2012年 04月 05日
財布とポルケッタ
「開店祝いに、ポルケッタ(porchetta)入りのパニーノがただでもらえるのよ。買い物しなくてももらえるから、行ってみれば。」と、お義母さんが言ってくれたのですが、わたしは、ポルケッタのためにわざわざ渋滞と人込みに巻き込まれることはない」と思って、出かけませんでした。
かつて学生時代、ペルージャの中心街はずれのアパートで、いろんなイタリア人女性と共同生活を送ったとき、同じ家に、節約上手な社会人女性が住んでいて、いろいろ買い物のコツを教えてもらったのですが、彼女たちから、「Todisで売られているパスタや牛乳などの工場製造製品は、聞いたことがないメーカーのものばかりだけれども、野菜や果物は新鮮でおいしい。」と聞いていました。一度だけ中心街近くのTodisに入ったことはあるのですが、イタリア製ではない、聞いたこともないメーカーの商品が多くて、結局買い物をしたのは、その一度きりだったのです。
そうして……試しにパスタなど、いくつかの商品は買ったものの、スーパーの品揃えにはどちらかというと落胆した義母と共に、買い物を整理していた義弟が、あることに気づきました。ズボンの後ろに入れていた財布が、なくなっているのです!
財布(portafoglio)が落ちていそうなところ、ありそうなところすべてを、必死になって探したけれども見つからず、結局は、スーパーで列に並んでいるときに、後ろからすられたらしいという結論に至り、すぐに警察署(questura)に、盗難の届け出(denuncia di furto)をしに行きました。身分証明書(carta d’identità)、運転免許証(patente di guida)など証明書のたぐいも、すべて財布に入っていたため、警察には「出てくるかもしれないから、しばらく様子を見てみては」と言われたものの、その場で、古い証明書は廃棄して、新しいものを発行してもらう手続きを取ったそうです。そうしないと、車も運転できなかったからと、義弟から聞きました。
開店のどさくさに紛れて、こういうひどいことをする人もいるもので、行ったら必ず財布がすられたというわけではないのですが、わたしは、義弟を気の毒に思いながらも、内心、「自分はわざわざ出かけなくてよかった」と思いました。
財布や証明書の盗難と言えば、うちの夫も、まだ結婚前に、初めて二人で日本を旅行したその帰り、ようやく母国に戻ったと安心したのでしょう、ローマ・フィウミチーノ空港とペルージャ間を結ぶ高速バスが、途中、ローマ・ティブルティーナのバスターミナルに立ち寄って、45分ほど停車した際、ここの有料トイレ(上の写真)に、財布や身分証明書類など一切合切を入れたウエストバッグ(marsupio)を置き忘れたことがあります。気がついて5分ほど後に戻ったときには、すでに跡形もなく、すぐに警察にも届けたけれど、結局見つからずじまいで、やはりすべての証明書類やクレジットカードを破棄して、新しく作り直しました。
似たような盗難には、お義父さんも遭っています。墓地(cimitero)に駐車していた車に置いていた財布を、やはり中に入っていた証明書類ごと、盗まれてしまいました。で、この後が、笑い話になりそうでならない苦い話なのですが、義父は、盗難後、すぐに、盗まれた免許証の代わりとなる書類を発行してもらいに、エルチェ(Elce)の自動車学校まで出かけました。当時、ペルージャ中心街および近郊では、スモッグ対策のために、かなり広い地域にわたって、「この日はナンバーが偶数の車だけが走行できて、次の日は奇数の車のみ」といった具合に、自動車のナンバーによる交替走行規制(targhe alterne)が行われていたのですが、義父が盗難に遭った日は、ちょうど義父の車では走行ができない日でした。運が悪いときには悪いことが重なるもので、そんなことも知らずに走っていた義父は、市警察官(vigile)に停められ、事情を説明したものの、罰金を言い渡されてしまいました。
さらに、この罰金を払いに行ったときのこと、駐車した車が、駐車線から、ほんのわずかだけ、かろうじてはみ出していたのに、やはり市警察に見つかって、罰金を課されたそうです。「こんなのは、線からはみ出したとは言わない」と、義父はさんざん抗議をしたそうですが、市警察官も頑として譲らず、結局義父は、それぞれ約70ユーロの罰金を、1日に2度、支払わなければならない羽目になったそうです。しかも、どの罰金も、もともと墓地で盗難に遭いさえしなければ、払う必要のなかったものです。
皆さん、イタリアに長く住む地元の人でさえ、うっかりすると、やはり盗難に遭ったり、罰金をもらったりしてしまうことがあるのです。貴重品の管理や運転・駐車には、十分に気をつけましょう。
