イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

甘い誘惑

 ロンドン旅行中は、代表的なイギリス料理、フィッシュ・アンド・チップス(fish and chips)を始め、

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こってりしたものや、ボリュームの多いものを食べる機会が多かったので、毎日長時間歩きはしたものの、それでも体重が増えてしまいました。

 イタリアに帰ってきてから、「ダイエットをしなければ」と思い、玄米ごはんと野菜中心のおかずを食べるように心がけました。(ちなみに、夫はこういうとき、おかずをトーストしたパンと共に食べます。)それが、映画を見に行って、料金を安く上げるためにカードを作ったら、ポップコーンが無料でついてきて、だれも食べるのに協力してくれないし、おいしいので、おなかもすいていないのに、一人ですべて平らげてしまいました。友人たちと共にピザ屋に出かけては、ピザを食べた上に、皆がデザートを頼むので、どうせ割り勘だしと、わたしもティラミスを頼んだりして、これでは、翌日の体重が増えるのは目に見えているものの、年末年始には、こういう機会がたくさんあります。

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 夫がいるときは昼食にパスタを料理することが多いのですが、一人で食べるときは、朝も昼も軽くすませるようにしていたら、午後はおなかがすいて、おとといは、「そう言えば、ローマに行ったときに買ったおもちがあったっけ。」と、切り餅を焼いて、

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しょうゆをつけ、海苔をまいて、食べました。もう長いこと、おもち自体を食べたことがないので、おいしい上に、味が懐かしくて、とてもうれしかったです。

 焼くとおもちがこんなふうに、ぷうっとふくらむというのも、知らないというか覚えがなくて、ああ、だから「やきもちをやく」と言うのかしらと、思ったりもしました。後で調べると、そういう語源説もあるようです。値段を見ると、400gの切り餅が10.5ユーロですから、1kgあたりの値段は26.25ユーロで、生ハム並みです。大事に取っておいて、今度は年明けにお雑煮にして食べたいと思います。夫の印象は「ゴムみたい」(E’ gommoso.)だったので、あんまり好きではないかもしれないのですが……

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 クリスマスも近いからと、来客用にとチョコレート菓子を買うのですが、このチョコレートに、ついつい手が伸びてしまっていけません。チョコレート、大好きなんです。義弟がぺルジーナのチョコレート工場に勤めているというのに、わたしが秘かに好んでいるのは、リンツ社のリンドールのミルクチョコレートです。ブラックチョコレートとヘーゼルナッツでできたバーチ(baci)の方が、健康にはいいであろうと、思いはするのですが…… ちなみに、バーチ・チョコレートを作ろうと思いついたのは、ペルージャの女性企業家、故ルイーザ・スパニョーリ(Luisa Spagnoli、1877‐1935)で、この誕生秘話がとてもおもしろいので、興味のある方は、ぜひ関連記事をお読みください。(下記リンク参照)

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 閑話休題、昨夜は、チョコレート菓子に手を伸ばす代わりにと、チョコレート風味のケーキを焼くことにしました。と言っても、ウンブリア州の伝統的なリングケーキ、トルコロ(torcolo)に、粉末カカオを加え、レシピに若干の変更を加えただけです。(トルコロのレシピは、下記リンク参照)

 卵に砂糖を加えて、よく混ぜたあと、薄力粉と粉末カカオを加えて、さらに混ぜ合わせ、トルコロと違って、レモンの果汁と皮は使わず、代わりに牛乳を、ふだんより多めに加えました。そして、オリーブオイルを加えて混ぜたあと、最後に、ベーキングパウダーをふるいかけて混ぜ合わせ、型に入れ、オーブンで焼いて、できあがり。

 材料の分量は以下のとおりです。

卵        3個
砂糖       ヨーグルト容器(1杯125g)2杯分強
薄力粉      ヨーグルト容器4杯分(イタリアの小麦粉の場合は、farina00)
粉末カカオ     50g
オリーブオイル   ヨーグルト容器半分弱
牛乳       ヨーグルト容器半分強
型用無塩バター・薄力粉  ともに適量
ベーキングパウダー    1袋
*こちらで使用するものは16g入り、バニラ風味つきです。

