2012年 09月 18日
ひみつの散歩道
夫が、「今日はトラジメーノ湖に行きたい気分なんだ。」と言うので、島に行くフェリーの時刻表を調べました。余裕を持って家を出たはずが、ちょうどサッカーの試合が終わったところで、ひどい渋滞に巻き込まれ、トゥオーロの港に着いたときには、すでにフェリーは港を発っていました。
でも、そのおかげで、これまで歩いたことのない、トゥオーロの砂浜を散歩することができました。
浜辺には、こちらのCiao Ciaoというお店があります。いつも、バールとして利用しているのですが、昔むかし、夫が友人たちと、夜、このディスコに踊りに来ていた頃には、真夜中にくじの抽選会があって、1等の景品は、まるごとの生ハムだったそうです。
わたしの記事には、お気に入りのピザ屋や船の発つ港がある村としてばかり登場しがちなトゥオーロですが、実は、自然や教会、博物館を訪ねる観光コースに加えて、歴史散歩コースもあります。
と言うのも、かつてここでは、歴史に残る戦いが繰り広げられたからです。紀元前217年、ハンニバル率いるカルタゴ軍は、トラジメーノ湖畔の、このトゥオーロで、地形をたくみに利用して兵を配し、濃霧にも助けらて、フラミニウス率いるローマ軍に圧勝します。
そこで、トゥオーロには、この戦いの足跡をたどれる観光コースがあるのです。上の地図には、この歴史散歩コース、Percorso Storico-Archeologico della Battaglia del Trasimenoが、赤い線と赤い数字で記されています。たとえば、地図中2は、「ハンニバルの罠」(La trappola di Annibale)、6は、「(ローマ)執政官、フラミニウスの死」(La morte del console Flaminio)など、上に写真でご紹介したパンフレットにも、トラジメーノ湖畔に立つ観光案内看板にも、それぞれの場所に関する説明が、伊英仏独の4か国語で、ごく簡単にですが記されています。市では最近、この古代の湖畔の戦闘に関わる歴史資料を集めた、史料センターも設立しました。
一方、この日、わたしたちが歩いたのは、上の地図に、ピンクで記した道です。アステリスクの位置に車を停めて、湖に向かって歩いて行きました。
道は、ポプラ並木の傍らを、そして、浅くて広い池の傍らを、湖に向かって進んで行きます。近くの木に、ここに完成する予定の公園の工事計画概要が書かれています。計画には、今年5月完成とありますが、草がぼうぼうに生えていて、公園ができあがるには、まだ時間がかかりそうです。
右手には、姿を消そうとする夕日が見え、
左手では、池が、暮れなずむ空と木々を、きれいに映し出しています。
左前方の木々の後ろには、マッジョーレ島が見えています。
岬の端まで歩くと、夕焼け色の空と湖の間に、マッジョーレ島(Isola Maggiore)とミノーレ島(Isola Minore)が見えました。
右手の草を分け入って、別の砂浜に行くと、湖の西にあるカスティッリョーネ・デル・ラーゴ(Castiglione del Lago)が、きれいなピンク色に染まって見えました。
まだ外灯がまったくないこともあり、空と足元が暗くなる前にと、来た道を引き返します。
夫の車が見えてきました。このあとは、お気に入りのピザ屋で、夕食にピザを食べました。夏の間は、生地が乾燥しすぎて今ひとつだったのですが、もう涼しくなったからか、この日のピザはおいしかったです。
地図中に黄色で記されたところまでは、散歩やサイクリングのコースで、よく整備されているので、通る人も多いと思うのですが、今回わたしたちが歩いた道は、まだ整備中です。それでも、地元の人は何人か散歩をしていました。公園ができたら、にぎやかな道になってしまうかもしれないのですが、この日はほとんど人影もなく、空と湖が夕焼けにきれいに染まっていく中で、散歩を楽しむことができました。
関連記事へのリンク
- ローマ軍対ハンニバル、トラシメヌス湖畔の戦い / Battaglia del Trasimeno, l’esercito romano vs Annibale, Tuoro sul Trasimeno (19/8/2014)
古い古い歴史に彩られた街なんですねぇ~
こちらで見る夕焼けとはまた違いますねぇ、うっとりとする景色に
夕空素晴らしすぎますね。
紫色やピンク色茜色など何と美しいのでしょう~
どの場面をとっても神秘的で魅せられますわぁ。
いつも素晴らしい写真と説明をありがとうございます。
夕日も夕焼けも、同じ場所でも、見るたびに違う色合い、違った美しさを見せてくれますよね。ムームーさんが伝えてくださる琵琶湖の夕焼けも、いつも本当にきれいです。
夕日が海や湖を染め上げていく様子は、日本でもイタリアでも、本当にきれいですよね。ポチをありがとうございます!