2012年 04月 23日
おかえりなさい

毎日20km近くの道のりを、しばしば雨に打たれながら、最初の2日間は一人きり、後の4日間は、リミニから来た友人たちとも合流して、歩き続けました。1週間ぶりに会った夫は、少し日に焼け、達成感に満足の笑みを浮かべていました。

巡礼の目的地は、プッリャのモンテ・サンタンジェロ(Monte Sant’Angelo)。5世紀に大天使ミカエル(Arcangelo Michele)が現れたという伝説がある地で、夫が持ち帰った上の本にあるように、中世(Medioevo)から今日(oggi)まで、多くの信者の巡礼(pellegrinaggio)の目的地となっているそうです。夫は、大天使が現れたという洞窟の中に築かれた祭壇に感銘を受けたと言います。
出発地点は、モリーゼ。巡礼の出発点も通過点も、見たことも聞いたこともない場所が多く、ほぼ毎晩、電話で夫と話したあとは、グーグルの地図で、場所を確認しました。翌日の天気予報を調べて、雨の対策や服を着込むようにという助言もしました。
1日中道路を歩いた日もあれば、雨が降る中、山道を歩いたこともあり、道を間違えたりもして、苦労も多かったようです。けれど、約120kmもの距離を歩き通し、目指す聖地に無事たどり着くことができて、また一ついい経験ができたと、夫はうれしそうです。夫たちが歩いた1週間は、ちょうどイタリア全国で天気が不安定で、雨もよく降った上に、ペルージャよりもずっと南にあるはずのプッリャが、先週は寒かったペルージャよりも、さらに気温の低い日が続いていました。モンテ・サンタンジェロに到着した晩、夫が電話で真っ先に口にした感想は、「とても寒い」でした。巡礼中には、どこまでも緑色に広がる麦畑に出会うことが多く、また、ペルージャではまだ咲いていないオリーブの花も、プッリャではもう咲いていたそうです。

一行がモンテ・サンタンジェロに到着したのは、4月20日金曜日の夕方5時半頃。リミニ勢は土曜日に電車で、夫は昨日、バスを三つ乗り継いで帰宅しました。ちょうど交通機関のストライキが重なっていたので、車で途中まででも迎えに行こうかと、わたしは、夫の巡礼中に、そういうときに便利なItinerari ViaMichelin: tragitti in Italia e all’esteroのサイトで、ペルージャからアンコーナやフォッジャ、モンテ・サンタンジェロまでの車での行き方や距離、所要時間もしばしば調べていました。ペルージャには、南イタリア出身の大学生や社会人も多いため、ペルージャ・プッリャ(Puglia)間を結ぶ便利な長距離夜行バスがあるのですが、便のある曜日は限られていて、夫は利用できなかったからです。
リミニ勢は、フォッジャからアドリア海岸沿いに、電車でリミニまで、乗り換えなしに戻れたのですが、ペルージャからモリーゼやプッリャへは、交通機関の接続が非常に悪いのです。夫は行きも帰りも、わざわざローマを通過して、バスを三つ乗り継いで、旅をせざるを得ませんでした。わたしは、モンテ・サンジェロを朝5時に出て、ローマに11時に着くバスも見つけたのですが、巡礼到着日の翌朝、土曜日に発つには早すぎるし、日曜日には便がありませんでした。
昨日は、夫がプッリャからローマ、ティブルティーナのバスターミナルに着くのが午後1時55分で、同バスターミナルからペルージャに向かうバスが午後2時発だったので、「5分しか乗り換え時間がないけれど、何とか午後2時の便に乗れますように。」と心配していました。午後2時の便に間に合わないと、次の便が午後6時発だったからです。幸い、奇跡的に、たった5分の乗り継ぎ時間でも、うまく午後2時発のバスに乗り込むことができたため、午後4時半には、無事にペルージャの自宅に到着しました。

そうして帰宅した夫が、遅い昼食を済ませたあとで、すぐに二人で、ミジャーナに、家の改築状況を見に出かけました。夫のいない間に、前のテラスにりっぱな柱が四つできています。昨夜は、夫の無事の帰宅を祝い、友人や義弟と共に、近所のピザ屋で乾杯をし、夕食を食べながら、巡礼のいろんなエピソードを聞いて、話がはずみました。
元気で無事に帰ってきてくれて、よかったよかった。
LINK
- Monte Sant’Angelo – Santuario di San Michele Arcangelo
- Itinerari ViaMichelin: tragitti in Italia e all’estero
↑ 車でイタリア、ヨーロッパを旅行するとき、道のりや距離、所要時間などが分かって便利なサイト。
関連記事へのリンク
- 亭主元気で留守の間に (2012/4/14、夫の出発に際して)
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)



