2012年 01月 04日
1月の旅難、 スト・雪・凍結

日本の愛媛で暮らしていた頃は、雪や凍結の多い地方に住んでいたため、冬はタイヤを交換し、必要なときには、チェーンも装着していました。ただ、イタリアでは、雪や凍結の恐れがあるときは運転するつもりもなく、今年のペルージャではまだ積雪もないので、チェーンやタイヤを急いで購入するつもりがありませんでした。
それが、いろいろ聞いてみると、今年から法律が変わって、冬季は、たとえ降雪や凍結の恐れがなくても、つまり、気象条件に関わらず、イタリア中の多くの道路で、スノータイヤ装着、あるいはスノーチェーンの携帯が義務づけられ、この法律に違反すると罰金も課されるというではありませんか。
この新しい法律を知っている人は多いけれど、その適用に関する解釈は、千差万別。
「義務づけは高速道路だけ」と言う人もいれば、「いや、郊外や中心街でも、義務化されている道路がある」という人もおり、
「チェーンさえ携帯していれば、タイヤのサイズに合っていなくても、警察はチェックなんかしないよ。」と言う人がいるかと思えば、「携帯しているチェーンに適合するタイヤの大きさまできちんと調べて、車のタイヤに合うチェーンじゃないと、罰金が科されると聞いたわ。」という人もいます。
何はともあれ、ペルージャからちょっと足を伸ばしても、「雪用チェーン・タイヤ必携」という看板が立っているため、わたしも、タイヤかチェーンを購入しなければと、思い始めました。ただ、問題は、こういう商品を扱う店は、家から遠いので、雪用チェーン・タイヤなしには通れないsuperstradaを通らないといけない上に、ひょっとしたら、家の近所の道だって、なしで走ると罰金を課されるかもしれないということです。
そこで、いったいどの道路で義務化されているか、法律の実際はどんなものかと、昨日から、信憑性が高くかつ要を得た記事はないかと調べていたら、国家警察(Polizia di Stato)のサイトに、見つかりました。
- Polizia di Stato – Ordinanze obbligo delle catene o pneumatici invernali
この記事によると、
・道路を管轄する公共団体は、交通安全のために、条例を通じて、車のスノーチェーン携帯ないしはスノータイヤ装着を義務づけることができる。
・条例に定められた期間中(ウンブリア州の場合は、2011年12月1日から2012年3月31日まで)は、たとえ降雪中でなくても、この義務が有効である。
・交通警察は、条例で義務化が定められている期間中、通行中の車の、スノーチェーン携帯/スノータイヤ装着を点検し、そのいずれもない場合には、80~318ユーロの罰金を課すことができる。
そして、この記事が書かれた警察のページの右横には、イタリア各州の該当条例(pdf)へのリンクがあって、リンク先には、それぞれの州で、この冬、雪用タイヤ・チェーンが義務づけられている期間と道路が書かれています。今のところ、このリンクは19州分だけで、サルデーニャ州の条例が欠けていますが、他のオンライン記事を見ると、サルデーニャでも義務化となる道路はあるようです。
試しに、ウンブリア州の該当条例に目を通すと、雪用タイヤ・チェーンが義務化となる道路を列挙した文書は11ページにも及び、国道だけでなく、多数の県道も列挙されています。というわけで、冬に罰金を恐れずに、車で移動するには、やはりタイヤとチェーンのいずれかが必要であることが、確認できました。では、タイヤにするかチェーンにするか、それとも両方にするか。どちらを買うか決めたところで、どのメーカーのどの商品を選ぶか。車で店を回って尋ねようにも、移動に必要なタイヤ・チェーンがないため、まだまだオンラインでの情報収集が続きそうです。夫は、結婚式で証人を務めてくれた友人に、どちら・どの商品がいいか聞いて、店から持って来てもらえばいいと言うのですが、安全に関わることである上、買っても自分ひとりで装着できないようなチェーンでは困るので、まずは、自分でよく調べてみたいと思っています。

