2012年 02月 28日
ペルージャ、ドライブ情報2
ペルージャ・アッシジ間は約25kmと近く、ペルージャ(Perugia)の中心街からは、アッシジの町を中腹に抱く山、スバージオ山(Monte Subasio)が、見えます。そして、運がよければ、山の中腹に広がるアッシジ(Assisi)の町も、遠くに小さくですが、見ることができます。運がよければ、というのは、晴れた日でも、山に霞がかかって、アッシジを隠してしまっていることも、よくあるからです。
車をピアン・ディ・マッシアーノ(Pian di Massiano)の無料巨大駐車場に駐車した場合には、まずはマドンナ・アルタ(Madonna Alta)から無料高速道路E45に入ります。E45に向かう途中、道路の右手に(イタリアでは車は右側通行です)、TotalErgのガソリンスタンドがあって、この給油所の値段が、ペルージャ周辺では、他に比べると、比較的安くなっています。給油の必要があれば、ここでガソリンを補給しておきましょう。
E45をしばらく走り、ポンテ・サンジョヴァンニ(Ponte San Giovanni)を過ぎると、コッレストラーダ(Collestrada)の辺りから、ガソリンスタンドが三つ、道路の右側に、互いに比較的近い距離に並んでいます。まずはQ8、次にEsso、そしてQ8の順に並んでいるのですが、一番料金が安いのはEsso、次に安いのが、一つ目のQ8、一番高いのが二つ目のQ8となります。Essoの料金は、給油所がかなり近づかないと見えないように表示されているのですが、わたしたちが時々通りかかるときは、この三つの給油所については、だいたいこんな料金の差があります。
ただ、「アメリカ資本のEssoとShellが主導権を握るために、イタリアのガソリン料金が高いので、この二つのガソリンスタンドでは給油しないように」というベッペ・グリッロ(Beppe Grillo)の言葉(詳しくはこちら)に賛同し、最近、うちの夫はこのEssoでは、給油をしたことがありません。
一つ目のQ8 とEssoは、E45が、北北西に向かうE45とアッシジ方面に向かうSS75に分岐する、その手前にあります。二つ目のQ8は、この分岐点で、左に曲がらず、まっすぐ進んで、SS75 に入ってからしばらくのところにあります。ちなみに、この分岐点の手前には、スピード測定器(Autovelox)があるのですが、ここに限らず、法定速度を守って、安全運転に努めましょう。
ガソリンの値段は、日々変化するので、一度夫が、給油の必要がありながら、E45に入る前のTotalErgで、「値段が高い」と給油せず、一つ目のQ8では、それより値段が高いので止まらず、Essoは「安いけれど、ここでは給油できない。」と止まらず、値段が高いと知りながら、二つ目のQ8での給油を余儀なくされたことがあります。というのは、ここを通り過ぎてしまったら、長い間、道路沿いにガソリンスタンドがないからです。
そうして、そのとき! このQ8の隣に、たびたび直前を通り過ぎながら、それまでまったく存在に気がづかなかったバールがあることを発見しました。ふつうは、無料高速道路(イタリア語ではsuperstradaなのですが、日本語ではこう言うと分かりやすいかと)沿いのバールは、ドライバーの目を引きやすいように、でかでかとBARと、色つきの大きな文字で書き出してあるのですが、このバールと来たら、窓に白い字でBar Ristoranteと書かれているだけです。
正面入り口まで歩いてみると、どうもバールは開いているようです。そこで、中に入って、朝食にカップッチーノとクロワッサンを頼みました。
無料高速道路沿いのバールというと、ふつうは、落ち着いて飲んだり食べたりできるだけのスペースやテーブルがなく、慌しく立ったまますませることが多いのです。それが、このバールはとても広く、テーブルがたくさん並んでいたので、腰を下ろし、ゆっくり落ち着いて、朝食をすませることができました。それに、壁一面に、イタリアにはこんなにたくさん雑誌があったのかと、驚くような数の雑誌が、どれも表紙をきちんと見せて並んでいます。乗馬関係らしき雑誌、『Cavallo』の横に、『Cavalli』という雑誌が並んでいて、笑ってしまいました。cavalloは「馬」を意味するイタリア語で、cavalliはその複数形です。いったい、どちらの雑誌が先に発行されたのでしょう。甘い菓子パンもパニーノもいろいろ売っているのですが、残念なのは、カップッチーノはおいしいものの、菓子パンの味はとりたてて、それほどおいしいわけではないということです。いえ、わたしは別にそれほど差を感じませんが、甘いものにうるさい夫に言わせると、いまひとつとのことです。
