2012年 02月 22日
灰の水曜日と四旬節中の肉断ち
40日間にわたるイエス・キリストの受難を分かち合うために、この期間だけは、カトリック教徒には、金曜日に肉を食べるのはご法度だ(詳しくは下記リンク参照)とは覚えていたのですが、「四旬節初日の灰の水曜日、つまり今日も、肉を食べてはいけない」ということは、昨晩お義母さんに聞くまで忘れていました。
昨夜夫に話すと、「そうだよ。四旬節は、金曜日だけでなく、初日も肉は食べてはいけないんだ。」とのことです。それだけならいいのですが、「でも卵やチーズは食べていいのだろう」と思っていたら、なんと「卵や魚、チーズも、動物からできたものは避けなけばいけないんだよ。」と言うではありませんか。そうとも知らず、代わりにタンパク質源となってくれるレンズマメは、月曜の夜に料理したばかりで、豆腐は切らしてしまっているわたしは、どうしようかと焦りました。
ひどく心配そうな顔をするわたしに、「明日、母さんに聞いてみれば。」と夫が言ったので、今朝さっそくお義母さんに尋ねてみました。返ってきた答えが、「戦争中は、肉だけではなくて、魚や卵、チーズなど、動物に由来する食品はすべて食べてはいけないと言われていたけれど、今は食べてはいけないと言われているのは鳥や獣の肉だけで、魚も卵もチーズも、食べていいのよ。」だったので、安心しました。
ペルージャでは、この数日気温が上がり、積もっていた雪を、雨や太陽がすっかり解かしてしまいました。今日は晴れているものの、雪から地面に浸透した水分が抜けないため、野菜畑は泥だらけで、寒さに傷んだ野菜も多く、野菜の収穫は期待できないと、お義母さんから聞いています。
というわけで、今夜の夕食は、タラとポテトの香り焼き(レシピは下記リンク参照)に決定しました。
今日、灰の水曜日には、教会でミサがあり、信者が一人ひとり司祭の前に並び、灰を頭に受ける灰の式が行われます。(詳しくは下記リンク参照)水曜日は平日で、仕事のためにミサに参加できない人も多いため、灰の式は、四旬節の最初の日曜日のミサでも行われます。我が家では例年、義父母は灰の水曜日当日に、夫とわたしは四旬節最初の日曜日に、ミサで灰の式に参加しています。わたしはカトリック教徒ではないので、聖体拝領の列には並ばないのですが、カトリック教の神父を伯父に持っていた夫が、信者でなくても、灰の式には参加できるのだと言うものですから……
わたしは、枕元に本を置いて、就寝前に少しずつ読むようにしています。2月15日水曜日の晩に、この本、『Nostro fratello di Assisi』を読み始めました。うちにはもともと、聖フランチェスコの自伝は何冊もあったのですが、この1冊は、アッシジで修道士を務める友人が、「聖人の魂に触れるなら、この1冊」と勧めてくれたものです。昨年4月に、リミニの友人たちとスペッロからアッシジまで歩いた翌日、この友人がサンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会で、聖フランチェスコの人生について語ってくれたのですが、その話がそれは感動的だったので(詳しくは下記リンク参照)、他の友人が、「聖人の数ある自伝の中で、これはといい1冊を勧めてほしい。」と尋ねたときに、「ならばこの本」と、教えてくれたのが、この1冊です。
買ったのはわたしですが、読むのは夫に先を越されました。まだ最初の30ページほどを読んだばかりですが、まずは当時の歴史背景から入り、次に、聖フランチェスコ自身が残した言葉や規則から、母親が聖人に与えた影響と愛の深さを洞察しています。これまで読んだ伝記とは、切り口の角度もその深さも違うので、新鮮で興味深いです。
関連記事へのリンク / Link per gli articoli correlati
- イタリア語学習メルマガ第37号 「お祭り騒ぎから精進の日々へ」
- 祈りを日本に(灰の水曜日、灰の式について)
- タラとポテトの香り焼き、イタリア風(レシピの紹介)
- アッシジを歩く1 ~ポルツィウンコラ / Passeggiata ad Assisi1 – Porziuncola (anche in italiano)
↑ 修道士の友人が語ってくれた、聖フランチェスコの人生
- Amazon.it - Ignacio Larranaga, "Nostro fratello di Assisi"
↑ 修道士の友人が勧めてくれた聖人の伝記、私からもおすすめ!/ Biografia di San Francesco, bellissima
- 雪のラヴェルナ1 / La Verna con neve 1 (26/2/2011)
- 雪のラヴェルナ2 / La Verna con neve 2 (26/2/2011)
ウチも茶飯にけんちん汁、大根とにんじんの酢の物、ゴマメを神棚に供える日があったりするのですが、私は毎度ノータッチなので何の日だったか覚えてません。
お恥ずかしい。
今は省略してしまったモノもあります。
もっと記憶しておけば良かったなと思うことがこうして思い起こすとありますね。
聖フランチェスコの伝記、アッシジを見てきたばかりなので興味があります。文章は難しいでしょうか。初心者でも読めそうですか。それとメルマガの童歌はおもしろかっです。イタリアでも韻を踏むのですね。これは曲がついているのでしょうか。歌うとすればやはりカンツォーネなのかな
この伝記の文章は、一般の読み物に比べると、特に難しいわけではなく、むしろ読みやすい方ですが、初心者の方にはやはりかなり難しいと思います。メルマガのわらべうた、楽しんでいただけてうれしいです。オンラインでいろいろ探してみたのですが、曲につけて歌ったものも、朗読したものも、残念ながら見つけられませんでした。これは現代イタリアの詩ですが、中世イタリアの詩と中国の漢詩の脚韻の使い語って、妙に似通っているので、それを知ったときに、おもしろいなと思いました。
こういうお話を聞かせて貰うと知らない世界なのに身近に感じます。
京都の家に嫁ぎましたがあまり格式ばったことを好まなかった姑さんで助かったような、もっと習えば良かったと最近思います、子供たちに受け継がせるものはやはり大切ですねぇ。
イタリアは、カソリックの国。
「灰の水曜日」というのは、初めて知りました。
私は、幼稚園はカソリック、
高校、大学はプロテスタントでした。
今、お唄の先生は、イスラーム。
宗教文化(と言っていいのかわかりませんが)
断食に似たものを想像してしまいました。
物理的に有り余る日本にいると。
何が大切か、いつも意識することを考えてしまいます。
いつも示唆のあるブログ。
楽しんで拝読しています。