2012年 03月 26日
結婚しても別世帯3

「仕方ないな」と思いながら、翌日、市役所でその必要書類、家族証明を申請したわたしは、そこで初めて、結婚4年後も、夫は義父母と同じ世帯に籍を置いたままで、わたし一人が単独世帯にいることを知って、びっくりしました。
結婚前から夫と同居していて、住民票も夫と同じ住所であった上、住民票があるのも婚姻届を提出したのも、ペルージャ市役所の戸籍課だったので、婚姻届を出せば、自動的に夫婦単位の戸籍が作られ、夫と同一世帯になるものと、思い込んでいたのですが、実は、「たとえ同じ住所に暮らし、婚姻届を提出しても、夫婦二人の同一世帯にするためには、夫の住民票を、わたしの世帯に移す必要があったこと」が分かりました。夫の世帯が単独世帯であったなら、わたしの住民票を夫の世帯に移せば、慣例どおり、戸籍の筆頭者は夫になったのでしょうが、わたしがすでに同じ住所で単独世帯を持っていたのに対し、夫の世帯は独立ではなく、義父母の戸籍に名前を連ねていたため、夫の住民票の方を移動する必要があったわけです。

ベルサーニ法を利用できるのは、「同じ家に長く暮らし、同一世帯に属する家族」なので、わたしの方から、「同じ家に暮らしていることは、住所が同じことで証明できるし、戸籍上は別世帯でも、実際には同じ世帯に属する家族だという証明は、二人の身分証明書(住所が同じ)と婚姻証明で間に合うのではないか。」と、戸籍係に尋ねると、「保険会社は、家族証明でないと了承しないはずです。」とのことです。
「だったら、住民票を移して、夫婦同一世帯にすれば済むことではないか。」と思われるかもしれません。わたしも、書類の上のことだから、最初はそれで済むと考えたのです。
ところが、住民票(residenza)を移すには、まずは戸籍課(ufficio anagrafe)に予約(appuntamento)を入れて、指定された期日に、わたしが夫の身分証明書を持って、あるいは、夫と共に再度戸籍課に赴く必要があり、「予約は2日後の6月17日に入れられますよ。」とのことなのですが、そのあと、住民票の移動手続きが終わり、夫と同一世帯だという家族証明(certificato di stato di famiglia)が出せるまでには、「1か月ほどかかります」と言われたのです。
イタリアでは、申請さえすれば、すぐに住民票が取得できるわけではありません。その後、市の警察官(vigile)が家を訪問して、「届出をした人が実際にその住所に住んでいること」を確認し、この確認報告があって初めて住民票ができるので、住民票の申請から、実際に取得できるまでに、日数がかかるのです。それはわたしも知っていたのですが、今回に限っては、住民票を移すと言っても、世帯が変わるだけであって、住所に変更はありません。婚姻届は出しているのだし、「居住地は変わらないのだから、いちいち警察官の訪問を介さなくても、すぐに住民票を変更して、新しい家族証明を発行してください。」と頼みました。けれども、「それはできません。」の一点張り。とりあえず金曜日に、夫の住民票を移動するための予約だけ入れて、市役所の出張所を後にしました。

この日、さっそくトヨタのディーラーに電話すると、戸籍課で言われたとおり、「家族証明でなければだめだ」とのことです。そこで、以前、日本の運転免許証をイタリア免許に書き換えるのに、出生地証明書類がなくて苦労したときに、迅速に動いて助けてくれた市役所戸籍課の責任者にメールを送り、事情を説明して、「書類上だけのことだから、何とか早急に住民票の移動をしていただけたら」と、懇願しました。
その翌日、6月16日は、奇しくもわたしたちの4度目の結婚記念日でした。いったいいつになったら車が手に入るか分からないと、暗い気持ちで出勤し、同僚や生徒さんにも、一転して事情が変わったことを告げたのですが、その後、突然ディーラーから電話があって、その日のうちに車を引き取れることが分かりました。
実は、ディーラー側は、家族証明が入ることをすでに見込んで、業者に自動車保険契約書を送っていたのです。すでに車も保険も支払いが済んでいるのに申しわけないと思ったのでしょう。ディーラーの担当者が保険会社に連絡をして、「同一世帯にするため手続きをしたという証明書を、婚姻証明と共に送れば、それでいい」ことにしてくれたのです。まあ、わたしが車の購入を決めて、前金を払った時点で、家族証明が必要だと言ってくれていたら、このときにはもう住民票が移動できていた可能性もあったわけですけれども。それは、義父の親戚に、ペルージャ市警に勤め、住民票申請者の居住確認を職務とする人がいるからです。

