イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia 日本語教師・通訳・翻訳家。元高校国語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより

結婚しても別世帯1

 と言っても、今はめでたく、わたしも夫も、ちゃんと同じ世帯に属していますので、ご安心ください。

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 昨年、ようやく自分の車を手にしようというときの話です。「予定より1週間早く車が届いたので、必要書類と支払いの準備を整えて、店に来たら、その翌日には車が引き取れますよ。」と電話があったので、ディーラーに出向き、書類を提出し、支払いを済ませたのは、6月14日火曜日。

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 イタリアでは、店でも役所でも警察でも、行くたびに、「まだこの書類が必要です。」と言われて、再度足を運び列に並ばなければならないことがままあるということは知っていました。それでも、この日、「明日は車が手に入る」と思って、何もかも準備して、同僚の先生に車で送ってもらってまで駆けつけたのに、「実はまだ必要な書類があるんです。」と言われたときは、さすがのわたしも、顔には出しませんでしたがカチンと来ました。もっと早く言ってくれれば、その書類も準備しておいて、一緒に提出できたのに。

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 ちなみに、このペルージャ郊外のサン・シストにあるトヨタのディーラーは、バーチ・チョコレートで知られる
ぺルジーナ(Perugina)の向かいにあります。義弟が働くチョコレート工場も、この広い敷地の中にあります。

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 それで翌日、仕事が終わってから、市役所の出張窓口で、その書類を申請して、驚くべき事実が発覚したのです。ディーラーから必要だと言われた書類は、家族証明(certificato di stato di famiglia)です。イタリアでは、ベルサーニ法(Legge Bersani)によって、数年前から、初めて車の保険契約を結ぶ人は、その際、同じ世帯(nucleo familiare)に属している家族がすでに自動車保険に入っている場合は、その家族の保険の等級(classe di merito)を適用することができるようになりました。(下記リンク参照)この法律のおかげで、たとえば免許を取り立ての若者が初めて車の保険契約を結ぶ際にも、新規加入として一番低い等級が適用されれば、保険料がひどく高くなるところを、すでに何年も車に乗っている親の等級を適用することで、保険料がかなり安く上がることになりました。同居さえしていれば、たとえば高齢者の介助をするために住み込みで働く人や、結婚はしていなくても同棲している人も、役場に届け出ることによって、同じ世帯に入ることができ、このベルサーニ法を利用することができます。

 新車購入に、家族証明が必要だったのは、このベルサーニ法を利用して、わたしが新規加入する自動車保険契約で、夫の保険の等級を適用するためです。それが、家族証明を申請した窓口で、「戸籍にはあなた一人しかいませんよ。」と言われて、びっくりしました。(つづく)

LINK
- 「アイゴ来る!」 (17/6/2011)
- 「バーチとアンゴラの意外な関係」 (バーチ・チョコレートの誕生秘話)
- 「杏さんとペルージャ2」(中心街にあるペルージャ市役所の出張窓口、便利で親切)
- Parlamento Italiano – Legge 2 aprile 2007, n. 40 (cosiddetto Decreto/Legge Bersani bis. Vedi l’articolo5, comma 2.)
- KataWeb – L’esperto risponde / RC Auto – Legge Bersani, vale se i conviventi non sono legati da vincolo di parentela?
- it.wikipedia – Nucleo familiare