それでも、わたしは、カップッチーノ休憩には、このバールに寄るのが好きです。人並みをかきわけずに注文できる上、テーブルにつけるというだけではなく、このバールには、地階に、きれいに掃除された無料のトイレがたくさんあるからです。無料高速道路沿いのトイレというと、一つしかなかったり、複数あっても掃除が行き届いていなかったり、掃除中で入れなかったり、あるいは、複数あって、掃除はできているけれど、トイレは店内にはないので、外に出て、建物の横や後ろまで歩かなければならなかったりすることも、多いのです。
けれども、このバールのトイレは、レストランと共同使用であるためか、造りもきれいで、掃除も行き届いています。ドライブ中の休憩では、ゆっくりくつろぎたいし、トイレを待って長い列に並んだり、トイレが汚かったりしたら、うんざりです。そういうわけで、このバール、宣伝するつもりがないのか、バールの存在が分かりにくく、わたしたちも存在を知らずに、何度も前を通り過ぎたのですが、とても便利だと思います。
街角の新聞雑誌販売店(edicola)では、雑誌がところせましと積み重ねられ、店頭には飾られていないので、題名を知っていて、店主に頼まないと、中に置いてある雑誌を見せてもらえないような場合も多いのですが、このバールでは、広い壁一面に、どの雑誌も表紙をしっかり見せて並んでいるので、いろんなおもしろい雑誌を発見する楽しみもあります。というわけで、この隠れたすぐれもののバール、機会があれば、利用してみてください。
ちなみに、少々慌しく食べることになっても、おいしい甘いものが食べたいという方は、二つ目のQ8とこのバールを通り過ぎてしばらくしたら、サンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ(Santa Maria degli Angeli)でSS75から下りてください。下りてすぐ、ラウンドアバウト(rotatoria)があって、この円形交差点の円周のわきに、Bella Napoliというお菓子屋さんがあります。菓子パンは、夫はここのものがおいしいとお気に入りなのですが、人が多くて、注文するのも大変だし、空いたテーブルを見つけるのも難しく、しかも、一つしかないトイレは、鍵をバールのレジ係に頼まなければ、利用できません。ペルージャ・アッシジ間は近いので、特にトイレに行く必要がなければ、夫にはBella Napoliでいいよと言うのですが、わたしは、たとえクロワッサンの味がそこそこでも、Q8脇のバールの方が好きです。
もちろん、わたしたちのように、カステッルッチョ(Castelluccio di Norcia)やスポレート(Spoleto)などの遠方を目指すのでなく、アッシジ(Assisi)やサンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ(Santa Maria degli Angeli)を訪ねるのが目的であるなら、道路わきのバールで満足しなくても、訪ねたい町にあるバールで、落ち着くことができるのではありますが。
このQ8とバールが、道の右手に現れるのは、ちょうど道路の左前方に、スバージオ山とアッシジの町並みが見え始める頃でもあります。もしこのバールに寄ろうとお考えの場合は、アッシジの町並みに気を取られずに、まずは注意深く右手を見て、二つ目のQ8探しに集中してください。
ちなみに、サンタ・マリーア・デッリ・アンジェリから、ペルージャ方面に向けて、SS75に上ろうと道路を進むと、その上り口の直前、左手に、お寿司のおいしいレストランがあります。イタリア、ヨーロッパ在住で、日本料理やお寿司が恋しいという方には、おすすめです。(記事はこちら)
*追記(2012年3月11日)
昨日、3月10日、このガソリンスタンドのあたりを通りかかると、一番安いのは一つ目のQ8、次が二つ目のQ8で、一番高いのが、Essoと、上の記事に書いたのとは、安い順序が違っていました。無料高速道路の右手にあるガソリンスタンドは、一度通り過ぎてしまうと、引き返して給油するのは難しいので、「ああ、今回はここは高かった」と後悔することになるかもしれませんが、早めに給油した方がいいかもしれません。ちなみに、昨日の朝、夫はマドンナ・アルタで高速に上る前に、TotalErgで給油しようとしたのですが、どこがセルフでどこがセルフではないか、そして、料金差が分かりにくい上に、たまたま出会った店員の態度が非常に悪かったので(分かりにくい、というよりは、間違った掲示を掲げているのに、夫が質問すると、とても失礼な返事をする……)、結局このTotalが、最初に掲げた三つよりも安かったのですが、ここでは給油をしませんでした。
