2011年 11月 27日
奥山に枯れ葉踏みしめ
昨日の朝は、山を歩こうと、ラヴェルナに向かいました。無料高速道路を下りて、目的地もすぐという頃、左手に、グレンニャーノ(Gregnano)へと進む小道があり、「いつも近くを通るのに、見たことも聞いたこともない場所だから、行ってみよう。」という夫の提案で、道を左に曲がりました。すると、道は山の高みから下へ下へと下って行き、山に囲まれた中に、目指すグレンニャーノの集落が見えました。四方を山に囲まれた、小さな村には、住宅が点在していて、わたしたちは、桜の木の紅葉を愛でながら、村を通り抜けました。
砂利道をしばらく進むと、道路に突き当たります。標示には、左に進むとミケランジェロの生家のある村、カプレーセ・ミケランジェロ(Caprese Michelangelo)(記事はこちら)、右に進むと、目指すラヴェルナがあると書かれています。
そこで、道を右に曲がり、しばらく進んでいると、こんな道案内が目に飛び込んできました。eremoは、俗世間から離れ、自然の静寂に包まれた場所で、修道士たちが祈りや労働に過ごす場所です。道案内の下に、赤白の線が引かれているのは、この道がCAI(Club Alpino Italiano、イタリア山岳クラブ)のトレッキング・コースでもあるからです。どんなところか行ってみようと、車でEremo della Casellaに向かうと、道には大きな石や深い溝が多く、車高の高い夫の車でも、進むのが大変でした。途中で、出会った二人の猟師に尋ねると、「ジープでなければ難しいから、この少し先に車を置くといい。自分たちは行ったことがないけれど、1時間歩けば行けるはずだ。」とのことでした。
それで、どんな住居か、どれくらい歩く必要があるのかも分からないまま、12時半過ぎに、隠修士の住居を目指して、青空の下を歩き始めました。
真っ赤に熟した野バラの実を始め、晩秋の山の美しさに目を喜ばせながら、
長く続く坂道を上って行きます。
上りつめると、それまで坂の後ろに隠れていた山並みが、姿を現しました。
夫が山頂近くに登って、双眼鏡で何やら眺めているので、何を見ているのかと思ったら、なんとペンナ山(Monte Penna)とラヴェルナ(La Verna)が見えるではありませんか。夫は双眼鏡で、こんなふうにラヴェルナを拡大して見ていたに違いありません。
まだ色づいた葉の残る木にも、すっかり冬の装いがすんだ木にも、それぞれの風情があります。
落ち葉の敷きつめる道を歩いて行くと、踏みしめる枯れ葉が、足元で立てる音が、耳に心地よかったです。
栗林の近くでは、枯れ葉に、栗の実が混じっています。
天気がいいので、あちこちで、どこまでも連なる美しい山並みを見ることができます。
午後2時を過ぎ、1時間半以上歩いたのに、まだ目的地が見当たらないので、ひょっとして、気づかずに、通り過ぎてしまったのではないかと心配し始めた頃、
ようやく目指していた建物が目前に現れました。扉の前に書かれた説明によると、この教会と住居は、聖フランチェスコの最後のラヴェルナ訪問を記念して建てられそうです。この日、わたしたちが歩いた道の一部は、9世紀前には聖人自らが歩いた道でもあり、17世紀の記録には、このEremoの建立を望んだのは、聖フランチェスコ自身だと書かれているそうです。
Eremoが建つフォレスト山(Monte Foresto)の山頂付近からは、こんなふうにペンナ山がよく見えます。
傾き始めた日が、晩秋の山をいっそう赤く染め上げる中、長い坂道を下って行きました。ようやく車に戻れたのは、午後3時44分。それから、聖地から夕日を見ようと、車でラヴェルナへと向かったわけです。
見入っています~
聖フランチェスコを思いながら歩かれた道、さまざまなものが
目や心を満たしてくれますね。
最後の写真も素晴らしいです~
見せて貰って爽やかでほっとする気持ちをいただきました。
いつもありがとうございます。
こちらこそいつもありがとうございます。
青空が綺麗で気持ちよさそうです。
私たち親子(子供二人)も27日は現在建設中の新東名をサイクリングしてきました。高速を自転車で走れる滅多に無い機会です。
沼津の駿河湾沼津SAをスタートし、新富士ICの先を上下線往復の35Km旅でした。天気にも恵まれ富士山、茶畑、海が日常を忘れさせてくれました。
どこまでも青く晴れわたった空の下、遠景も木々もとりわけきれいに見えました。
富士山や茶畑、海を眺めながらの長距離サイクリング、すてきですね! 子供さんたちにも、いい思い出ができたことと思います。建設中の高速道路が、サイクリングができるように開放されているというのも気が利いていますね。