2012年 07月 19日
緑のカステッルッチョ3
わたしたちがコーヒーを飲んだ、バール兼食料品店の前には、そのとき、こんなかわいらしい装いをしたスクーター、ランブレッタ(Lambretta)が、ちょこんと置かれていました。
地元の特産品を売る店がいくつもあるカステッルッチョ(Castelluccio di Norcia、1452m)で、この店で買い物をしたのにはわけがあります。
他のいろんな店にも聞いて回ったのですが、イタリアで野外での食事に欠かせないパンを売ってくれたのが、この店だけだったからです。カステッルッチョの村にはパン屋がないので、村の住民や店は、パン屋のある隣村までパンを買いに行かなければいけないのです。
前日は、カーナトラ渓谷まで、この道を車で進み、よさそうな場所を見つけて、テントを立てました。この日は、その同じ道を、車を駐車してある場所まで、歩いて行きました。
シルヴィアがうれしそうな表情をしているのは、道の右手に見える風景に感動したからです。シビッリーニ山脈(Monti Sibillini)の裾野に、高原、ピアン・ペルドゥート(Pian Perduto)が広がり、眼下に見える道路は、ウンブリア州のカステッルッチョ村から、お隣マルケ州の町、ヴィッソ(Visso)へと向かっています。
しばらく歩くと、今度は右手にカーナトラ渓谷(Valle Canatra)が現われました。車道なので、時々通る車に、気をつけながら歩いて行きます。ちなみに、前日の土曜日、カステッルッチョに着いたばかりのわたしたちが、テントを立てる場所を見つけようと、最初にカーナトラ渓谷を走ったのは、赤い矢印で示した道です。思ったより道が悪く、車高の高い夫の車でも通るのが大変だったので、びっくりしました。(前記事に載せた地図では、赤い点線で記されています。)
さらに歩くと、木陰で涼んでいる馬たちに出会いました。手前にいる馬が人なつこくて、わたしたちが緑の草などを差しのべると、うれしそうに食べていました。
途中、給水場に立ち寄り、冷たくておいしい水で、ペットボトルを満たしました。マヌエーラが足早に立ち去っているのは、うちの夫はこういう給水場や泉を見ると、近くにいる人に、冷たい水を投げかけるのが好きだからです。
車を停めていた場所(1486m)に、ようやく戻れたのは、午後1時16分のことでした。すぐにシートを広げ、パンを切り、おかずを取り出して、20分後には、昼食のしたくが整いました。
食べている途中、最初は向こうに小さく見えた羊の群れが、しだいに近づいて来ました。わたしたちの目の前で、羊たちが一斉に少しずつ移動しながら、一心に草を食べ、向こうへと去っていきました。
羊たちは、ひたすら草を食んでは、他の羊の後を追って足早に移動し、わたしたちには目もくれなかったのですが、
羊たちを見やりつつ、前後を走っていた番犬たちは、夫たちの招きに応じてやって来て、パン切れをうれしそうに食べ、しばらくそばでくつろいでいました。やがて姿を現した若い羊飼いは、「食べ物かワインはいかが」と言う誘いを断って、羊たちと共に先に進み、番犬たちも、まもなくその後を追いました。
昼食後は、午後2時半過ぎに、カステッルッチョを発ち、ヴィッソ(Visso)に向かう途中にある小さな村、カステルサンタンジェロ(Castelsantangelo)に立ち寄りました。
村の中心を、ネーラ川(Fiume Nera)が勢いよく流れています。すぐ近くにネーラ川の水源があると、村人から聞いたわたしたちは、バールで休憩したあと、車で水源へと向かいました。
こちらの給水場で、水源の水を飲むことができるのですが、水源とされているところは、道路の向こう側の看板に、矢印で示されたところにあります。
川沿いにかなり歩いたあとで、風情のある森林の中、岩の間から水が湧き出ているのかと思ったら、ネーラ川の水源(Sorgente del Nera)は、矢印の階段を下りてすぐのところにありました。水が地面から湧き出ているためか、川の生まれる場所はここと特定されているわけではなく、突き出した木の台の左手に見える、水の浅い部分が、水源なのだという看板が立っていました。