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 チョコレート風味のリングケーキが、なかなかおいしくできて、うれしかったです。こうやって、トルコロのレシピに、カカオやジャムを加えたものを、夫とわたしは、たとえば「チョコレート風味のトルコロ」などと呼ぶのですが、お義母さんからは、「トルコロと呼べるのは、本来の伝統的な材料だけを使って作ったときだけよ。」と聞いています。

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 イタリアで販売されている粉末カカオにはいろいろあるのですが、今回使ったのは、こちらの砂糖が添加されていないもの(cacao amaro in polvere)です。そのため、今回は、砂糖を、若干多めに加えました。砂糖入りの粉末カカオ(cacao zuccherato in polvere)を使う場合には、砂糖を特に多めに加える必要はないと思います。

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 以前には、カカオと共に、こちらのチョコチップを加えて焼いたこともあるのですが、スポンジ全体がチョコレートの味をしているため、せっかくのチョコチップの味が感じられなかったので、今回は入れませんでした。

 今朝のわたしの朝食は、このケーキと緑茶でした。シリアルで朝食をすませて間食をするよりは、朝食をしっかり食べて(イタリアでは甘い朝食を取る人がほとんどです。下記リンク参照)、間食は避けようという作戦なのですが、さて結果はいかなることやら。

関連記事へのリンク
- ローマでそば発見!(切り餅を買ったローマの店と、この店で購入した日本食材について)
- バーチとアンゴラの意外な関係(バーチの誕生秘話)
- トルコロは母の味(トルコロの詳しいレシピ)
- イタリア語学習メルマガ第7号「イタリア式朝食、ラウラ・パウジーニの歌 『Fidati di me 』」
↑ イタリア式の朝食につて、イタリア語のオンライン記事を使って説明)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by クロちゃん at 2011-12-15 20:06 x
なおこさん、こんばんは♪
美味しいものはたくさん食べましょう。o(*^▽^*)o~♪
小さいことは気にしない気にしない~。
あっ、だから私のお腹は大きくなったのか…。(^^ゞ
やっぱり、少しは気にしましょう。(^<^)
でも、美味しいものを食べると幸せを感じます。(^^)/
餅は美味しいでーす。

Commented by milletti_naoko at 2011-12-15 20:31
クロちゃん、こんにちは♪ ああ、なんてお優しいお言葉。そうですよね、おいしいものは遠慮せずに食べて、運動をしたり、山を歩いたりして、摂取と消費のバランスを取るのがよいのでしょう。摂取が増えても、消費が少ないのをなんとかしなければ。雨の日や寒い日が多くて、散歩やトレッキングに出かけられない今日この頃です。そんなこと言ってたら、宮沢賢治に叱られそうですが……
はい、少しは気にしますが、おいしいものを食べたときの幸せも大切にしたいと思います。おもち、おいしいですよね! 今度はぜんざい作りにも挑戦したいと思っています。
Commented by koba at 2011-12-15 21:56 x
おもしろい!なおこさんでも誘惑に勝てないことがあるのですね。失礼ながら、なにか肉声に出会ったような気がします。
お餅ですが、生まれてこの方杵と臼の餅つきをずっとしています。新米と新小豆、新黒豆。手は係りますがこのお餅が食べられる幸せ。差し上げたい。
Commented by bianchi_saitoh at 2011-12-15 22:23 x
イギリスのメタボにはなるほどという食文化があるんですね。
胃がもたれて苦しくなりそうです。

私もチョコレート大好きですがやっぱり好きなメーカーありますよね。食べ過ぎないように明治の板チョコを少しずつ楽しんでます。
そして寒い季節ホットチョコレートがいいですね。昨年からハマッたばかりですが・・・。
Commented by かや at 2011-12-15 22:29 x
こんばんは☆
そーーなんですよね。冬になると体重が気になります。
あまり動かないのに、温かいものが食べたくなって、こってりとしたラーメンを食べてしまったり、がっつりと牛丼&豚汁を食べてしまったり。
それに甘いものも食べたくなってしまうんですよね~。
う~ん・・・でも、美味しそうです。

