2012年 04月 13日
パスタゆで汁大活躍

同じ乾燥パスタをゆでたお湯でも、中に肉やリコッタの入ったトルテッリーニやラビオリの場合は、ゆで汁に油分があって、皿洗いに向かないのですが、純粋に乾燥パスタだけの場合は、熱々のゆで汁が、汚れ落としに大活躍してくれます。熱すぎる場合は、少し水を入れて冷ましてから、食器の汚れを落とし、最後に水ですすぎます。

今日の昼食のプリモには、こちらのパスタを作りました。今朝は、お義母さんが、すでにゆでた畑の野菜をくださったので、フライパンにオリーブオイルを入れ、みじん切りにした玉ネギとニンニクを炒めてから、パンチェッタを加え、最後に青菜を入れて、塩・こしょうで味を調え、さらにしょうゆを回しかけました。

そうして、ゆで上がったパスタを入れて、さらに炒め、1分ほどかき混ぜながら、水分を飛ばして、はいできあがり。
さて、薄緑色の芯が多い、この野菜は何でしょうか。

以前にもご紹介したカリフラワー(cavolfiore)の外葉なのです。察するに、お義母さん、花の部分は揚げ物か何かに利用して、外葉だけゆでたのでしょう。葉の芯がとても太いので、芯がきちんとゆで上がるようにと、長時間ゆでたためか、緑の葉の部分は、柔らかくなりすぎて、分解しかけています。
カリフラワーの外葉は、芯の部分の味が淡白なので、パンチェッタやしょうゆを使うことで、味を利かせるように工夫しました。忙しいとき、パンチェッタは重宝するもので、ゆでた青野菜の他に、ズッキーニやグリーンピースも、パンチェッタと炒めると、手早く簡単に、パスタやリゾットのおいしい具ができあがります。

そうして、パスタのゆで汁は、できあがったパスタを保温するのにも役立ちます。ウンブリア州庁に勤めるうちの夫は、週に2、3度は勤務が午前中のみで、そういう日は、午後2時過ぎに帰宅して、うちで昼食を食べます。帰る時間帯が一定ではないので、とりあえず2時前までにはパスタを準備しておいて、夫が帰るまで、パスタが冷めないように、こうしてフライパンごと、パスタ鍋の上に置いておきます。鍋の中には、先ほどまで沸騰していたお湯が入っているため、コンロの火は消えていても、その蒸気が、フライパンを温め続けるわけです。
ちなみに、余った料理を冷蔵庫に保存するとき、日本ではすぐにサランラップやクレラップを使っていたのですが、イタリアの店で見つかる食品用ラップフィルムは、取りにくく、切れにくい上に、日本の製品ほど耐熱性がないので、非常に使いにくいのです。そのためもあるのでしょうか、義母や夫は、ラップを使うのではなく、お皿やお鍋のふたを使って、皿を覆っています。この方が、確かに環境に優しいのですが、一度こうして皿で覆った皿を冷蔵庫から出そうとして、上の皿が落ちて割れてしまうという事件もありました。

こうして冷蔵庫で保存していた、冷たい料理をさっと温めるのに、日本では、電子レンジを使う場合が多いと思うのですが、イタリアの家には、「電子レンジで温めるのは体に悪い」と考えたり、すでに大きいりっぱなオーブンがあったりするため、レンジがない場合もよくあります。こういう場合は、 お鍋に少し水を入れて、その上に温めたい料理の入った皿(皿a)を載せ、他のお皿(皿b)や鍋のふたで覆い、鍋の水を沸騰させて、この蒸気で料理を温めることができます。
こういう温め方を、イタリア語でbagnomaria(bagno maria、bagno Mariaとも)と言います。ただし、上の場合には、熱湯の蒸気を利用して、皿を温めるのですが、たとえば、チョコレートの入った鍋を、直接熱湯の中に入れて、熱湯の熱を利用して温める「湯せん」も、やはりbagnomariaと言い、要するに、直接火にかけるのではなく、熱湯を通して、火力を間接的に利用する方法を、こう呼びます。手持ちの伊伊辞典(わたしのは2003年版)には、語源は、bagno「水浴、入浴、温浴」+Maria(人名)とあり、聖書で知られるモーセの姉、ミリアム(イタリア語ではMariaに該当)が、一般に錬金術師として知られていたためだと書かれていますが、Wikipediaイタリア語版によると、語源には他にも説があるようです。

脳における言葉の記憶は、主に音声情報によって、区分されているそうです。「bagnomariaで温める」と言うつもりで、「Ave Maria(アヴェ・マリア)で温める」と言ってしまい、夫の笑いを誘うことが多かったのは、数年前のことです。会話中に、無意識に、記憶が間違った引き出しを開けるため、意識のレベルでは、絶対に違うと分かっているのに、何気ない会話中に、間違えて言ってしまうことがあるもので、「雪」(neve)と「船」(nave)、「正午」(mezzogiorno)と「真夜中」(mezzanotte)の言い間違いは、今でもたまにあります。たいていは、言い終わってすぐ、自分で気づいて言い直すのですが、記憶って不思議なものだなと、そのたびに思います。




