イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

赤い彗星と地球規模化

 今日は夫が、午後2時に仕事を終えて帰ってくるからと、オーブンもグリルも鍋も動員して、昼食を用意していた午後1時45分頃のこと。

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 呼び鈴が鳴って、配達屋さんが、オンラインで注文したCDを届けてくれました。それが、こちらのフランスのシャンソン歌手、シャルル・アズナヴール(Charles Aznavour)のヒット曲集、『Ses Plus Grands Succes』です。

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 最近、フランス語を勉強し始める前に、まずは耳を慣らそうと、家事をしながら、繰り返しこちらのCDを聞いていたら、夫が閉口して、「また~」と言い始めました。夫が帰宅したら消すようにはしているのですが、そう言われてもっともだと思い、フランス語のいい歌のCDを数枚買って、代わるがわる聞いてみようと思い立ちました。ポルトガル語やギリシャ語と違って、フランス語は重要言語の一つであり、イタリアからはお隣りだし、しばしば訪ねてみたいので、参考書も、すでに数冊買い込んでいます。さらに、フランスの歌のCDも購入し、歌を楽しみながら、フランス語のリズムや言葉に親むことにしました。

 そうこうして買いたいCDを探しているうちに、こちらのシャルル・アズナヴールという歌手の存在を知り、びっくりしました。名前が、『機動戦士ガンダム』のあの赤い彗星、シャア・アズナブル大佐にそっくりだからです。調べてみて、シャアの名前が、この歌手に由来していることを確認しました。富野由悠季氏が、当時歌手、シャルル・アズナヴールのファンだったからとのことです。わたしは、中学から高校にかけて、ガンダムに夢中で、中学生の頃は、赤いボールペンを振り回しては、友人たちと、「赤いスイセイ」(彗星・水性)と言って、はしゃいでいました。その赤い彗星、シャアの名前が、まさかフランス人歌手に由来しているとは思いもしなかったので、驚きました。皆さんの中には、とうにご存じだったという方も多いかもしれません。

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 世界のアマゾンのサイトで検討して、このCDを買おうと決めたのはいいのですが、アマゾンイタリアの該当商品のページを見ると、なぜか『Ses Plus Grands Succes [Edizione: Germania]』とあり、アマゾン日本では「米から輸入」とある同じCDが、なぜかドイツ版(Edizione Germania)となっています。歌の解説がドイツ語だったら困ると思って、ASIN番号を確認すると、まったく同じ番号なので、だったら大丈夫と思って、アマゾンイタリアのページからCDを注文しました。

 数枚のCDと1冊の本を一括注文し、一括配送を頼んだのは、1月27日金曜日の午後1時頃のことです。どの商品も、「すぐに入手可能」(Disponibilità immediata)とあったのに、お急ぎ便無料のアマゾンプライム(うっかり無料の利用期間を過ぎてしまい、年会費9.99ユーロを引き落とされてしまいました)を利用していても、注文確定メールには、なぜか「商品到着予定は、2月2~3日の予定」と書かれています。土日をはさんでいるせいかと思いつつ、のんびりと待っていたら、昨日になって、午後2時半と午後8時づけの、商品発送報告メールを受け取り、一括配送のはずが、2便に分けて発送されたことを知りました。発送料金が無料になるように、19ユーロ以上注文したので、1枚だけ別送されたCDの料金だけ、余分に取られていないかと心配したのですが、サイトで確認すると、幸い、発送料金の加算はありません。

 アマゾン側に発送料金の負担がかかるのに、どうして2便に分けたのだろうと思っていたら、今日届いた荷物の差出人住所を見て、分かりました。なんとフランスから送られているのです。アマゾンイタリアには在庫がなくて、フランスから直接我が家に送ったのだろうと察しがついたのですが、そうすると、まだ届いていない残りの本とCDは、いったいどこから到着するのか、なんだか不思議です。そう思って、今、Traccia il mio paccoで、商品がどこにあるか確認すると、昨日午後7時の時点で、Montelimarにあったとあり、これが南仏の町らしいから、もう一つの便も、やはりフランスから届くように思われます。

