イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

うれしい赤です

 贈り物に、こんなすてきな赤い革のジャケットをいただきました。

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 イタリアを訪問する日本からのお客さんと、応待するイタリアの企業・役所側が、互いにお土産を交換する際に、通訳のわたしにも、何かくださる場合が、時々あります。地方の銘菓、ウンブリア・ジャズのロゴ入りのTシャツなどなど、うれしくありがたい贈り物は、これまでにも多々あったのですが、こんなに高価で心のこもった、思いがけない贈り物は、初めてです。

 昨年、ウンブリア州の革製品を作る工場で、日本から研修に来た職人さんのために通訳を務め、職人さんが革製品の作り方を学ぶ傍らで、研修活動が円滑に行えるようにお手伝いをしました。工場の方たちが皆とても親切で、毎日、朝食休憩時間には(イタリアでは小学校でもこういう休憩時間があると、つい最近知りました)、わたしたちにもクロワッサンやコーヒーを用意していただき、いろんな機会に、人情の温かさに打たれたのですが、仕事の最終日に、こんなにすてきな贈り物をいただけるとは予想もしていなかったので、感動しました。この工場で働く皆さんが、自分たちの手で作ってくださった革のジャケットなのです。「わたしたちのことを忘れないように、思い出にね。わたしたち全員からよ。」と言って、代表者の方たちが手渡してくださいました。ただ、袖のたけが長すぎたので、短くつめてもらうために、そのときは、工場に置いて帰りました。

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 その後、雪の日が続いたり、長い間運転をしない日が続いて、車で遠出する自信がなくなったりして、ずいぶん時が経ってしまったのですが、昨日、4月2日月曜日に、ようやく久しぶりに、工場を訪ねて、優しい皆さんにあいさつをし、袖たけをつめたジャケットを受け取りました。

 皆さん手作りのジャケットのせめてものお礼にと、わたしの方も、手作りのイチゴのタルト(crostata di fragole)を持参しました。参考にしたのは、リカさんのベリ・ベリー・タルト(イチゴとフランボワーズ)のレシピです。一度見たときから、イチゴたっぷりのおいしそうなタルトの写真に目が釘づけになり、いつか作ってみたいなと思っていたのです。

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 ただ、タルトの生地は、ウンブリアの人が食べ慣れたものの方がいいかと考えて、義母のタルトのレシピで作りました。イタリアの人というのは、いい意味でも悪い意味でも、自分が育った国や町、家庭の味を愛し、深いこだわりを持っているからです。

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 カスタードクリームも、リカさんのレシピのおかげで、おいしくできて、工場の皆さんもとても喜んでくださいました。久しぶりに、働き者の優しい女性たちに会って話をすることができて、うれしかったです。

 今年の復活祭(Pasqua)は4月8日なのですが、姪たちの小学校は、早くも昨日、4月2日月曜日から復活祭休暇に入り、イタリアでは復活祭の翌日も国民の祝日なので、授業が再開するのは、来週の火曜日です。学校が休みでも、両親は仕事があるときは、しばしば祖父母(nonni)が、代わりに子供の世話を引き受けます。昨日は、義父母が当番の日で、朝から姪っ子旋風が吹き荒れて、なかなかにぎやかでした。日曜に「宿題がたくさんあるので、学校があった方がいい」と嘆いていた姪たちは、「今日は初日だからいいの!」と、1日中遊んでいたのですが、義父の畑仕事も手伝ったようで、おじいちゃん(nonno)から、ほめ言葉とおこづかいをもらっていました。

 最近は、わたしがアルプス一万尺を歌い、姪と手を合わせて遊ぶことが、しばしばあります。つい半年ほど前までは、途中までしか手を合わせられなかった年下のマッダレーナも、今はかなりきちんとできるようになりました。変化をつけるために、後半の「ランラララ…」の部分に入ってから、徐々に速さを上げていくのですが、二人ともそれをかなりおもしろがって、夢中になっています。

