2012年 01月 02日
年越しはスポレート

はるか彼方から、毎日変わらずに、地球に光と熱を、そして、生命を贈ってくれる太陽に、今年もどうもありがとう、新年もよろしく、とあいさつしました。

こちらは、スポレート(Spoleto)の町のすぐ近くの山の上、モンテルーコ(Monteluco)に、ひっそりと建つ聖フランチェスコ教会(Santuario di San Francesco)。

聖フランチェスコが、仲間たちと共に祈りや瞑想に日々を捧げて暮らした質素な部屋が、今もそのまま残っているこの教会は、みごとなleccio(日本語では、「セイヨウヒイラギガシ」?)の大木が生い茂る聖なる森(bosco sacro)に取り囲まれています。

大晦日の晩餐でせっかくスポレートに行くのだからと、わたしと夫は、早めにペルージャを出発して、スポレートに近い、このモンテルーコの教会と森を訪ねました。美しい眺めや夕日、そして、プレゼーペに飾られた教会を訪ねたあとは、

急ぎ足で、スポレートの大聖堂に向かいました。エスカレータ(scala mobile)近くの駐車場に車を置いて、エスカレータに乗り、夫が速足で駆け上がるあとを、必死で追っていきます。大聖堂はすぐそこと思ったら、このエスカレータの長いこと、長いこと。14世紀に建てられた城塞、Rocca Albornozianaが、夜明かりに浮かび上がっています。

息を切らしながら、ようやく大聖堂(Duomo di Spoleto)にたどり着いたのは、午後5時45分。こんなに大急ぎでやって来たのは、1年を締めくくるミサが、午後5時半から大聖堂で行われると思っていたからなのですが、

中に入ってみると、美しい教会にいるのは、わずか数人で、ミサが始まる気配はありません。ミサがどこでいつからか尋ねようと、問いかけると、皆、他の町から来た旅行者ばかりです。

外に出て、町のあちこちで、情報を尋ね、ミサが行われるのは、町の入り口にある、かなり下方の教会だと分かりました。なんと、わたしたちが車を置いたところから、歩いてすぐのところです。そこで、今度は中心街の通りを、下へ下へと急ぎ足で、降りていきました。

ミサが行われていたのは、ガリバルディ広場にある、この教会、Chiesa di San Gregorio Maggioreです。

ようやく着いたのは午後6時20分過ぎのことで、残念ながら、ミサはもう終わりかけていましたが、中に入って、11世紀に建てられたロマネスク様式の教会の、内部の美しさに目をみはりました。

大晦日のミサでは、過ぎ去った1年に感謝をして、"Te Deum"という歌を斉唱する長い伝統があり、夫が急いだのは、この歌を聞き、歌いたかったためなのです。幸い、この歌の斉唱は、ミサの最後だったため、わたしたちも一緒に歌うことができました。夫はラテン語で歌いたかったようですが、この教会ではイタリア語で歌われ、合唱団の歌うリフレインだけが、ラテン語でした。

ミサの後は、14世紀のフレスコ画に彩られた教会内を歩き、地下聖堂(cripta)も訪ねました。

それから、すぐ近くに住む、大学時代の友人、エリーザの家を訪ねて、温かい緑茶やおいしいお菓子をいただき、久しぶりの再会とおしゃべりを楽しみました。エリーザは、ペルージャ外国人大学の学士課程の同窓生で、現在は、スポレートの語学学校、Carpe Diemで、イタリア語と英語を教えています。上の写真は、昨年1月、スポレートにエリーザを訪ねたときに撮影したものです。

エリーザにあいさつをして、いよいよ晩餐の会場となるレストランに向かいます。エリーザの家からだと、どう行ったらいいものかと、迷いながら歩いていたら、こんな案内が見つかり、案内の矢印に従って歩いて行くと、無事にレストランに到着することができました。

夕食は午後9時から。ペルージャからやって来た友人たちとあいさつし、趣向を凝らしたおいしい食事とおしゃべりを楽しんだあと、2012年が訪れる瞬間にスプマンテの栓を抜き、乾杯しながら、新年の訪れを祝いました。

近くの広場で、生演奏のコンサートがあったのですが、わたしたちが訪れた午前1時半頃には、ちょうど終わりのあいさつの最中でした。その後は、にぎやかな音楽が流れ、若者を中心に、音楽に合わせて踊り出しました。わたしたちが、しばらく散歩したあと、駐車場まで歩き、ペルージャの家に戻ったのは、午後3時前のことです。
皆さん、明けましておめでとうございます。新年もよろしくお願い申し上げます。
参照サイトへのリンク / Riferimento web
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今年もよろしくお願いします。
綺麗な夕景ですね☆
冬場は晴れの日と曇り・雨・雪の日では体感的な温度が全然違いますから、お日様のありがたみを感じますね☆
日本ではテレビを見ながら新年を迎える人がかなり多いと思うんですけど……こういう大晦日も良いですね。
新年を迎えられたことを神様に感謝、ですね。
日本では、親類が亡くなった場合に年賀状や新年の喜びの挨拶を控えたりする慣習があって、今年は大震災があったので新年の挨拶も控え目にしている方が多いです…。
新年を迎えられた自体は誰にとってもありがたく、喜ばしいことだと思うんですけどね。
凸ぽち!
イタリアでは、大晦日は、友だちとどんちゃん騒ぎをしたり、真夜中には花火が打ち上がったりと、かなりにぎやかに過ごす人もたくさんいます。確かに、親しい人たちと共に新年を喜び迎えるというのは、いい風習ですよね。
今年こそ、いろんなことがよりよい方向に向かっていく年であればと思います。新しい1年を築き上げていくのは、わたしたち一人ひとり。まだ白紙の多い2012年に、できるだけすてきなこと、喜ばしいことを添えていけたらなと思います。
応援のぽちをありがとうございます。
年末に向けて、うれしいニュース、明るい出来事が、増えていきますように。