さらに、先週、3月3日土曜日の夜、友人たちと待ち合わせて、Le Cirqueで日本料理やピザを食べようとしたら、店が閉まっていて、閉店と言うよりは、休業・閉業という様子に見えました。いったい、どうなってしまったのかは、インターネット上には情報が見つからないのですが、また分かり次第、お知らせします。もしご存じの方がいらっしゃったら、お教えくださると幸いです。
*追記(2012年12月23日)
最近、このお気に入りのバールの前のガソリンスタンドが、Q8から、あまり見かけない会社の経営に変わりました。そうして、日本料理のおいしかった店が閉業になり、その店の後に、別の店が入っていることを最近発見しました。
関連記事へのリンク
- ペルージャ、ドライブ情報1
- ペルージャ、ドライブ情報3
私も駐車場、最寄交通機関の情報がコレくらい細かく欲しい時があります。
紹介されたバール綺麗ですね。
トイレは☆☆☆☆☆ですね。以前行った時にベローナだったかな?定かではありませんが比べ物になりません。
日本も各地で大きなフードコートを備えたパーキングが建設、オープンしていて嬉しいです。
しかし、首都高速の料金が一定から距離別に変わり千葉県側から行くとどうしても最大料金になってしまいます。
当初、本当は無料になると言っていたのに何回値上げして・・・とグチってもしょうがないですが地方のしわ寄せがきているきがしてなりません。
また、その3を楽しみにしています。
高速道路の値上げは痛いですよね。せめて道路整備をきちんとしてもらいたいものです。実は、まだ記事にしていない、2月の大雪の写真がたくさんあります。暖かくなってしまわないうちに、この大雪を記事にしてから、また、その3も書いてみますね。
一番上の写真、とても綺麗に撮れていますね。モンテ・スパシオも見事に見えてる。そういえば、アッシジのロッカ・マッジョーレからも遠くになおこさんの住むペルージャが見えました。しかし、こんな貴重な情報、観光本のどこにも載っていないから、保存版ですね。ほんとに有り難い情報です。いつか私も車をレンタルして走ってみたいです。
あっサンタ・マリア・デリ・アンジェリ、この道路を歩いたのだなぁと思うとなんか懐かしいです。この通りの左手に日本人旅行者の間で評判になっている「サントッチ」というリストランテがあって、ポルチーニ茸のスパゲティを食べましたが噂通り美味しかったです。ところでこのお寿司屋さんは、歩いては行けないのでしょうか。駅からはどれほど距離があるのだろ。なかなか本格的なお寿司のようですね。
自分が運転に自信のないわたし、旅行中はいかにきれいなトイレを見つけるかに苦心するわたしなので、かなり個人的な角度から書いてはいるし、「それは違うな」と思うウンブリア在住の方もいらっしゃるかとは思うのですが、参考になればと思い、自分の分かる範囲で書いてみました。このバール、とてもきれいで便利だと思うのに、存在を知らせようという努力があまり見えないので、どうかいつまでもずっとあってくれたらと祈っています。
ポルチーニのおいしいレストランがあるんですか。機会があれば、ぜひ食べてみたいと思います♪ 最近、妙にポルチーニの載ったピザにはまっているわたしです。お寿司屋さん、歩いては行くのは、遠いというよりは、車が多くて危ないような気がしますが、yuzukoさんは、おいしいお寿司を日本で食べることができますよね。
トイレは気になるところですね、数もたくさんあり、清潔なのが嬉しいですもの。
美しい町並みが続くって素敵~
お寿司、これは豪華ですわ、お腹がいっぱいになりますね。
食べたい~ここのところ寒くてお寿司やさんに行けずですの。
本格的なお寿司ですね♪ 前の記事にリンクして…素敵なご主人にお会いして来ました♪
まるで自分まで行ってる気分です。
昨年、チンクエテッレにバスで行った時と重なります。
高速途中のバールに立ち寄り、
飲み物と軽食。
ガイドさんは、クロワッサン食べてました。
私と夫は、急いでトイレに寄り、
キョロキョロしているうちに時間ぎりぎり。
次回は、ゆっくりバールを楽しみたいと思います。
冬はやっぱり温かいものが食べたいので、お寿司はあまり食べませんよね。確かこのお店、焼きうどんもあったような。ただ、値段がひどく高いし、せっかくなので、訪ねるときには、お寿司を頼むのです。