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 夕方は、皆で一緒に食べようと、残ったイチゴを使って、ミニショートケーキを作りました。大好きなイチゴの季節には、せっかくだからおいしく味わいたい、体重を気にしつつ、スーパーで生クリーム(panna)も購入しておいたのです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by アキ at 2012-04-04 01:23 x
まぁ、なんてステキなプレゼント!
それに さすがイタリア…本当にオシャレなデザインです☆
心がこもって、しかもオシャレで、
素晴らしいプレゼントをもらえたのは
もちろん なおこさんの人柄あってこそ…ですね(*^▽^*)
Commented by milletti_naoko at 2012-04-04 01:48
アキさん、なんてお優しい! ありがとうございます。腕の立つ職人さんたちがいい仕事をする工場なので、いろんな名高いブランドが、革を使用する衣料品の下請けを発注していて、おしゃれに縁遠いわたしでも、「これはすてき!」と思う服をたくさん見かけました。
革のジャケットなんて、今まで着たことがないので、インターネットでお手入れ方法を調べたりしています。
Commented by 更紗 at 2012-04-04 02:41 x
素敵なジャケットですね~。そしてタルトもショートケーキもおそろいの赤ですね♪
このジャケットをなおこさんが着て歩いていて、怪しい東洋人女性に「なおこさんですか!?」声をかけられたらそれは私です。
Commented by Pigrona at 2012-04-04 03:56 x
すーてーきー!!!!とってもいい赤ですね!
工場の皆さんのなおこさんに対する愛を感じます!
イチゴのタルトで、なおこさんの感謝の気持も伝わったことでしょう。
この季節に丁度良いジャケットだと思います。
ぜひご主人様とのデートに♪
Commented by クロちゃん at 2012-04-04 06:16 x
なおこさん、おはようございます。♪
これぞ心の贈り物でしょう。(^○^)/
赤いジャケットに赤いイチゴ、今年は赤がラッキーカラーになりそうですね。(^^)/
Commented by koba at 2012-04-04 07:30 x
気分も明るく春なんですねぇ。
文中からうきうき気分が溢れています。兼好法師でしたか「ものくるる友」古今東西変わらずですね。互いに心通わせた日々がもたらし形になったものですね。私も先週一週間孫と二人の時を初めて過ごしました。何に興味を持つのか心配しましたが日々関心が変わり、幼児といえどこちらを観察し自分のペースを出してくるのだなと思いました。笑いを誘うことに知恵を絞りました。
Commented by milletti_naoko at 2012-04-04 17:09
更紗さん、うれしい赤がたくさんの今日この頃です。今は、昼太陽が照っていると暑いし、朝晩は寒くてセーターが必要な、不思議な季節ですよね。日没後ももう少し暖かくなったら、このジャケットで出かけてみたいなと思っています。そのうち更紗さんにお目にかかる機会もあるかもしれませんね。
Commented by milletti_naoko at 2012-04-04 17:13
Pigronaさん、そうなんです!! すてきなジャケットに似合うようでありたいなと思うのですが、寒がりでセーターを着込んでいるのと(ペルージャでは日中は暑いのに朝晩は冷え込むのです)、冬の間に太ったのとで、もう少し薄着ですむようになって、もう少しほっそりできたら、ぜひこのジャケットでお出かけしたいと思っています。というわけで、ダイエットにも気合いが……と言いつつ、昨日の晩、ペルージャ在住の日本のお友だちと久しぶりに会って、たくさんたくさん食べてしまったわたしであります。ジャケットをうまく着こなせる女性を目指して、頑張ります!!
Commented by milletti_naoko at 2012-04-04 17:16
クロちゃん、おはようございます♪ まさに心の贈り物で、うれしかったです。イタリアの女性にはよく「あなたは黒髪だから赤が似合うのよ。」と言われます。日本だと、みんな黒髪なので、髪の色に似合う服というのは考えないのですが、こちらでは、「金髪には、栗色の髪には、この色が合う」と、髪の色も含めてのコーディネートを考えているようです。赤って、ハートの色でもあって、心が引き立ちますよね♪
Commented by milletti_naoko at 2012-04-04 17:20
kobaさん、ようやく訪れた春に、咲き始めた花やイチゴ、贈り物がうれしい今日この頃です。小さい子供って本当に好奇心旺盛、エネルギーいっぱいですよね。お孫さんも、kobaさんと二人の時を持つことで、いろんな新しい世界に触れられて、興味深かったと思います。

