2012年 02月 26日
雪山と夕日と湖と


山頂から、沈む夕日を眺めたいと思ったからです。

自然公園の入り口から登り始めたときには、ごくたまにしか雪を見かけなかったのですが、山頂に近くなると、道や斜面が白雪に覆われた場所が、たくさんありました。

上の写真の位置から、夫が眺めているのは、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)と、その向こうに沈みゆこうとしている夕日です。

このあたりの雪が、思いがけず深いので驚きました。夕日が白雪をオレンジ色に染め、不思議なことに、影が深い空色をしていました。

吹きつける風が、雪の上に描き出した模様の美しいこと。

フタコブラクダの背中のような形をしたテッツィオ山の、コブとコブの間を結ぶ尾根道を歩き始めたところで、後ろを振り返りました。右前方に暗く見える低い山は、修道院のあるマルベ山(Monte Malbe)です。

南北に長く伸びるテッツィオ山の、西の斜面を登ってきたのですが、頂上付近まで来ると、山の東側のパノラマが見えてきます。空気が澄んでいるので、白雪を戴いたアッペンニーニ山脈の高峰が、夕日を浴びて、茜色に染まっている様子が、遠くからでもはっきり見えます。

夕日がかなり地平線に近くなりました。沈む夕日を、夫と一緒に見送りたいと思うのに、急ぎ足で歩いても、先を進んでいた夫の影が見当たりません。

そこで、「ずっと先にある三つ目の十字架(la Terza Croce)まで行って、そこでわたしを待っているに違いない。」と思って、十字架に向かって、急ぎました。

驚いたことに、夫はそこにいなかったのですが、夕日が空と湖を赤々と染めながら、厚い雲の向こうに隠れ、やがては沈んでいく様子を、十字架のふもとから、見ることができました。

そうして、日が沈んだ途端に、不思議に美しい情景が、目前に浮かびました。少し前には、青空の下、高峰の山頂付近だけが桜色の光に包まれていたのに、今度はその色合いが逆転して、

夕焼け空の下、アッペンニーニ山脈(gli Appennini)の山頂付近だけが、空色を帯びているではありませんか。

写真を撮るのに夢中になっていたら、夫の声がします。「早く山を下らないと、真っ暗になってしまうよ。」そこで、急ぎ足で、来た道を共に引き返しました。茜色に染まった空や湖に、時々目をやって、その色の変化と美しさを、心に留めながら。

ある程度山を下ると、小道の両側が高い木々に覆われるため、暗くなって、足元も行く手も、あまりよく見えない中を歩くことになりました。公園入り口の駐車場にようやく戻った午後6時半には、もうすっかり暗くなっていました。


雄大な自然の景色ですね。
こういう景色を見ると、自分が空を飛べそうな気がしてしまいます。(^<^)
ファンタジアの世界に行ってみたいな~。(^^)/
イタリアの自然、とても雄大で「美しい」という言葉がとてもピッタリですね。
私の住む北海道も自然いっぱいですが、イタリア美しいです↑↑
素敵な景色写真に眼福と穏やかな気持ちをいただきました(^^*)
癒しをありがとうございます♪
イタリアの自然の風景を喜んでいただけてうれしいです。手で書くことの大切さ、手を使うことで、また心や身にすっとついてくるであろう何かを、やきいもさんの言葉で、わたしも思い出しました。こちらにいると、誰かに伝えるための手書きは得てしてイタリア語になりがちで、イタリア語でもすてきな言葉や祈りは多いのですが、やっぱり母国語の方が、読んでも書いても、魂の深いところで、自分のものになりやすいような気がします。これからも、どうかよろしく♪