午後4時頃、遠いリミニへと戻る友人たちに別れを告げたあと、「他にも川の水源があるはずだ」と言う夫につき合って、しばらく他の水源を探したのですが、見つかりません。まもなくわたしたちも、ペルージャへの帰途につきました。
こちらは雨が降り雷がなっています、少し涼しくなるかしらぁ。
美しい景色を見ながら馬さんや羊さんに番犬さんにも会えて
素敵ですねぇ~
番犬さんも優しい労いを貰って嬉しかったでしょうね。
ワインやパンにソーセージのお味もこういう所でいただくと美味しさが
ちがいますね。
予期していないところで動物たちに出会えると、よけいにうれしいですよね。馬も犬も何だか人懐っこくて、かわいらしかったです。差し出したえさを喜んで食べていました。自然の中で食べると、確かにおいしさが違う気がします♪
カステルサンタンジェロは自宅からカステッルッチョへの道のりの途中にあり、マロスティカのように山肌に張り付くような城壁に興味をそそられてはいたものの、立ち寄ったことがありませんでした。次回はおいしいお水を味わいに行ってみようと思います!
大自然の中での食事ってこんなにもおいしいのだとイタリアに来て気づきました。日本での私の生活からは想像もできない経験をしていますが、物質的でない豊かさに心が少し元気になるような気がします。
わたしも日本に住んでいた頃は、こんなにしばしば山を歩いたり、庭の畑に野菜を収穫に行って、料理をしたりするとは思いませんでした。生活がずっと自然に密着していて、教わることやありがたいことがたくさんあります。最近はうちの畑で次から次へとズッキーニが採れるので、ちょっと一味変えて工夫しようと、ただいま豆腐・ニンジン・玉ネギ・ケッパーと共に、カレー風味で料理している最中です。なかなかおいしくできているようなのですが、だんなの評価はいかに?
最初のスクーター、いいですね。上りでのパワーが気になりますがかっこいいです。イタリアというとヴェスパのイメージですが気に入ってしまいました。
樹木の少ない丘陵地ですが放牧のためでしょうか?なだらかな山々がよりのどかさを際立たせていますね。
気温は何度くらいあったのですか?
こちらも山の見える風景が本当に良いですね。感動するでしょうね。
水の流れている場所とか、木陰は涼しそうですね。
羊の群れがやってくるなんて、日本ではなかなか無いですね。
凸d(^ー^)pochi!
樹木が少ないのは、平らな高原は耕作、丘陵地は放牧をしているからです。2日の間に、馬も牛も羊もみかけました。気温は…? 夜は冷たい風が吹くと寒いくらいだったので14度くらい、日中日の高いときは、それでもそれほど汗をかかなかったので、27度くらいではないかと思うのですが、わたしの推測気温です。
ありがとうございます。ふだん登り坂や険しい岩山でめげてしまいがちなわたしですが、今回のコースは、なだらかで見晴らしのいいコースが多かったので、散歩に慣れていない友人や、小さな子供も、楽しんで歩けたんですよ。
Lambretta かわいい〜!私もこういうバイクを見かけるとついつい写真撮ってしまいますよ〜。
ところでこういう山なら私も好きです。険しい山は疲れるというのではなく、視界が狭くなるのがどうしても苦手。閉じ込められた感じがしてダメなんですけど、写真の場所なら眺めもよいし、爽やかに歩けそう。ピエモンテとフランスの境にもそういう山があって、去年夫と登ってきましたが、楽しかったです。
こういう場所で自分たちで用意したゴハンを食べるのは、格別に美味しそうですね。みなさんの様子を見て思いました。
ピエモンテとフランスの間の国境を、去年から今年にかけて何度か通ったのですが、見晴らしもいいし、すてきな散歩コースもたくさんありますよね。salsiccia seccaにricotta cottaと、当地の特産物を買って、すぐに山の中で食べると、おいしかったです。