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by momo_capricci at 2012-03-24 00:05
本当に、「なんでいっぺんに言ってくれないの?!」ってことが多すぎますよね!
先日息子のパスポートを作るのにクェストゥーラのHPを見て書類を5種類ほどプリントアウトし手続きの予約をしたのですが、行けなくなってしまい、主人が予約を取り消しに直接行ったんです。で、一応それらの書類を持っていってそれでOKかどうか聞いてもらったら、「ここにある書類はひとつもいらないし、人が来ないから予約しないで好きな時に来ていいよ」と言われたそう。オンラインの意味ナシ・・・。それで後日行ったら、やっぱり一つだけ必要な書類があって!結局その場で書きました。。
つづきが気になります。ドキドキ・・・(笑)
Commented by milletti_naoko at 2012-03-24 07:05
momo_capricciさん、ほんとにそうですよね。必要と言われる書類だけ持って行っては、後から何か不足だと言われそうで、余分にいろいろ用意することが、特に警察署では多いのですが、まさかディーラーで、しかもトヨタのディーラーでそういうことはないだろうと油断していました。会社は日本企業でも、従業員はイタリア人社会に育ってきた人たちなのであります。待ち時間も長いので、その場で書ける書類で本当によかったですね。当時はわたしもハラハラして、いったいどうなることかと思いました。
Commented by koba at 2012-03-24 10:07 x
日本では顧客満足度とか言って、こんなミスはすぐ責任者が誤りに出、後送、訪問受領とか考えます。顔に出して抗議しても変わりなしの世界なんでしょうか。完璧主義の日本人だからでしょうか。こうゆう時のイタリアの方の反応はどうなんでしょう。
保険の等級も、より個人の適正保険料ではなく相互扶助?的発想とみうけます。国民性、文化それぞれなんですね。うつ病や心身症は少ないのでしょうか。
Commented by ムームー at 2012-03-24 15:04 x
なおこさん書類の面倒なのはどちらのお国も同じなんですね。
今、夫の介護保険を使用するにあたっての面倒な事、何枚も同じことを書くのです。
日本企業でも働く人が違うと変わりますね。
次の展開がはらはらです~
Commented by がっちゃん at 2012-03-24 15:29 x
いつも不思議なんですが、何かあると労働者の権利とか言ってすぐにストをするイタリアで、こういう対応に対して、市民が市役所を取り囲んでデモをするとかってないんですかねぇーーー。
書類については、しょっちゅう制度が変わるので、役所や警察の人も本当は何が必要なのかわかってなかったりするのかもって思ったり。つづきが気になります・・・
Commented by milletti_naoko at 2012-03-24 17:48
kobaさん、市役所にせよ警察にせよ、役所側が必要な情報をきちんと市民に提供しないので、何度も出直しになるとか、それで列に並ぶ人が多くなるので、結局役所側も無駄に時間と労力を費やすということは、残念ながら、イタリアではよくあります。ただ、サービスが悪い分(ちゃんとサービスを提供する人もたくさんいます)、労働者が仕事に拘束される時間がすくなく、余暇が多いので、自分の時間や家族と過ごす時間の多い、人間らしい暮らしができているという面はあると思います。イタリアと日本は両極端で、中間ぐらいがちょうどいいのではないかなと思うことが、よくあります。
保険の等級は、ただでさえ給料が少なく、出費ばかりかさみがちな家庭で、出費を抑えられるようにという配慮かと推測するのですが、定かではありません。
わたしたちが結婚したという事実自体は、ちゃんと戸籍に記載されていたので、同一世帯に入っていなかったのは、役所側のミスではなく、そのために必要な手続きがあったのに、わたしたちが知らずにしなかったためだそうです。次回の記事に書きますが、わたしたちの場合、少し特別な事情があったため、こういうことになったのかと思われます。
Commented by milletti_naoko at 2012-03-24 17:52
ムームーさん、こういうお役所の手続きって、何だかんだと面倒ですよね。何枚も同じことを書くのは大変ですよね。わたしもこのときは、「今日は車が手に入る!」と思っていたのに、いったいいつになったらその日が来るのか見えなくなって、ひどく不安になりました。
Commented by milletti_naoko at 2012-03-24 17:57
がっちゃん、そういう意味ではイタリアでは、「働く人の権利」の方が、「サービスを受ける客や市民の権利」よりも、大切にされすぎているような気がします。役所に限らず、水道工事や電気工事を頼んでも、「すぐ来る」と言いながら、約束を反故にして、いつまで経っても来ない人もよくいるようですし…… みんな、「システムがうまく働かない」ことに慣れて、少々の不手際や遅れは予測し、あきらめているのだと思います。そうでもして順応しないと、ストレスがたまりすぎから。わたしも、長く暮らすうちに、時間通りに来ないバスや対応の悪い窓口に寛容になり、たまに時間に正確にバスや電車が来たり、親切な係りの人がいたりすると、感動するようになりました。
Commented by かや at 2012-03-24 23:56 x
こんばんは☆
ありゃりゃ、日本もイタリアも、お役所はやっぱりお役所仕事なんですね(笑)
日本も戸籍と住民票は別モノですからトラブルの元になっているのではないかと思いますが…。

凸d(^ー^)pochi
Commented by kazu at 2012-03-25 18:55 x
なおこさん、大変な目に遭われましたね。どちらにしても役所の不親切が招いたことでしょうけれど他にもきっと同じような方が沢山おられるでしょうに情報の開示がないのですね。イタリアも経済の破綻が迫ってきているのに、お役所はバカンスばかりとってないでもっと一生懸命仕事をしないとって思います。お車はちゃんとなおこさんのお手元に来ているので、解決したのだと思いますが、事の顛末が気になります。

それと、先般はアリタリアの件、ありがとうございました。私もなおこさんと同じで三井住友のアミティエを持っているのですが、今日、アリタリアのVISAカードに申し込みました。今までネットでポイントをマイレージに交換していたのですが、これで手間が省けます。何枚かカードがありますが、しばらくはアリタリアのカード1本でショッピングです(^^)
Commented by milletti_naoko at 2012-03-26 05:17
かやさん、こんばんは。いやあ、日本のお役所の方が、サービスがずっと丁寧で迅速だと思いますよ。松山市の市役所なんて、何をするにはどこに行けばいいか、それぞれの書類にどう記入すればいいかが、はっきり分かりやすく記されている上に、さあ説明を読もうかなと思った途端、さっと影のようにどこからともなくお助け係の市役所の方が現れて、てきぱきと説明をしてくださいました。一方、イタリアでは……

応援のポチをありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2012-03-26 05:23
kazuさん、まあ国が違うのでシステムが違う上に、わたしたちの側の思い込みもありました。この「思い込み」が問題で起こるトラブルというのは、いまだに時々あります。
どういたしまして。これからもイタリアにいらっしゃる機会がしばしばあるようであれば、カードがあると、マイルが自動的にたまるので、便利だとは思います。なるほど、他のカードでも、アリタリアのマイルに交換できるものがあったんですね。
by milletti_naoko | 2012-03-23 13:25 | Sistemi & procedure | Trackback | Comments(12)