2012年 04月 04日
あれから10年

3月29日、学校全体の離任式のあとで、担任していたHRの教室に入ると、きれいな花束と共に、教え子たちが、心のこもった言葉と写真でいっぱいの色紙と、

ルーズリーフに、一人1枚ずつ、温かい言葉でつづった手紙をまとめたファイルを、贈ってくれました。当時の手帳に、こんなふうに書いてあります。
「22R教室では、生徒たちが心づくしのお礼の会を開いてくれて、うれしくて感激した。たくさんの花束に、写真いっぱいの色紙。一人一枚の個性豊かなメッセージまで…… 彼らに出会えたことに心から感謝。」

カラーをいっぱいに使い、写真や絵を添えて、小さな字でびっしり書いてくれた女子生徒たち。

そして、色紙にも、ファイルにも、主に鉛筆を使って、書き慣れないメッセージを、一生懸命に考えてつづってくれた男子生徒たち。
・僕も先生に負けないように絶対に夢を手に入れます。これからは夢にむかう”ライバル”です。
・イタリアは日本からかなり距離があるけど、国境を越えて、先生のことを応援しています。僕も、自分の夢に向かってがんばっていくので、先生もいろいろと困難にぶつかるかもしれないけど、くじけず、あきらめず、1日1日を大切にして、ガンバッテください。
・イタリアにいくと聞いたときはびっくりたまげました。3年生になってもまた一緒に勉強できるのかとたのしみにしてたんですけどねー。でも人っていうのは、いくつになっても夢をおいかけないとなー。だから先生がイタリアにいくというのなら、まわりの見る目を気にせず自分の正しい道を進んで下さい。
・先生の好きな国、「イタリア」で好きなことに挑戦し、いろいろなことを学んでください。絶対に辛いことの方が多いと思いますが、自分が好きでやることですから後悔だけはしないでください。ですが、「辛いことが多くなると喜びもまた大きい」っていいますけど。

男子15名、女子27名と、女子生徒が圧倒的に多い文型クラスでした。当時のことを思い返して、原点を振り返りたいという気持ちもあり、今日はとりあえず、男子生徒からの手紙を、じっくり読み返しました。
昨日の晩は、ペルージャで、何年も一緒に日本語を教えた同僚でもある友人と、久しぶりに会って、おしゃべりをし、楽しい一時を過ごしました。わたしはイタリアに暮らして10年、彼女は約11年。異国に住む同胞として、いろいろな苦労も喜びも分かち合える友達と、いろいろ話すことができて、うれしかったです。イタリア在住10年を祝って乾杯し、お互いに、これからのことに思いを馳せました。
お世話になったいろんな人に、十分にお礼も言えないまま、恩返しできないまま、日本を発ってしまった10年前。日本に残る家族と友人、かつての同僚の先生方。そして、高校生活残り1年を控えた皆と別れて、旅立つことを選んだわたしを、たくさんの笑顔と励ましの言葉で送り出してくれた生徒たち。
今、あの子たちに、胸を張って出会えるような毎日が送れているかしら? これから少しずつ、女子生徒たちの手紙と色紙の言葉も、じっくり読んでいきたいと思っています。今日はようやく、4鉢のうち、一鉢だけですが、椿のつぼみが開き始めています。
- 思い出の学校1 / Scuola di Urbania (2/12/2011)
- 滞在許可証3+仕事の現状と抱負 / Università per Stranieri di Perugia (21/11/2010)


偶然、ここにたどり着きました。
イタリア10年在住なのですね。
という私も、フランス11年半です。
海外で生活するという事は、ほんと大変ですよね。
先日も、イタリア15年位のお友達と、同じく色々な苦労や喜びを話していたところです。
また、遊びにきます。

掲載された自分のメッセージを見られている方、この上なく感激です。まちがいなし。新聞に投稿されたりして。
もうイタリアに10年になられるのですね、教え子さんたちの手紙は宝物ですわぁ、その時のことが昨日のように思われますね。
昔、教育実習でもらった手紙も長いこと宝物でした。
人との関わりって素晴らしいことですわ。
椿が綺麗、可愛い~開きかけも愛らしくて素敵~
ありがとうございます♪ 何かに夢中になると他がおそろかになるのは、今も昔も変わらないのですが、そういうわたしを支えてくれた、かつての同僚や先輩、生徒たちに感謝、感謝です。
ムームーさんも、教育実習をされたことがあるんですね! 生徒たちが、心からの純粋な思いをつづってくれた手紙って、うれしいですよね。テラスの椿、これからが楽しみです♪
この時の生徒さんにとって、先生の一大決心は大変な衝撃でもあったと思います。今の職、地位を捨て、未知の外国へ飛び立つ・・・。先生の勇気ある行動から、生徒さん達の視野が広がったことは間違いないと思います。これらのファイルは宝物ですね!
この10年の間には、学業にも仕事にも打ち込んで、充実した時期もあったのですが、今はちょっと安定した仕事もないので、「羽ばたけて」いません。昔、優しく背中を押してくれた皆に、胸を張って会えるように、これからいろいろと考えていきたいと思います。大学や語学学校から、あるいは個人から、日本語やイタリア語の授業の希望は時々あって、長い間教えてはきたのですが、最近、こちらの大学・大学院で長く共に学んだかなり若い友人が、独力で、語学学校を開きました。わたしも負けてはいられないな、と。
そうです。このファイルと色紙は、一生わたしの大切な宝物です♪

こんなに好きになれた先生なんていませんでしたよ!!
昨晩思いついて、タグとカテゴリの見直しと書き換えを始めたら、収集がつかなくなってきました。一度にすると大変なので、時間のあるときに少しずつ全体の変更をしていくつもりです。そのせいで、少しタグ・カテゴリから記事を読むのに不都合があったら、申しわけありません。