もう何十年も昔の話ですが、夏休みに祖父母の住む母の実家を訪ねると、五右衛門風呂があったり、火を起こして石で炊く窯があったり、井戸があったりして、興味深かったです。
Commented by pochidora at 2012-04-04 20:55
なおこさん、こんにちはー。すごいー、素敵な贈り物ですね!!!こんな皮ジャン!欲しいですーーー!!!!!なおこさんの人柄の良さに工場の方も思わずプレゼントしたい!と思ったのでしょうねー。人は鏡とのことなので!そして、このイチゴのタルトも、ショートケーキも本気でおいしそうーーーー!!イギリスではイチゴのショートケーキは食べれないので、思わず画面に喰らいついてしまいましたー。ないなら作ればいいんですけどね・・・。(ずぼらなもんで・・・。)ああー、なおこさんが近所に住んでいて欲しい・・・・・。
Commented by ムームー at 2012-04-04 21:49 x
なおこさん、素敵なジャケットですねぇ~
心のこもったプレゼントは宝物ですね、心遣いしてもらえるのはなおこさんのお人柄なんでしょうね。
イチゴのタルトとっても美味しそうです~
皆さん喜ばれたことでしょう~
やっぱり手作りには心がありますよねぇ♪
Commented by milletti_naoko at 2012-04-04 23:54
Pochidoraさん、本当にすてきな贈り物なので、こういうジャケットが似合うすてきな女性を目指して頑張りたいと思います。もう少しダイエットをして、それから似合う服や靴を…… イチゴのショートケーキが見当たらないのは、イギリスも同じなんですね! あれはやはり日本にだけあるものなのでしょうか? わたしもPochidoraさんが近所に住んでいらしたら、どんなにうれしいことでしょう! 一緒にジョギング、ウォーキングができるのに! いえ、やる気の本当にある人は、一人でもするのですよね。ずぼらだなんて、走っているPochidoraさんはすばらしい! わたしも頑張ります。
Commented by milletti_naoko at 2012-04-04 23:58
ムームーさん、本当にすてきなジャケットで、うれしかったです。工場の人たち、本当に優しくて、研修生としていらした若い日本人男性を、我が子のように大切にして、熱心でやる気があるとほめていました。ただ最近はメールの返事も日本から届かないと残念がっていらっしゃいました。
手作りは手間はかかりますが、心もこもっていて、うれしいですよね。日本のように、店先にイチゴのデザートがそれほど見当たらない、そのおかげで、いろいろと自分で作っているわたしです。
Commented by rica_cuore at 2012-04-05 20:16
本当に素敵なジャケットですね!それもプレゼントだったなんて!ナオコさんの人柄のおかげでしょう。
イチゴのタルトもショートケーキも美味しそう。
そしてナオコさんのショートケーキ!私も大好きなんです!フランス人にも大変受けが良いんです。日本人だとこのイチゴの時期にはどうしても食べたくなるケーキですよね!
Commented by milletti_naoko at 2012-04-06 04:41
リカさんのすてきなレシピのおかげで、おいしく、見た目も美しいイチゴのタルトができて、胸を張って、工場を訪ねることができました。ありがとうございます。
リカさんも、イチゴのショートケーキが大好きなんですね!おいしいですよね~ フランス人にも受けがいいということは、フランスでも日本でほど頻繁に見られるものではないのですね。日本人の発明でしょうか? わたしたちが大好きなのは、慣れた懐かしい味だからでもあると思うのですが、フランスやイタリアの人にも受けがいいので、だとしたら、すてきな味の発明ですね。
by milletti_naoko | 2012-04-03 17:06 | Gastronomia | Comments(16)