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 さて、こうして、アマゾンイタリアのサイトで、「ドイツ版」と書かれたフランス語のCDを注文し、それが、フランスから届いたわけですが、封を開けようとして、さらに驚きました。包装に、「ディスクはメキシコ製で、米国で包装」と印刷されていたからです。食品や衣料品では、商品が世界中から来ていることに慣れているのですが、まさかフランス音楽のCDまで、メキシコで製造され、アメリカで包装されているとは。あらためて、経済の地球規模化の浸透ぶりを感じました。

 今日の午後、皿洗いや掃除をしながら、さっそくこのアルバムの歌を聞き始めました。まだ何と言っているかさっぱり分からないのですが、優しいメロディーの中には、どこかで聞いたことがあるものも多く、歌声もすてきで、何度聞いても飽きることがなさそうです。明日あさってには、他のCDもきっと届くことでしょう。

参照リンク
- シャルル・アズナブールCD、『Ses Plus Grands Succes』
- Charles Aznavour, ”Ses Plus Grands Succes” [CD, Edizione: Germania]

ブログの関連記事へのリンク
- 今年はパリとフランス語
- 2006年はポルトガル語

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by かや at 2012-02-01 03:07 x
こんばんは☆
シャルル・アズナブール?!
ガンダム好きで、特に初代のガンダムが好きで、レンタルビデオで何度も見たりしたんですけど、シャアの名前の由来は知りませんでした。
これは自慢できる雑学ですね!
確かに、シャアなんて変わった名前だなとは思っていたんですが…。まさかフランス人の名前から来ていて、しかもシャルルだとは思いませんでした。

凸d(^ー^)pochi
Commented by milletti_naoko at 2012-02-01 04:53
かやさん、こんばんは。アマゾン日本の説明によると、世界的に有名な歌手だそうで、夫も名前を知っていました! イタリアはフランスのお隣ですから、時々イタリアのテレビ番組にも出演していたそうです。わたしも初代ガンダムが好きで、毎日学校から帰っては、再放送を見ていたし、いろんなアニメ雑誌を講読しては、ガンダム・トランプなどの付録を宝物にしたり、ガンダム・パズルつきのお菓子を買ったりしていました。シャアの大ファンだという友人もいましたっけ…… 思いがけないところで、長年疑問にも思わなかった人物の名前の由来が分かって、びっくりしました!
Commented by yuzuko at 2012-02-01 07:58 x
いつもブログ、楽しく拝見しています。
フランス語も始められるのですね。
よく唄からといわれますが、シャンソンでは、アズナブール、バルバラ、ダリダ、ミレイユ・マチュー、などなど。
カンツォーネでは、オルネラ・ヴァノーニ(特に大好きです)、フィオレッラ・マンノイア、ジーノ・パオリなどなど。
ミラノで、楽譜も買い求めましたが、さっぱり。。。
シャンソンの対訳ブログは見つかりました。
http://kazanuto.blog59.fc2.com/
http://blogs.yahoo.co.jp/alfonsinayelmal/MYBLOG/yblog.html?m=l
カンツォーネの対訳は、探しても見つかりませんでした。
なおこさんおすすめのイタリア語教材は、買い求めましたが、埃をかぶっています。
カタカナは好きなんですが、文法、意味となると、ホントに難しいです。
Commented by ムームー at 2012-02-01 10:30 x
なおこさんこんにちは。
夫が娘にシャンソンをいれて欲しいって頼んでいました。
思わぬところで色々とわかるものですね。
今は何でも手に入りますね、このように調べて購入されるのは素敵です、楽しみですねぇ~
Commented by milletti_naoko at 2012-02-01 16:29
yuzukoさん、いろいろな歌手の紹介をありがとうございます。挙げていらっしゃるイタリアの歌手、わたしも好きです。歌声もですが、歌詞もいいものが多いですよね。

