2012年 06月 05日
パリでフランス語を学ぶ

上の写真は、朝6時半過ぎに、わたしの部屋のバルコニーから撮影したものです。そうです。うれしいことに、部屋にバルコニーがあるのです。ホストファミリーの家がある建物も、こうして周囲に見える建物と同様の造りをしています。家は建物の6階にあります。日曜の夕方、荷物を抱えて建物の前に到着し、家が6階と聞いて青くなったわたしは、中に入って、エレベータがあるのを見て、ほっとしました。早朝は雲もなく、空も空気も澄んでいたのですが、しばらくすると空が曇ってしまいました。

わたしがこれから2週間通う学校も、やはり高く大きく、がっしりとした造りをした建物の内部にあります。学校名を書いた垂れ幕が掲げてあるのが入り口で、学校は3階にあります。

エレベータもあったのですが、このときは歩いて階段を上りました。フランス語で「2階」と聞いて、「2階なら」と思ったのですが、フランスでもイタリア同様、日本で言う3階のことを2階と言うのです。
イタリアだと語学学校の前の呼び鈴を鳴らして、扉を開けてもらうので、この呼び鈴はどこかと、大きな扉の周囲を探していたら、東洋人らしき他の生徒さんが(あとで日本人の方と分かりました)、さっと扉を押して、すぐに中に入りました。扉には鍵がかかっておらず、手で押すだけで開いたわけです。逆に、朝慌てて家のある建物から出ようとしたわたしは、イタリアと違って、出口の扉のどこをつついても、扉がびくともしないので、ひどく慌てました。幸いすぐに若い女の子がやってきて、廊下の左手にあるスイッチを押しました。中から扉を開けるにも、スイッチを押して、扉を開ける必要があるとは驚きました。
クラス分けの試験を受ける生徒は、コーヒーなどの自動販売機の並ぶ休憩室で待つようにと言われて、広い休憩室に赴くと、びっくりするほどたくさんの人でいっぱいでした。全部で50人以上はいたのではないかと思います。8時15分過ぎから筆記試験が始まったのですが、試験はすべて選択肢で、文法の知識を問うものでした。並行して、何人かずつ生徒が呼び出され、口頭試験もありました。わたしの試験を担当したのは、若い二人の女の先生で、まずは、互いのあいさつや自己紹介。それから、なぜフランス語を勉強するのか、どのくらいフランス語を勉強したか、パリではどこに滞在しているのかなどを聞かれて、質問に答えました。これまで勉強したことを思い出しながら、そうして、イタリア人学生たちが、日本語が分からなくても、とにかくできるだけしゃべって得点を稼ごうとしていたその姿勢に学びながら、自分に都合のいいように話を運び、精一杯答えました。
この学校では、『外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠』で初級としている二つのレベル、A1とA2を、それぞれさらに二つか三つのレベルに、細分化しています。ゼロからスタートする人はA1-1、フランス語の勉強は始めたけれど、まだかじったばかりという人はA1-2といった具合に、生徒数が多いおかげもあって、初級コース一つとっても、それぞれのフランス語の力に応じて、進度別に5・6段階に分けて、クラスを設けています。おかげで、本当に自分のレベルに合った自分の授業を、ほぼ同じような学習進度のクラス仲間と共に受けることができます。
口頭試験ではA2-2に振り分けられ、先生方二人に、「2、3か月、本とCDで勉強しただけなの? Magnifique!」とほめていただいたのですが、その後、筆記試験を終え、その採点のあとで、実際に充てられたクラスは、A2 -1でした。『星の王子さま』を読んだり、イタリア人向けの入門書でかなりの量のフランス語の会話を聞いたり、学んだりはしたので、大ざっぱに理解したり、なんとか自分の意見を伝えることはできるけれど、文法の方はいまひとつだったということだと思います。実際、イタリアを発つ直前は、ひどく慌ただしくて、結局、複合過去は、イタリアの入門書でさっとさらい、『星の王子さま』でいくつもの実例に触れたものの、日本語の参考書で、みっちり勉強し、イタリアの練習問題集でさらに突き詰めることはできませんでした。
ちなみに、イタリア語ではQuadro Comune 、英語ではframeworkと呼ばれる、このヨーロッパ共通参照枠については、ペルージャとシエナの外国人大学で、イタリア語教授法を学ぶ課程に通っていた頃、多くの科目で取り上げられました。課題として、全文を読んだり、1章を要約して他の学生の前で発表したり、イタリア語ではそれぞれのレベルに相応する文法項目や語彙は何か、各レベルに対応するイタリア映画は何かを学んだり、それぞれのレベルの生徒を対象にした学習単元を作ったりした上、そういう科目の試験では、やはり共通参照枠について、こと細かく質問されました。そのとき、もともとの文書が英語とフランス語だけで作成され、これはインターネット上ですべて無料で見られるのですが、イタリア語版は、出版されたものを買うしかない上に、イタリア語の訳が、時に回りくどくて、原文の意をくめておらず、時にイタリア語として妙な文章になっているのだということが、よく問題になりました。それはさておき、今回は、フランス語を勉強中ということで、この共通参照枠における外国語のレベルを、フランス語版から引用して、ご紹介しておきます。
Les niveaux utilisés sont les six niveaux principaux déjà présentés au chapitre 3.
A1 (Breakthrough) : Niveau introductif ou découverte
A2 (Waystage) : Niveau intermédiaire ou de survie
B1 (Threshold) : Niveau seuil
B2 (Vantage) : Niveau avancé ou utilisateur indépendant
C1 (Effective Operational Proficiency) : Niveau autonome
C2 (Mastery) : Maîtrise.
« Apprentissage des langues et citoyenneté européenne »
UN CADRE EUROPÉEN COMMUN DE RÉFÉRENCE POUR LES LANGUES :
APPRENDRE, ENSEIGNER, ÉVALUER p.32からの引用
http://www.coe.int/t/dg4/linguistic/Source/Framework_FR.pdf
(各レベルの詳しい説明は、同文書の25ページにあります。)
わたしたちは、クラス分けの筆記試験をまだ終えていないのに、途中からとある学校の男性が、試験を終えた生徒に向かっておしゃべりを始めたので、試験に集中できずに苦労しました。ただ、自分も試験を終えて、耳を傾けていると、わたしの理解力でも聞いて分かるところは、冗談たっぷりでなかなか楽しかったです。冗談ばかり言うのは、イタリア人男性ばかりではないのだと……
「フランス人はね、1週間に1度しかシャワーを浴びないから、とても汗臭いんですよ。フランス人が食べるパンを知っていますか。そう、バゲット。買ったバゲットをどう運ぶかというと、脇下に挟むんですが、わきしたは汗をかいていて、臭うんですよね。だから汗の塩や脂がバゲットにしみこんで、これが独特の味わいにつながって……」
いよいよ入ったクラスの授業や顔ぶれは、ではどうだったか。今日は、授業のあと、頭痛がしたので、今まで部屋で休んで、こうして記事を書いていたのですが、せっかく晴れ間も見えるので、これからパリの町を散策してきます。皆さん、コメントと応援のポチをどうもありがとうございます! コメントのお返事が遅れていますが、できるだけ、記事そのもののコメントにも返事をし、皆さんのブログにもコメント返しをするつもりですので、しばらくお待ちくださいませ。


