2011年 12月 10日
花と緑のキュー・ガーデン
植物を愛する夫と旅をすると、世界のどの都市に行っても、まず訪れるのは、植物園や庭園です。冬に庭園を訪ねてもと、内心思いはしたのですが、冬の庭園にも、それなりの美しさがあり、巨大な温室がいくつもあって、中には緑や花があふれていて、なかなか興味深かったです。
この日は朝ゆっくり起きて、朝食のあと、地下鉄を乗り継ぎ、植物園と同名のKew Gardens駅で降りました。道案内に従って歩くと、道の両側には、すてきな造りの家が、たくさん並んでいます。
わたしたちは、こちらのヴィクトリア門(Victoria Gate)から、園内に入りました。大人一人の入園料金は13.9ポンドですが、宿泊先のホテルでもらった20パーセント割引券を見せると、11ポンドになりました。
最初に入った温室は、こちらの広大なPalm House。
その名のとおり、温室内は、緑のヤシ(palm)の木でいっぱいです。こんなふうに、らせん階段を上って、高いところから木々を眺めることもできて、夫は大喜びでしたが、高所恐怖症のわたしは、恐くてたまりませんでした。
海藻やその周囲に住む動物たちを集めた水族館もありました。この水槽では、サンゴ礁付近に住む魚たちを見ることができます。
温室を出て、外を歩くと、初冬の庭園では、小さな赤い実が目に鮮やかで、
敷きつめられた落ち葉の間に、みごとな巨木がそびえていました。
桜の葉は赤く色づき、ペルージャではめったに見かけないイチョウの木は、鮮やかに黄色い葉で覆われていました。日本の桜が、小道の両側に立ち並ぶところもあり、春にはさぞかし美しいことだろうと思いました。
園内にはカフェもいくつかあり、そこでサンドイッチなどを買って食べることもできたのですが、寒い園内を長く散歩したあとなので、ゆっくり落ち着いて、温かいものを食べようと、こちらのレストラン、Orangery Restaurantで、昼食を取りました。セルフサービスで、いくつかあるセットメニュー(10ポンド弱)から好きなものを選び、飲み物と一緒に、レジで支払いをすませました。
細い竹が立ち並ぶ入り口の奥に隠れているのが、こちらの庭、Secluded Garden。竹や石の並びが、何となく日本庭園を思わせます。キュー・ガーデン内には、日本庭園もあったのですが、今回は、時間がなくて、見ることができませんでした。
こちらの温室、Princess of Wales Conservatory内は、十の異なる気候帯に分かれていて、それぞれの地に自生する植物を観察することができます。生まれて初めて、バナナの花と熟しゆく実を見ることができて、興味深かったです。コーヒーの木や、実がなったマンゴーの木を見たのも、わたしは今回が初めてでした。夫は、遠い昔に南米や東南アジアを旅したときに、すでに見たことがあるそうです。
この蘭の花たちが、こうして根を宙にむきだしにして、根を通して雨や霧から水分を補給すると知って、驚きました。キュー・ガーデンでは、訪れる人が植物や動物について学べるように、単に名前だけではなく、興味深い説明も、しばしば添えてあります。
閉園時間が近づき、土産物屋に立ち寄る前、最後に足を運んだのが、こちらの池です。紅葉や冬枯れの木のたたずまいの美しい池は、たくさんの鳥たちとにぎやかな鳴き声に満ちていました。ちょうど鳥たちの餌の時間に通りかかったからです。
中には、孔雀も何羽かいました。わたしが孔雀に近づいて、眺めたり、写真を撮ったりしていると、親切な餌係の人が、「餌をやりたければどうぞ。」と、孔雀の餌をわたしの手のひらに載せてくれました。ただ、この孔雀さん、見知らぬわたしを警戒したのか、餌を手早く手に入れるための策略か、くちばしで、餌をついばむ代わりに、わたしの手を二度鋭くつつきました。驚いたわたしの手のひらからは、すぐに餌が地面にこぼれ落ちました。係の人が餌をやっているときには、おとなしくついばんでいると言うのに…… 係りの人はもう一度餌をくれたのですが、結果は同じ。でも、孔雀に手のひらをつつかれるという、めったにできない経験をすることができました。
ヴィクトリア門近くのVictoria Plazaには、カフェと店があり、そこで庭園や植物に関する本や、陶器やオイルなど、実にさまざまなものを売っていたので、最後にその店に立ち寄り、買い物をしてから、植物園を後にしました。入園料を払ったヴィクトリア門の入り口では、係員が、2人に1枚、英語の案内パンフレットをくれただけなのですが、このヴィクトリア・プラザの入り口には、イタリア語や日本語の案内パンフレットもあり、訪問が終わってから気づいたのですが、冬の散策コースを示したパンフレットまでありました。外国語で書かれた案内には、それぞれの月の庭園の見どころもいくつか挙げられていたのですが、不思議なことに、同じ12月の項を見ると、イタリア語版と日本語版では、書かれているものが若干違っていました。
ユネスコ世界文化遺産にも指定されたこのキュー・ガーデンは、どの季節にも魅力があると、あちこちで読みましたが、春の美しさはひときわではないかと思います。いつか春の日に再訪するのが楽しみです。
糖尿病の食事のこと、見ました~ご親切にありがとうございます、参考になります~
こちらの町並みも素晴らしいですね。
植物園も立派で見て回るのも楽しみですね~
池には鳥達が憩い、木々の色づきを愛でて素晴らしいなぁ~
なおこさん、孔雀さんにつつかれたなんてお初体験されましたね。
春にはまた違った美しさが見れますね。
興味深く読ませて貰えて嬉しい~
バナナの花?コーヒーの木?実がなったマンゴーの実?
実に興味深い散策です。ヽ(^o^)ρ
孔雀の色がとても綺麗です。
知らない人から餌をいただく技を知っているようですね。(^<^)
イギリスの家は、造りがおしゃれな上に、窓ガラスが大きくて、たくさん日光を取り込めるようになっていて、何だか家そのものが温室みたいだなと感じました。
この孔雀、色が本当にきれいで、瞳もつぶらなのですが、なかなか戦闘的でした。確かに、一番早く餌が手に入る方法ではあるのですよね。