凸d(^ー^)pochi
Commented by milletti_naoko at 2011-12-16 00:43
kobaさん、甘いものの誘惑には、特にチョコレートには、わたし、本当に弱いんです。イタリアのよそのお宅では、奥さんがチョコレートの袋を買って、来客用にと隠してあるのに、だんなさんがうまく見つけて食べてしまうことがあると、よく耳にするのですが、うちではわたしが(別にすぐに一袋開けてしまうわけではないけれど)、食べてしまうことの方が多いのです。ただ外出先で、ジェラートやブリオシュを食べようと言い出すのは、たいてい夫の方です。
生まれて以来ずっと杵と臼の餅つきなんて、すばらしいですね! 今は亡き祖母の家で、よく手伝ったり、つきたてのおもちを食べたりしたのを、懐かしく思い出します。すぐにおうかがいに行けない距離にいるのが残念です。そう言えば、kobaさんは、どちらのお住まいなのでしょう?
Commented by milletti_naoko at 2011-12-16 00:49
bianchi_saitohさん、それでもローストラムやローストビーフ、サーモンを使った料理はけっこうあっさりしていて、わたしは好きなのですが、量がとんでもなく多いので、結局食べ過ぎになってしまうことが、よくありました。

明治のチョコレートもなつかしいです。時々、思い出したように「チョッコレート、チョッコレート、チョコレートは明治♪」と歌うと、夫がおもしろがって真似をします。イタリア語でもcioccolato(チョッコラート)なので、発音もよく似ていますし。明治と言えば、ストロベリーチョコレートやアポロチョコが大好きでした。イチゴがとりわけ好きだからでもあるのですが。

ホットチョコレート、おいしいですよね。冬の寒空の中を歩いたあと、ホットチョコレートを飲むと、ほっと一息つけます。
Commented by milletti_naoko at 2011-12-16 00:51
かやさんは、いつもお出かけの際に、おいしそうなものをたくさん食べていらっしゃいますよね。冬は特にこってりしたものがおいしいですし。牛丼や豚汁は自分でも作れるのですが、日本ではお店で、気軽に安い値段で食べられるのがいいですよね。
Commented at 2011-12-16 08:49 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ムームー at 2011-12-16 11:03 x
なおこさんケーキ美味しそうですねぇ~
お餅のこと、ゴムみたいって言われるご主人様、可笑しいわ。
でもそういう印象かもしれないですね。
私も海苔まいて食べたくなりましたわ。
夫が帰ると臭いがするものが食べれないです、きっと食べたく
なりますもの。
今、お腹を小さくするように食べ物が制限されています。
散歩など出来るようになればいいのですが。
Commented by milletti_naoko at 2011-12-16 18:43
鍵コメントの方へ そうなんですね。市は、勤めていた学校の職員研修旅行でも訪ねたことがあります。緑の多いすてきなところのようですね。うちの義父母や夫も古い物を捨てられない性格で、夫も、知り合いから譲ってもらった山ほどのクラシック音楽のレコードを、置き場がないのに大切に取っていて、ごくたまに聞いています。クラシックはCDもたくさんあるのですが、せっかくだから、またレコードを聞いてみたいなとコメントをきっかけに思いました。

自分自身が就職してからも、学校の転勤がありましたが、幼い頃から父の転勤で、横浜から札幌、札幌から東京、東京から松山へと、かなり距離のある引越しをして、引越しをするたびに、住み慣れた町や友人たちと離れるのがとてもつらかったのに、しばらくすると、また新しい町に住み慣れて、離れるのがつらくなったのを覚えています。本当に「住めば都」だと思います。
Commented by milletti_naoko at 2011-12-16 18:48
ムームーさん、ケーキ、自分で言うのも何ですが、なかなかおいしくできました。夫にしてみたら、確かに「ゴム」みたいな、不思議な食べ物に思えるのでしょうね。温めると伸びるのはモッツァレッラも同じですが、おもちにはコシがありますし…… 夫は、奈良のお店でぜんざいも食べたのですが、あのときのおもちは、角切りで小さかったから、気にせずに食べたのでしょう。

健康のために、少しずつ食事の量を減らしていこうということでしょうか。だんなさまも大変だと思いますが、優しいご家族がいるので、心強いことでしょう。いつか皆さんで、琵琶湖湖畔をお散歩できるといいですね。
by milletti_naoko | 2011-12-15 10:55 | Gastronomia | Comments(12)