私だけじゃなかったんですね!!!!
以前義理母の家で、このように温めているのを見たことがあります。bagnomariaと言うんですね!
そうそう、こちらのラップは本当に扱いにくくて。。私は日本からミニサイズのものを持って来て大事に使っています。
カリフラワーの葉は、畑をやっていないとなかなか口にできませんね。外葉もきちんと利用する。理想的ですね。
話は変わりますが、先日Kazukoさんのお宅にいらした日本人のお客様にいちごティラミスを作って持って行ったところ、とても喜ばれました!いちごソースの入ったご主人のティラミス、とっても美味しかったです!また作ります♪ご主人によろしくお伝えください。

ご主人のお義母さんがなさる様子をお聞きしていると、昭和30年代を思い出します。科学技術が生活用品化される前は、手許にある器材でまかなったことでした。手作り生活そのもの。
お米の研ぎ汁で、お茶碗を洗った記憶があります。
究極の自然に優しい生活のように、この頃は思います。
マンション暮らしではありますが、TBS「イタリアの小さな村の物語」を見ては、昔を思い出し、機械にできるだけ頼らないようにと、年金生活を前に始めています^^笑 「足るを知る」結構面白いです。
茹で汁の活用法はなるほどです。
私も野菜の茹でた後は使いますが、こういう大なべのは
たくさん洗えていいですね。
ラップはこちらもたくさんありますが、切り口がわからなく
なってくるくる回してます。
お皿でふたをするのは昔に母がしてたようです。
いちごのティラミス、作られたんですね! お客さまにも喜んでいただけたようで何よりです。ありがとうございます。今朝、うちの夫は、1週間プッリャで、友人たちと巡礼をするたびに、一足先に旅立ちました。友人たちはリミニから月曜日に出発。わたしはうちでお留守番です。
義母が少女の頃は、水道水がないので、森の給水場に、水を汲みに行っていたそうです。やんちゃな従兄が、その水に蛙を入れて、義母を飛び上がらせたことがあるのだとか。結婚してからも、町から離れた家には水道水がなく、村の女性たちは、村の給水場に出かけては、飲料水を汲み、洗濯物も運んで、おしゃべりしながら、給水場近くの洗濯場で、一緒に洗濯をしたそうです。「足るを知」り、「機械に頼らない」生活。頭と手と足を使えて、環境にも優しいですね。
ムームーさんは、野菜をゆでたお湯を利用されているんですね。わたしもよく使います。皆さんのコメントを拝見していると、昔は日本でもお皿でふたをしていたんですね! 確かに、ラップがなくても、ちゃあんと生活できていたんですものね。
あれ、ちょっと当たっただけでもすぐに落ちますよねぇ。
パスタの茹で汁、yuzukoさんもお書きになっていましたが、
わたしも米のとぎ汁をすぐに思いました!
とぎ汁でお皿を洗ったり、水にぬらしたぬか袋で
肌をつるつるにしたり、自然の知恵はいいですね。
このところ、どなたのブログも読めていなかったので、
まずは直子さんのをゆっくり拝読させていただきま~す♪
カリフラワーの外の葉を使うなんて、目にうろこです。
ちょっと苦味があっておいしいかも、試してみます。
現在81歳の義母は、なんでもbagnomariaでした。
電子レンジなんて理解できないみたい。。。
今、インターネットで検索してみたら、日本語でも、電子レンジの健康への危険性を訴えているページが、意外と多いので驚きました。携帯電話も、世界保健機構が危険を指摘しているし、便利であっても、産業の発展に役立っても、健康の害になるものは、政府がもっと先陣に立って、調査をし、対策を練ってほしいものですが、震災後の原発に関する対応を見ていると、やはり市民が自分の身を守るべく、隠されがちな情報を自分で調べる必要があるのかなとも思ったりします。難しいですね。今日は、うちに電子レンジがなくてよかったと思いました。
パスタが美味しそうですね♪
日本に生まれて日本語で育ったら、なかなか外国の言葉って、覚えられても頭になじまない気がするんですけど・・・。
旦那さんがそれで楽しんでくれてるなら良いのかもしれませんが(?)
日本人は日本語だってたまに間違いますよね(笑)
凸d(^-^)応援pochi!
あ、Pochidoraさん、わたしもこれはダイエットをしないととんでもないぞという究極の危険状態、赤信号が出てきたので、この1週間は、夫が巡礼で留守なのを機に、ダイエットに励みたいと思っています。Pochidoraさんのブログの記事に、今回はコメント欄がないようなので、こちらにそのコメントも書いておきます。おろしそばとは何とおいしそうな!! ずっと一緒につき合ってくださるだんなさまもお優しいこと! お互いに頑張りましょう♪