入門書を最初から、きちんと勉強するのが難しいようであれば、まずは「話してみたい」ということに主眼を置いて、会話のCDを何度も聞き、最初は1課、2課だけでも、あまり肩に力を入れずに、イタリア語と訳を目で追いながら、後について言うことを繰り返してみればいいのではないかと思います。特に1課はあいさつやお礼表現ですし、短いので、文法は知らずともとにかく丸覚えしてしまったので十分です。日本語を学ぶイタリアの人も、「ありがとうございます」を丸覚えするのであって、入門の段階では、むしろ「ありがたし」は古語の形容詞だとか「ございます」が敬語の丁寧語だとか、いちいち知ってしまうと勉強が難しいと挫折してしまうことでしょう。そうやって、実際に旅行や生活の中で、分かる言葉、言える言葉が少しでも増えてくると、また続ける気も出てくるかもしれません。わたしも早く本を読み終えて、フランス語の勉強に取りかかりたいと思っています。お互いに頑張りましょう!
Commented by milletti_naoko at 2012-02-01 16:33
ムームーさん、おはようございます。だんなさま、シャンソンがお好きなんですね。何だかかっこいいですね。恥ずかしながら、これまでフランス文化には疎かったので、シャンソンと言うと、思い浮かぶのは、アニメ映画、『紅の豚』で歌われていた「桜んほの実る頃」くらいだったりします。アニメとシャンソンの不思議な接点にちょっとびっくり。
Commented by yuzuko at 2012-02-01 17:58 x
丸覚えからでOKというお励まし。
何だか肩の力が抜けて、楽な気持ちになりました。
40年前にNHKの楽しいフランス語を1年間学んだ時の新鮮な気持ちを思い出しました。
L' Appuntamento 邦題「逢い引き」レッスン中ですが、言語で唄えるように頑張りますね~~~~
Commented by milletti_naoko at 2012-02-01 19:02
yuzukoさん、お互いに頑張りましょう! イタリア人が日本語を勉強しようとすると、まずはあいさつの言葉と共に、平仮名や片仮名を覚えることから始まります。日本人がイタリア語を勉強する場合は、あいさつの言葉やイタリア語ではどういうつづりをどう読むかから始まると思います。あいさつを何度も繰り返して聞き、後について言ってみて、そこから、ああ、こういうつづりはこう発音するのだなというのもありだと思います。イタリア語は英語やフランス語と違って、表記と発音の差が非常に少ない言語ですから…… ここで片仮名に頼ると、日本語の発音の悪影響を引きずったままイタリア語を学ぶことになりますので、できるだけアルファベットと耳に頼って、覚えてくださいね。
Commented by kazu at 2012-02-02 17:23 x
なおこさん、こんにちは。今オフィスからですが、やっと仕事を終えてほっと一息入れています。シャルル・アズナブール、久しぶりに聞く名前でちょっとびっくりしました。シャンソン歌手としては彼は日本では有名人です。母が彼のファンで、もう随分前ですが、一度だけ一緒にコンサートに行ったことがあります。甘い声で、「イサベル、イサベル」とずっと歌ってましたが、あれは歌なのか、しゃべりなのかと論議したことを懐かしく思い出しました。直子さんが買われたCDにも、イサベルは入っているでしょうか。

今イタリア語会話で、Alla fiera dellest というカンツォーネを習っていますが、なかなか調子がよく面白いです。遠過去の学習の一環なんですが、出てくる動詞の活用は、ほんとにすぐ頭に入りますね。直子さんが言われる通りだと、低レベルで恥ずかしいですが感服しています。

それにしても、アマゾンはさすがですね。私もよく利用しますが、書店で売っていない書籍もクリックひとつで買えて、配送は完璧です。本屋さんをぶらぶら見て回る楽しみはなくなりましたが、時間の節約でほんとに便利ですよね。
by milletti_naoko | 2012-01-31 18:07 | Francia & francese | Comments(9)