なおこのイタリア写真草子 Fotoblog da Perugia ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

映画、『The Artist』

 昨晩、久しぶりに、本当にすてきな映画を見ました。白黒映画で、しかも無声の場面が多いために、逆に、余計な言葉や音がなく、場面も、物語を繰り広げ、登場人物の心の移り変わりを伝えるのに十分なだけのものが厳選されています。最近の映画に、妙に饒舌で、視覚的に観客を圧倒するようなものが多い中で、映画の出発点、原点に返ったこの映画が、技術が発展する前の、白黒の無声映画が、だからこそたっぷりと伝えることができたであろう細やかな情感や、音楽・画面の美しさ。

 美しい音楽が、雑音がないだけに、いっそう効果的に主人公の心や場面の転換を描き出しています。


 その映画の題名は、『The Artist』フランス映画でありながら、無声映画の部分で表れる字幕は英語であり、わずかに話される言葉も、英語です。イタリアでの上映にあたっては、英語字幕の下には、イタリア語字幕が添えられ、話される英語には、イタリアでは非常にまれなことなのですが、二重音声にはせず、音声は英語のままで、イタリア語字幕が添えられていました。

 物語もとてもすてきで、最後の最後まで、いったいどう終わるか見当がつかずに、登場人物と共に、泣いたり、笑ったり、はらはらして息を飲んだり…… 美しい物語と、魅力的な登場人物たち、それをうまく演じる俳優たち。それにさらに色、華を添える音楽と、声や音、そして音楽の非常に効果的な使い方。

 くまなく細部にこだわって配慮し、さらに全体として美しく統合されていて、それで、こんなに心を打つ映画に仕上がっているのだと思います。

 日本では、『アーティスト』という題名で、今年の春、4月7日に公開されるようです。余分な虚飾を取り除いて、真髄だけを極めたその美しさに、なんとなく、禅や日本の俳句・墨絵に通じるものがあるような気がします。機会があれば、ぜひご覧ください。映画のすばらしさや感動を伝える力を、原点に返って伝え、楽しませてくれる名画だと思います。

わたしたちが昨晩、この映画を見たのは、ペルージャの中心街のはずれにある映画館、Cinema Zenithです。公開は、1月8日日曜日までで、映画、『The Artist』の上映時間は、18:15、20:30、22:30。(詳しくはこちら)上述のように、書かれた言葉も話される言葉も非常に少ないので、英語やイタリア語があまり分からなくても、十分に楽しめると思います。現在ペルージャに在住の方や留学中の方、機会があれば、ぜひ鑑賞してみてください。

 最後にご紹介する次の映像では、イタリアでこの映画を見終わった観客が、口をそろえて、この映画を絶賛しています。


 イタリア語の勉強、あるいは、映画を見に行くかどうか決めるのに、お役立てください。

LINK
- Wikipedia日本語版 - アーティスト(映画)
- Cinema Zenith, Perugia – Le Nevi del Kilimangiaro, The Artist

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ムームー at 2012-01-07 12:55 x
なおこさんこんにちは~
無声映画って懐かしいですね、余分なものが描かれていない
と想像も膨らみますね。
映画を何十年も見ていないのですけど、いい映画は
飽きられませんね。
無声映画ならではの良さが伝わってきました。
なおこさん、いつもご心配いただいてありがとう
ございます。
Commented by kishie at 2012-01-07 22:31 x
なおこさん。明けましておめでとうございます。素敵な映画なようですね、残念ながらセール中で相変わらず慌ただしくしています、どこかで再演かDVDが出るのを待つしかないですね。例のテレビの件、学生さんたちにも申し訳ないので早々に購入する事にしました。ご迷惑をおかけしてしまってごめんなさい。ぜひぜひ近いうちにお目にかかりたいですね。それでは今年も宜しくお願いいたします。
Commented by milletti_naoko at 2012-01-08 05:16
ムームーさん、こんにちは。読書の方が、テレビを見るより、想像力が働くのと同じで、無声映画の方が、カラーでしゃべる映画よりも、より想像力に訴えかけ、かえって効果的な面もあり、そこをうまく活用した映画だと思います。
いえいえ、ムームーさん、こちらこそいつもありがとうございます!
Commented by milletti_naoko at 2012-01-08 05:22
kishieさん、明けましておめでとうございます。この時期はお店を持つ方には本当に慌しい時期だと思います。どうか健康に十分お気をつけてくださいね。例の件は、夫に、貧しくて生活に困っている人に贈りたいと言われていたうちは、いつ壊れるか分からないものを贈ってはかえって失礼だと、わたしからは言っていたのですが、そのうち、お義母さんが寝室に置きたいと言い出して、家族内で意見が分かれて収拾がつかない状態になってしまいました。自分から希望を募っておいて、本当に申しわけありません。記事を書いたときには、こんなことになるとは思ってもいませんでした。いえ、記事にする前に、義家族にも確認は取っておいたのですが…… こちらこそ、新年もよろしくお願い申し上げます。3人で、あるいは中心街に足を運んだときに、お会いできるのを楽しみにしています。でも、今はきっとお忙しいでしょうから、3人でそろえる日を待った方が、いいのでしょうね。
by milletti_naoko | 2012-01-06 16:19 | Film, Libri & Musica | Trackback | Comments(4)