イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

結婚しても別世帯2

 わたしと夫がウンブリアとトスカーナの州境に近い小さな村の、義母が育った家で暮らし始めたのは、2005年秋のことです。

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 それまでは、大学生として暮らしていたし、卒業後は日本に戻るつもりだったので、イタリアでは住民登録をしていませんでした。それが、ちょうどこの2005年10月に、ペルージャ外国人大学の学士課程を卒業すると同時に、講師として、同大学で日本語・日本文学の授業を担当することになり、夫との将来も真剣に考え始めていたので、ようやく住民登録に踏み切りました。そのときから、わたしの居住地は、書類上はすでに、現在、義父母と共に暮らしている二世代住宅でした。当時わたしたち二人が、実際に住んでいた義母の生家(上の写真)には、もう長い間だれも住んでいなかったため、電話もなく、郵便も届かないという事情があったからです。

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 2005年秋に住民登録をしたのも、2007年6月に結婚して、婚姻届を提出したのも、同じペルージャ市役所でした。去年6月に、市役所の戸籍担当者から、わたしの世帯にはわたしの名前しかいないと聞いたときは、「婚姻届も出して、夫と同じ家に暮らしているのに、いったいどうしたことか」と、ひどく驚きました。

 イタリアでは、結婚しても、たとえば配偶者の一方が、いろいろな事情で、住民票を出身地に置いたまま、戸籍上は世帯を共にせずに同居するという場合も、少なくないようです。それにしても、婚姻届を出せば、自動的に夫もわたしも同じ戸籍に入ると思い込んでいたわたしは、びっくりしました。それを聞いて、義母と夫も驚いていました。戸籍には、わたしと夫が結婚したという事実が、ちゃんと記載されていても、夫は結婚4年後の2011年6月にも、まだ義父母と同じ世帯に属していたのです。結婚前から一緒に暮らしていたため、あえて住民票を移す必要を感じなかったので、こういう問題が生じたとも言えます。結婚して初めて、生活を共にするのであれば、新郎新婦そろって(あるいは一方が)住民票を移すわけですから、世帯もそのときに、同じ世帯になるよう手続きをしたことでしょう。ただ、わたしたちのように、結婚数年後になって、「結婚し同居しているのに、戸籍上は別世帯」であることに、何かのきっかけで気づいて慌てる人はたまにいるようで、インターネットで検索すると、それで専門家に相談をしている人の例が、何件か見つかりました。(つづく)

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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ムームー at 2012-03-25 17:08 x
なおこさん、結婚式の写真素敵です~
お似合いのカップルですね。
色々とややこしいことがあるのですね、届ければ同じ世帯に属すると思いますもの。
義母さまの生家も素晴らしいわ、歴史がありますね。
縁あってそちらで結婚されて幸せな生活を送られるって
運命の出会いなんでしょうね。
美大時代の友達はドイツ人と結婚しましたが、最近は音信普通に
なっています。
Commented by pochidora at 2012-03-25 19:05
なおこさん☆こんにちはー!やっぱり海外って日本じゃ考えられないよう名摩訶不思議なお役所仕事って多いですよねー!?しかも、意外と現地の方でさえ知らない意外な事実があったりして・・・。イギリスでも、外国人と結婚して始めて祖国のおかしな法律を知った!なんて旦那様多いようですよ!(うちは日本人カップルなんである意味、何もかもがなんじゃこりゃ?っていうおかしなことだらけですが・・笑)
ところで、なおこさんの結婚式の時のお写真に思わず目が釘付け!(笑)すごい素敵ですーーー!!こんな感じのドレス、着てみたいー☆ なんて脱線してしまいましたが、無事に問題解決!となるようつづきに期待!!
Commented by milletti_naoko at 2012-03-26 05:53
ムームーさん、ありがとうございます。二人とも若かった!(新郎新婦の平均年齢より、二人ともはるかに上でしたが、今よりは若かったと言うことです。)義母の生家は、残念ながら今は人手にわたり、今は改築されて豪華な邸宅になったそうですが、夫とわたしは昔の面影を大切にしたくて、訪ねたことがありません。
音信不通と言えば、わたしも連絡を取っていないかつての友人や同僚がたくさんいて、申しわけないなと思っています。
Commented by milletti_naoko at 2012-03-26 06:00
Pochidoraさん、こんばんは! 摩訶不思議と言えば、イタリアでは、車を購入したら、その月末までに、自分で自動車税を払わなければいけないのですが、そんなこととはつゆ知らず、たまたま4か月後に他の用事で税務署のサイトを見ていてそれに気づき、慌てて支払いました。さらに、オンラインでの支払いは、なぜか支払期限がすぎてからでないとできないことになっていて、これも、どうして期限前にできないのかが謎です。イタリアで腑に落ちないことの一つは、これはイギリスも同じだと思いますが、銀行口座を維持するのに、預金をする人が高い手数料を払わなければいけないことです。わたしたちのお金で儲ける銀行がなぜ手数料まで取るんだと、手数料のかからない国から来たわたしには納得がいきません。しかもイタリアは、ヨーロッパの中でも銀行の手数料が最も高い国の一つのようです。
あら、すてきだなんて。ありがとうございます! 粗が目立たないように遠くから撮影したものを載せてみました。写真では目をつぶる癖のあるわたくしでございます。
by milletti_naoko | 2012-03-24 16:44 | Sistemi & procedure | Comments(4)