では、公共交通機関はどうかと言うと、今月はストライキが目白押しです。詳しくは、次のサイトを参考にしていただきたいのですが、
- NewsEconomia - Sciopero Trasporti Gennaio 2012(訳すと、「2012年1月実施予定の公共交通機関ストライキ」)
今月前半のストライキだけ挙げてみても、
1月9日(月)
・イタリア全国でタクシーが24時間ストライキ
・フェリー会社、Saremarが、サルデーニャのCagliariでストライキ
・ラッツィオ州のバス会社、Cotralが24時間ストライキ
⇒このCotralのストライキは期日未定で延期されました。9日は平常どおり便が運行されます。(1月8日追記)
・ミラノでAir Pullman社のバスが、9時から13時までストライキ
1月9日(月)~10日(火)
・トスカーナで、ローカル線の電車が、1月9日21時から10日21時までストライキ
1月10日(火)
・プッリャで、C.T.P. Taranto社のバスが、8時45分から12時45分までストライキ
1月11日水曜日
・フィレンツェで、Ataf社のバスとtramviaが、ストライキ
*このフィレンツェでのストライキは、記事を書いたあと、新たに加わったものなので、赤で強調しています。
*ただし、このストライキについては、1月10日~13日にかけてフィレンツェで行われる服飾繊維・ファッション業界の国際見本市、Pitti Immagine Uomo(発音は「ピッティ・インマージネ・ウォーモ」)と重なるため、保証委員会から指導が入ったので、ひょっとしたら、延期になるかもしれません。ただし、ストライキを11日に決行するか否かの決定は9日月曜日まで保留されたようです。(1月8日追記)
**今、Ataf社のホームページを見たら、このストは撤回され、11日のバスは平常どおり運行されると書いてありました。今日の朝一番に見たら、まだストの予告が残っていたので心配していたのですが、よかった、よかった!(1月10日午前10時44分追記)
1月13日(金)
・カラーブリアで、鉄道が、11時半から15時半までストライキ
と、かなりのストライキがあります。
以前の記事でも、何度かお知らせしましたように、労使の交渉がうまく行って、事前にストが回避される場合もまれにありますし、24時間ストライキ中にも、運行が保証されている便や時間帯が、必ずあるはずです。詳しいことは地方ニュースや、スト当日が近づいてからのニュースで、確認してください。
これから寒さが厳しくなると、雪のために電車や飛行機の便が乱れる可能性もあり、冬の旅行では突然予定が狂うことも想定されます。冬の旅を予定されている方は、移動する日時にストがあるかないかを、十分確認して、しっかり計画を立ててください。


雪道や凍ててる道を走行するのは危険ですねぇ。
スノータイヤやチェーンが義務ずけられるのですかぁ。
色々と調べておられるのですね、いいのが見つかると
よろしいですねぇ~
冬の旅には気をつけることがいくつもありますね。
早くどちらを、そして、どの商品を購入するかを決めて、冬のドライブに備えなくては!

スノータイヤ、購入する時の出費は痛いですよね。私の住んでいる所は千葉県でも温暖で降っても1、2回、3~5cm積もると大雪?です。
ですがスキーに行く時のためにスノータイヤに変えてしまいます。4~5年でゴムが硬くなり効果が弱くなりますが、そのままオールシーズン走り通してしまいます。
ここで注意するのはコーナリングの弱さ。当たり前ですがブレます。次に雨等で路面が濡れている時制動距離が若干長くなります。
他にもあるとは思いますがそうして使用すれば高くはないと思います。寒い中、チェーンを装着しなくてもいいですし・・・。
イタリアだとメーカーはピレリかな?私はやはりブリジストンを勧めますが値段が高めです。でグットイヤーを履いてます。各メーカー、そんなに差が無いのではという日本からの意見です。
着脱の簡単なネットチェーンも持っていますが使用したことがありません。前の車の時は使いましたが鉄チェーンより遥かに快適走行が出来ます。
細かなイタリアの事情は分かりませんがスノータイヤの方が良いのでは・・・。
経験から来る詳しいアドバイスを、いろいろとありがとうございます。わたしも、車をしばしば使うのであれば、やっぱりスノータイヤがいいかなと思うのですが、長距離の移動には、夫の車で行くことが圧倒的に多く、購入から半年経って、まだ1500kmしか走っていないような状況なので、タイヤの購入をためらっています。だから、雪や凍結の恐れがあるときは、わたしは車を使わず、法律遵守のために、チェーンだけ購入しておこうかなとも思うのですが、実は、我が家の前の道路は私道で、近所に住む数軒しか利用しないので、冬の朝晩は天気が悪ければ凍結の恐れがある上に、交通量の多い道路に出るまでは、かなり急な坂を登るか、すぐに右折するかしなければなりません。そういう短距離のためにいちいちチェーンをつけるよりは、スノータイヤの方が圧倒的に便利ですよね。
これはやはり、思い切ってスノータイヤを買って、せっかくだから、あちこち遠出して、思いっきり車を活用するに限るかもしれません。何だかんだでもう1か月以上、道路を走っていないので、まずは車を使うところから始めなければ!