というわけで、市役所の戸籍係から、衝撃の事実を聞き、さらに「夫婦同一世帯にして、その家族証明を発行できるまでには約1か月かかります。」と言われたその翌日、何とかめでたくアイゴを家に連れ帰ることができたのでした。
翌6月17日には、夫と二人で、夫の住民票の移動も済ませました。というわけで、結婚から4年目にして、ようやく書類上、同一世帯となったわたしたち。こうしてわたしが夫婦世帯の戸籍筆頭者となり、ごみ処理税が課税されるのもわたしとなり、昨年10月に実施されたイタリア国勢調査では、世帯ごとに配布された調査書が、わたしあてとなっていたのでありました。
今回の写真は、わたしたちの結婚式のウェディングケーキと、共にテーブルを飾ったデザートの数々です。イチゴと生クリームが好きだというわたしのために作ってくれた、イチゴで飾られた星のような、花のようなケーキはとてもうれしかったし、他のデザートも皆おいしかったそうですが、残念ながら、ほんの少ししか食べられませんでした。デザートをあまり食べられなかったのは、わたしだけではないようで、家族や友人からも、「あんなにおいしそうなデザートが最後にたくさん出てくると知っていたら、プリモやセコンドを食べる量を加減したのに。」と、聞きました。

今回の事で新婚当時を思い出すコトができたのですから良しとしましょう。
って実際には少し前のコトですね。
週末、カミさんの友人達が東京から遊びに来て結婚式の写真が見たいという話しになり私も何年振りかに当日のアルバムを見ました。’99だから・・・だいぶ年月が過ぎました。
話しは本題に戻りどちらも役所仕事ですが日本のほうが日本人には合理的かと思いますがイタリアのこの件も面白いですね。
これもアリです!
戸籍の扱いは国や役所によって違うのでしょうが、この件では思い込みはいけないと反省すると同時に、ここまで杓子定規でなくともと思いました。何はともあれ、車は思ったより早く手に入り、この件でドラマ的葛藤の波にもまれたのは2日だけですみました。終わりよければすべてよし、ということで…… ただ、同じような失敗を繰り返す方がいないようにと願いつつ、ベルサーに法を利用できる人にはどんどん利用していただきたいと考えて、今回1年後になってからですが、記事を書いてみました。人生、本当にいろいろありますね!
国によって色んな手続きが必要なんですね。
知らないと「えーっ」と驚くことです。
“お役所仕事”って言葉がありますが、これは共通しているみたいです。(^^ゞ
でも、これも結果オーライだったでしょう。(^^)/
豪華です、こんなの見たことがありませんわ。
車を迎えるまでの色んなこと、わずらわしいですねぇ。
こちらでも夫の車を廃車にするのにあれやらこれやらと書類が
いりました。
ごみ処理税が課税されるのですね、捨てるのにもお金が
かかりますね。タイヤの持ち帰りに4本で2000円払いました、すっきりと片付きました。

日本で愛媛県に住んでいた頃は、町が作った専用ゴミ袋でゴミを出さないと引き取ってもらえず、このゴミ袋が有料だったのを覚えていますが、イタリアでは、住居の広さに応じて、ゴミ処理税が課されるようです。だんなさまの車、それでは廃車にされたんですね。いろいろと手続きやされることが多くて、お忙しいですね。
そして、そして、結婚式の時のおいしそうな料理の数数!!記事を読みつつも、あら、これおいしそうー。なんてついつい写真に目を奪われておりました(笑) そして、そうそうイギリスも銀行手数料!おかしなことになってます。なぜに自分のお金をあずけて高い手数料を払わねばならないのか??まさしく摩訶不思議な社会ですよねー。イタリアも同じなんですね・・・。(涙)色々とフラストレーションがたまることも多いですが、まあ、いいところだけを見て、お互いがんばりましょうね☆
おいしそうだったし、おいしかったと聞いたんですよ、このデザート! 目には保養だったのですが、食べられなくて、心残りとなりました。銀行手数料、ヨーロッパではかかるんですよね。ヨーロッパで、イタリアは国民の給料は最も低い国の一つなのに、ガソリン代と銀行手数料だけは最も高い国の一つだそうで、どこかが絶対間違っています。国会議員の給料だけは最も高い国の一つで、まずはそこから経費削減していかないといけないのですが、自分たちの給料を下げることを、議会で前向きに話し合おうとはしないんですよね。「国会議員はみんな泥棒!」というイタリア市民も多いのですが、あながち否定しきれない面があります。
国が違うといろいろとまどうことも多いですが、うれしいこともいろいろありますよね。お互いに頑張りましょう!!