2011年 12月 13日
人が住みよい世の中を
日本では、駅の構内が白い壁に覆われ、違和感のない空間であることが多かったように覚えているし、ペルージャで駅や各地に設置されたエスカレータは、ガラス張りで外の風景が見えたり、両側が石やレンガの壁に覆われたりしています。
それに対して、ロンドンの地下鉄の駅では、表面を何かで覆ったり、外観を心地のよいものにしようという意図が感じられず、構造がそのままさらけ出されているような印象を受けました。
そのためか、大勢の人々が駅の構内を移動するのを見て、人間が、自分の用事のために、地下鉄や駅を利用しているというよりは、地下鉄網や駅という巨大な機械的組織体が、人間を、工場の部品のように、ベルトコンベアによって次々と運んでいるかのような、あるいは、自己内部にある消化組織に、うまくさばいて送り込んでいるかのような、そういう印象を受けました。人が移動のために、地下鉄をうまく利用しているのか。それとも、地下鉄があるがために、多くの人が仕事や余暇のために、あちらからこちらへと、絶え間なく移動することを、余儀なくされているのか。
人間が、暮らしをより便利に、豊かにするために作り出したはずの機械が、やがて主権を握り、人々に非人間的な選択や生活を強いるようになる。昔大好きで見ていたアニメ、『銀河鉄道999』で突きつけられていた問題を、かつて中学生だったわたしは、現実にはほど遠い問題だと思っていたのですが、最近は、ロンドンの地下鉄に限らず、この問題が、チャーリー・チャップリンが名画、『モダン・タイムズ』で訴えていたのと同じくらい現実的で、切実なものなのではないかと感じる機会が多くなりました。
原発や携帯電話にしても、本来生活を豊かにするために登場したはずなのに、それが健康に危害を与える可能性が高いと分かっても、社会の、経済のしくみによって、温存され、人の暮らしや命が脅かされ続けています。(記事はこちら)
本当に大切なもの、守るべきものは何かを、まずはわたしたち自身が十分に意識して、目先の経済的損失にとらわれず、自らの進退に危険が生じても、市民や市民の安全な暮らしを大切にしてくれるような、そういう政治家に国政を委ねたい。ロンドンの地下鉄駅で、何度もエスカレータに運ばれながら、そんなことを思いました。
確かに機械の中で生活しているって感じます。
未来を想像した昔のアニメが現実になりつつあります。
それゆえ、機械から開放されて自然を求める時間が嬉しく感じます。
これでタイムマシンが発明されたら、アニメの夢の世界がほとんど現実となりましょう。(^^)/
いつも素晴らしい言葉をありがとうございます、ほっといたしますの。
お伽の国のような町並みなのに、ただ運ぶだけのものになってるのですね、私達は細かい所まで気遣いされてると嬉しくなり安心だと思います。
日本も今の政権にはがっかりしていますが、守られて安心した暮らしが出来ることを望みますね。
実際に体験されたお話は説得力がありますわぁ~
歴史は「為政者がつくるのではなく、民がつくる」と信じています。
施錠が壊れたスーツケースを開けると、「何か疑わしいものが入っている可能性があると考えて、検査しました」という税関発行のカードが入っていて、確かイタリア語で書かれていたので、ペルージャ空港の税関が錠を壊したのだと思います。夫もわたしも、鍵をわざわざ壊さずとも、荷物を預ける際に言ってくれれば、こちらから鍵を開けたのに、と思いました。ペルージャ空港に着いたときは、鍵は壊されていなかったものの、数いる乗客の中、わたしだけ税関に呼び出されて、スーツケースを開けるように言われたりもしました。今度からは、短い旅行なら、行きだけでもすべて手荷物として機内に持ち込むようにしたいと考えています。
ちなみにローマやミラノの空港では、イタリア到着時に、税関に機内預け入れの荷物を開けるように言われたことはないのに、ペルージャ空港では以前にもそういう経験があるので、特に検閲が厳しい、あるいはアジア系外国人がその対象になりやすいのかもしれません。