ちなみに、このままでは救いがないので、いい話をして終わりにしたいと思います。数年前のある日、わたしは、ペルージャの市内バスに、うっかりポシェットを置き忘れてしまいました。そのポシェットには、アパートの鍵や財布も入っていて、アパートに帰ったときに、家の鍵、そして、鍵を入れたポシェットを、バスに置き忘れたことに気づいて青くなりました。すぐに、バス会社の遺失物係に電話したところ、幸い親切な方が、遺失物係りに届けてくれていて、現金やカードを始め、もともと入っていたものが、すべてポシェット内にあって、感激しました。このときうっかりポシェットを忘れたのは、当時まだ恋人であった夫と、初めてひどいケンカをしたあとで、気が動転していたからだと思います。ついでに、やはり数年前のポルトガル旅行中に、ベンチにうっかりカメラを置き忘れて見つからなかったときも、夫とケンカをした直後でした。ケンカをすると、注意力が散漫になるのだと思います。というわけで、旅行中はただでさえストレスも多いと思うので、できるだけ、ゆっくりと計画を立て、お互いを思いやって、ケンカにならないように努めるのも、盗難防止と夫婦円満の秘訣だと思います。
最初の写真は、3月10日に、ペルージャのはるか南東にある水の里、セッラーノ(Sellano)を訪ねたときのものです。ポルケッタ入りのパニーノを、セッラーノの店で作ってもらい、すぐ近くの小高い丘に立つ村、モンテサント(Montesanto)のこの場所で、すばらしい眺めを楽しみながら、おいしいパニーノをほおばりました。
運の悪いことって続くことがありますね。
私も一度だけ財布をなくしたことがあります。
もうずいぶん昔のことですが、今でも覚えています。
それ以来、財布はセカンドバックに入れて肌身離さず持ち歩くようになりました。
車は、スピード違反以外に反則金はありません。(=^0^=)
いつもぼーっとしている時に警察官の「止まれ」の旗で止められます。(^^)/
すみません、スーパーなんですけど、イタリアにはゴム手袋ってありますか?旧市街のcoopには見当たりません。お店の人に訊くとしたらguanti gommi??洗剤で手が荒れそうなので手に入れば嬉しいんですけど・・・。
我が家は、旅行を楽しむため「喧嘩はご法度」を合言葉に出かけます。2,3週間の時は忍耐か諦めか笑ってごまかしますが。
心騒がず、平常心が大切。年寄りは経験から学んでおりさすが、さて現実は如何に。
男性がズボンのポケットに入れてる財布はあぶないですね。
私はタクシーの助手席に乗った時、日ごろよりも薄いバッグを
忘れました、電話をしてもないの一点張りでした、カードも現金もなくなったーー!!
昔~嫌な気分で家を出たあと、追突されて入院しました、あれ以来家を後にするときは喧嘩や嫌な言葉をはかないようにと思いました。
わたしは今のところ、日本でもイタリアでも車で反則金を払ったことはないのですが、イタリアでは時々、日本とは勝手が違うので、たまにどちらが優先か、まれに車線を間違えてしまうことがあります。余暇を利用して、イタリアの道路標識をもっと勉強しなければ!!
イタリアでもゴム手袋は売っていて、わたしも洗剤で手が荒れるので、ゴム手袋が欠かせません。(そう言えば今、右の手袋に穴が空いているようなので、わたしも買いに行かなければ!)中心街のスーパーは、COOPにせよCONADにせよ、店舗が小さいので、品数が少なく、食料品以外はほとんど置いていないと思います。万一置いてあっても、品数が少ないと思うので、もう少し大きいスーパーに行って、掃除・台所用品を探すことをお勧めします。(つづく)
値段や耐久性、ゴムの厚みもさまざまなゴム手袋があるからです。中心街からだと、一番行きやすく、分かりやすいのはミニメトロでも行ける鉄道駅(Fontivegge)のCOOPだと思います。Via PalermoのSidisや Via della PallottaのConadも、バスで簡単に行けます。この数年まったく行っていないので、事情が変わったかもしれませんが、以前近所に住んでいた頃は他店に比べて安いのが魅力でした。ただ、Sidisは大きいのでゴム手袋は必ずあると思いますが、Conadは店舗がどうだったか覚えていません。ペルージャ郊外になりますが、うちの近所、San Marco FornaciのPAMは、店もとても大きいし、夜は9時まで開いていて、日曜祝日も開いていることがあるので便利です。記事へのリンクはhttp://cuoreverde.exblog.jp/17260061/
ゴム手袋の呼び方は特に決まっておらず、guanti di (della) gomma、guanti di (della, per la) puliziaなどいろいろあるようです。
「喧嘩はご法度」は、賢明な旅行の合言葉ですね! 旅先では、したいこと、すべきと思うことが違ったり、道を間違えたり、ストレスがたまることもあり、ケンカになりそうな原因も多いのですが、まずはわたしがいつも平常心でいればだいぶ違うかなと、皆さんのコメントを読んで思いました。
追突されて入院とは、大変でしたね! やっぱり、落ち着いた気持ちでいることが、自分の心身の健康にもいいし、トラブルの元も作らないんですよね。わたしも以後はよくよく気をつけたいと思います。
どこにいようと油断は禁物!ってことで私も気をひきしめなくちゃ☆なおこさんも気をつけてくださいね☆
あとでカフェに行きがてらcoopとPiazza Italia近くの小さいスーパーを見てみます。で、無かったら明日Fontiveggeのcoopに行きますね!ほんとうにありがとうございます!!
meta'でゴム手袋を無事にみつけました。でもやっぱり品揃えは悪いので、近いうちにFontiveggeに日用品を買いに行ってみます。ありがとうございました。