バルコニーから見える街並み素敵ですねぇ~
クラス分けのテストがあるのですかぁ。
これから楽しみがたくさんありますね。
シャワーも1週間に一度っておお~そりゃ、匂いそうですわ。
日本人はお風呂が大好きだから、シャワーでは物足りないでしょうかぁ。
お話楽しみにしています~

そうそう、ステイ先のワンちゃんはどうでしたか。写真には居ないようだから、外飼いなのかな。お返事は気になさらず、パリの生活をうんと楽しんでらして下さいね。

わたしがさすがというよりは、試験をする先生方の方が、わたしの返答を見て、答えられそうなことを聞いてくれたという感じです。そうそう、ワンちゃん、7歳、犬としてはかなりのお年寄りということもあって、人懐っこくて、ほえることはめったになく、何かと近寄ってきて、じっと見つめる瞳がかわいらしいです。ステイ先を、犬が理由で変えなくて本当によかったと思っています。
パリはアジア人も多いから、ベトナム料理なんかも楽しめますよ♪
すごいなぁ、2,3か月でもう話せるようになるなんて。
大学で2年やっても怪しかった私のフランス語に比べると雲泥の差だわ!
イタリアとの文化比較も楽しみにしています♪Amuse-toi bien!
パリのレストランは、国際色豊かですね! ただペルージャで日本料理を恋しく思いながら暮らしているわたしは、夕食はフランスの家庭で食べられるので、昼はもっぱら日本料理店で和食を食べております。いろんな和食が(ペルージャに比べて)安くおいしく食べられるというのも、わたしがパリに来たかった理由のひとつなのです。今日も、クラスメートの日本人の若い女の子と、おいしいおいしい昼食が食べられて、うれしかったです。
イタリア語と似ているおかげもあって、はったりをきかせやすいんですよね。外国暮らしが長いおかげ、そうして、日本語を外国語として教えているおかげで、自分が使える範囲の表現や文法でも、何とか意思を伝える技術には長けているのです。ありがとうございます♪ できるだけ楽しめるように頑張ります♪

早速、部屋からの景色ありがとうございます。モンマルトルの近くなんですね。昔行った時に丘に上る階段が大変だったのを思い出しましたが教会の前から見たパリの景色は良かったです。
違う時間に見るのもいいかもしれません。