無事にお帰りになられてほっとしましたね。
グーグルの地図で調べることは役立ちますね、私も見るのが好きです。
改築中のお家も素晴らしいですねぇ~
皆さんとピザを食べてお話も弾みましたね。

プッリャはわたしもいつか行ってみたいところです。今回夫のためにバスの情報を調べながら、行ってみたいところがいろいろ増えました。実はスルガ社には、ペルージャからポンペイに行くバスもあるんですよ。旅行会社が、外国人大学の生徒さん相手に、いろんなツアーを企画しているので、学内の掲示に注意して、そういう旅行に参加すると、友だちの輪も広がり、バスの中でイタリア語で会話もできて一石二鳥かもしれませんね。
うちの夫の同僚が、かつてプッリャのホテルの駐車場で、車を盗まれたことがあるらしく、盗難が心配らしくて、プッリャにはまだ二人では行ったことがありません。でも実はうちの夫、ペルージャでも車の盗難にあったことがあるのです。運よく数日後、彼の友人が近所に駐車されている夫の車を見つけたからよかったものの……
ご主人、無事巡礼を達成して戻ってこられたのですね。よかったです!
巡礼の話を聞くと、色々思い出して行きたくなります。私はキリスト教徒ではないのですが、自分の足で歩いてその土地に触れるのは好きです。
南イタリアに行くのって、やっぱり電車やバスでは不便そうですね。
私もいつかプーリアに行ってみたいです。魅力的な街や食べ物がたくさんあるようなので!

プッリャは少ししか廻っていないので、改めてゆっくり行ってみたいといつも思っています。
ところで、ルイジさん、モンテ・サンタンジェロに行かれたんですね!(巡礼の目的地とか無知で失礼〜)
昨夏、夫とピエモンテのSacra di San Michele に行った際に、その大聖堂(という呼称でOK?)は、フランスのモン・サン・ミッシェル(mio san micheleってことですか?)とプッリャのモンテ・サンタンジェロを1本の線で結んだちょうど真ん中に位置すると知りました。なので、プッリャのサン・ミカエルにもとても興味が湧いたんです。しかし遠い…!とはいうものの、ミラノ近郊住まいの私の方が、飛行機を利用してだと、実はなおこさん達よりも短時間で辿り着けるかもしれませんね。
私たち夫婦も旅好きで、世界のいろんな国を廻ってみたいと言いつつ、イタリア国内も興味は尽きず…(もちろん日本もあちこちまわりたいし)。
ああ、時間もお金も足りませーン!
あ、モンテ・サンタンジェロが巡礼地でどういうところかは、わたしも今回夫たちが出かけるまでは、まったく知りませんでした。モン・サン・ミッシェルというフランスの名所、よく見聞きするのですが、なるほど、サン・ミッシェルで、やはり大天使ミカエルがらみなんですね。実は、大天使ミカエルと聞くと、つい最近まで真っ先に思い浮かんだのは、川原泉の漫画、『笑う大天使(ミカエル)』でした。ヨーロッパ各地に、特定の天使や聖人にゆかりのある聖地がいろいろあるというのはおもしろいですね。パリに行けたら、ぜひモン・サン・ミッシェルにも行ってみたいと思います♪ (つづく)
1本の線で結んだ中間に位置するというのも、なかなかすごいですね。その事実もすごいけれど、それに気づいた人も! ペルージャはやはり主要都市ではないので、そういう意味では、交通は不便なのだと思います。わたしは、いつかヨーロッパのいろんな町を訪ねてみたいなとずっと思っていたのですが、夫とだと、短い期間に近場の山を歩いて、安宿や大部屋で寝てということが多く、それはそれで楽しいし、お金も安く上がるのですが、せっかくヨーロッパに住んでいるんだし、今は一人ででも、パリやノイシュヴァーンシュタイン城に出かけてみたいと、いろいろ計画しているところであります。ちょうど今仕事がないので、この時期をうまく利用してみたいと思います。お金はあるわけではないけれど、前回ロンドンで安い宿を取ったら、サービスや施設もそれなりだったので、今回パリではもう少し奮発しようかなと思っています。日本から行くのに比べえたら、飛行機代だけでもかなり安く上がることを考えると…… さあパリに行けるかな行けるかな。