、山歩きなんてしていません。今は頸椎炎がかんばしくなくて長時間歩いたりできませんが、症状がおさまったら体力づくりも兼ねて、少しずつウォーキングを始めようかしらと思っています。
Commented by milletti_naoko at 2011-10-12 23:47
olivaさん、それはつらいですね。早く歩くのが楽になりますように。わたしも最近、歩くのをかなりさぼっています。なのに、今週土曜日から、夫や友人たちと共に、リエーティからローマまでの100kmを、1週間ほどかけて歩くことになりました。とりあえずスポーツ用品店に行って、長い間道路(今回は山道ではなく、ほとんど道路だそうです)を歩いても、足が痛みにくかろう靴を買いに行きました。履きならすためにも、歩かなければと思っています。うちが近ければ、一緒にお散歩できるのに、残念です。
Commented at 2011-10-12 23:54 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by bianchi_saitoh at 2011-10-13 00:11 x
セメント(コンクリート)雨の被害直接受けなくてよかったですね。
固まる前にコンクリートの表面が雨を受けると粉状の様に剥がれたり次の工程との接着が悪くなったりなどいい事は一つもありませんから。
日本ではまず見れない工事の進行状況、今後も楽しみです。
Commented by milletti_naoko at 2011-10-13 00:17
鍵コメントの方、こんにちは! 秋の美しさが、毎日ここかしこに見つかるのがありがたいです。
ありがとうございます。自分のブログでは、意に添わない広告が伴うのが嫌なので、毎月料金を払ってでも、広告のない記事にしているのに、他人の記事と商品やあやしげな勧誘広告だけが並ぶブログに、わたしの記事へのリンクが貼られているなんて…… 当該ブログの今日の記事には、わたしが絶対に賛同できないタイプの広告もあり、わたしもさっそくリンクを削除するようにお願いするメールを書きました。早めに削除されることを願います。本当にありがとうございました。
Commented by milletti_naoko at 2011-10-13 00:26
bianchi_saitohさん、やっぱりそういう、すぐには目に見えない被害があるんですね。セメント(イタリア語ではcementoなので「セメント」と訳しましたが、辞書には「コンクリート」とも訳があります。)を流し込むのは、本当は前日の木曜日のはずで、木曜のうちに済んでいれば、金曜日には固まっていて、雨が降っても大丈夫だったのに、と夫も義弟も言っています。ネタが個人的すぎるかなと思いつつ(ブログのネタに個人的も何もないような気もしますが)、進捗状況を気にしてくれているイタリアの友人向けに、改築の写真も載せたのですが、日本にも、さいとうさんのように、興味を持っていただける方がいるんですね。よかった! ひょっとして、建設関係のお仕事をされているんですか?
Commented by ムームー at 2011-10-13 10:27 x
なおこさんこんにちは~
こんなに見晴らしのいい場所にお家があるのですね。
改築の様子を見せていただくのは嬉しいですわ。
出来上がって行くまで心配もありますが
細かい所にまで気配りが出来るのは素晴らしいことですね。
出来上がりまで楽しみがたくさんありますねぇ。
Commented by milletti_naoko at 2011-10-13 18:27
ムームーさん、こんにちは。少し山を登ったところから見える眺めが、本当にすてきなんです。友人たちの提案もあり、見晴らしのいい上方に家を動かせないかと考えたのですが、このあたりはテッツィオ山自然公園で建築の規制が厳しく、残念ながら不可能でした。
いろいろと打ち合わせや作業の観察、自分たちでしなければいけない作業もあって慌しいのですが、少しずつできていく様子を見るのは、興味深いです。もうしばらくしたら、紅葉が美しくなり、オリーブの実も熟して、改築の様子を見るついでに、紅葉狩りやオリーブの収穫をすることになりそうです。
by milletti_naoko | 2011-10-12 12:01 | Umbria | Comments(8)