2012年 09月 10日
空に届く木々を訪ねて
写真は、わたしたちがこの日、最後に出会った大木、チャンコ・デル・ロンコの梨(Pero di Ronco del Cianco、下の地図中6)です。こんなふうに、空に届く木々の前には、その名前を書いた案内看板が立っています。
リミニの友人たちとは、サンタ・ソフィーア(Santa Sofia)の村で、落ち合いました。ペルージャを朝9時40分に出たものの、安いガソリンスタンドで順番を待ったり、アッペンニーニ山脈に入ってから、E45のあちこちで道路工事があったりして、ようやく村に到着できたのは、11時40分のことでした。昼食用のパンなどを購入し、散歩の出発地点へと車で向かいました。
目指す最初の大木には、車で進む途中に出会いました。道路の左手下方の急な斜面に立っていたので、大きさが分かりにくいのですが、ペルニアーイアのトルコオーク(Cerro della Perniaia、地図中1)です。
トレッキング・コースの出発地点は、地図にAで記した給水場、Fonte Miseria(770m)です。サンタ・ソフィーアからはかなり距離がある上に、道の悪い部分もあったので、この給水場に到着したのは、ようやく12半頃のことです。給水場の近くには、わたしたちが歩こうとしていたコースを、詳しく説明した看板がありました。上の写真は、この看板の地図を撮影したものです。
給水場の近くには、食事や休憩のできる屋根つきの椅子とテーブルがあり、薪をくべて火を起こし、料理ができる石釜も、料理台もあります。皆でさっそく昼食準備に取りかかりました。
海辺に住むリミニの友人たちが、魚やイカなど、新鮮な海の幸を買ってきてくれたので、山で魚を食べることとあいなりました。つけ合わせの野菜は、うちの畑で採れたカゴいっぱいのトマトたちです。
おいしい昼食のあとは、フランコの車は給水場(地図中A)に残し、夫の車で、B付近まで進みました。本当はもう少し先まで車で行きたかったのですが、あまりにも道が悪いので、この辺りに車を置きました。歩き始めてすぐに、次の大木、聖パオロのマンナトリネコ(地図中2)に、出会いました。
山道を登っていくと、秋咲きのシクラメン(ciclamino)が、ところどころに咲いています。
さらに進むと、こちらのブナの大木(地図中3)が、わたしたちを出迎えてくれました。
春に咲くクロッカスによく似ているけれども、秋に咲いて毒があるというイヌサフラン(colchico d’autunno)も、時々見かけました。クロッカスとの違いは、茎がとても長いことと、開花時に葉がまったくないこと、秋に咲くことだそうです。
このサン・パオロ・イン・アルペの牧草地を、尾根伝いに歩いたときは、右を見ても左を見ても、アッペンニーニ山脈の青い山並みが見晴らせて、眺めのすばらしさに感動しました。この付近には、樹齢数百年のポプラ(pioppo)が4本あり、その一つは、上の写真の右手に立つ大木です。木の左手にある山の頂(1028m)には、たくさんの馬がいます。このポプラの名は、Il Guardiano(地図中4)。見晴らしのいい高台にあるので、「番人」という名がついたのでしょう。
上の写真を撮った辺りで、道を左に曲がり、しばらく歩くと、古い教会の跡があり、その後ろに、残り三つのポプラの巨木(地図中5)が立っていました。
そして、この崩れかけた古い教会、Chiesa di San Paolo in Alpe(1009m)を見たとき、いつだったか、すでに夫と、この教会と牧草地を訪ねたことがあることに、気がつきました。夫はとうから、そのことに気づいていたようです。
教会でしばらく休んだあとは、ひたすら山道を下りました。
墓地に寄ったり、森の中で、おやつを食べて休憩したりしながら、長いながい坂道を下ると、せせらぎの優しい小川に出会いました。地図で見ると、標高は700mほどですから、も300m以上も下ったことになります。このとき、すでに午後6時を過ぎていて、皆、疲れを感じ始めていました。
この後は、まずは森の中の急な山道を登って、車道(地図中、黄色で記された道まで歩きました。車道では、昼食を食べた給水場(770m)を目指して、ゆるやかな坂道を、登って行きました。途中、昼に車で訪ねたトルコオーク(Cerro、地図中1)のそばを通りかかって、ゴールは近いと励まされ、ようやく給水場(地図中A)に到着したのは、午後6時半のことです。
それから、フランコの車で夫の車へと向かい、わたしとマヌエーラは、途中、車道と梨の大木(最初の写真)との分岐点で車を降りて、梨の大木を訪ねました。分岐点の看板には、「梨まで5分、トルコオークの大木まで20分」とあります。これまでは、木が道や看板の近くにあったので、車から降りれば、すぐに梨の木があると思っていたわたしは、疲れきっていたこともあって、フランコの車に乗ったまま、夫の車まで行かなかったことを後悔しました。5分の道とは言え、目の前に、長いながい登り坂が続いていたからです。マヌエーラがどんどん歩いて行くので、わたしも気を取り直して坂を上り、おかげで、梨の大木(最初の写真)に出会うことができました。
このあと、マヌエーラは、トルコオークの大木(Il Cerrone、地図中7)も訪ねたかったようですが、道が分かづらく、早く車道に戻らないと、車で給水場に戻る夫たちを待たせることになるからと、来たのとは別の道を下って、車道まで下りました。この後は、夕食においしいピアディーナを食べに行き、それから、この晩、宿泊することになっていたフランコたちの家に向かいました。
関連記事へのリンク / Link all’articolo correlato
- Croco(クロッカス) (26/3/2012)
↑ 春先のクロッカスたちの写真。イヌサフランと違って、茎の下に緑の葉があります。
Foto dei crochi. Diversamente dai colchichi d’autunno si fioriscono in
primavera e hanno foglie verdi sotto i fiori.
梨の大木って素晴らしいですね、こうして目的をもって歩かれるのは
いいなぁ~
シクラメンも自生してるのですね、自然に咲いたものは綺麗ですね。
下の記事の大勢のお食事最高ですねぇ~
こちらでのこういう機会は冠婚葬祭ですけど、最近は家では
しないので見ていてほのぼの~幸せ感が伝わります~
車や電車で長時間の移動をするのも、それだけでかなり疲れますよね。自分の足で歩いた方が、きれいな風景も見えるので、気分的には疲れが少ないかもしれません。自然っていいですよね。緑や大木たちが、エネルギーや心の安らぎで、いっぱいに満たしてくれました。
昼食会、どうなることかと思ったのですが、皆が協力して、着々と準備が整い、楽しいひとときとなりました♪