2012年 09月 19日
にょきにょきサラダと血液検査
サラダ菜に隠れてよく見えないのですが、カボチャの花やナス、プチトマトも収穫しました。
さて、ここで問題です。このカゴの中には、サラダ菜がいくつあるでしょうか?
答えは一つです。この夏は、畑に行くと、こんなふうに、サラダ菜が上に向かって、どんどん伸びていき、サラダ菜というよりは、「サラダの木」のように見えました。義父母によると、暑すぎる日が続いたり、水分が足りなかったりすると、こんな不思議な育ち方をするそうです。ここまで育ってしまうと、下の葉は固くなりがちですが、上の方の小さい葉は、柔らかくておいしく食べられることも多いのです。
9月17日月曜日の朝は、かかりつけの医師の診療所を訪ねました。必要だった健康証明書を発行してもらうためだったのですが、ついでに血液検査と皮膚科の診療ができるように、手続きをしてもらいました。
イタリアの医療制度では、風邪やインフルエンザなどで、具合が悪いときは、かかりつけの医師に無料で見てもらえるので便利なのですが、公立病院や地域保健所での検査や診療、いつもの薬が必要な場合でも、いちいちこのかかりつけの医師を訪ねて、上の写真に見える赤で印刷された用紙に、必要な薬や検査・診療の内容などを書いてもらわなければいけないのが、めんどうです。まずは、かかりつけの医師の診療所の待合室で順番を待ち、医師にこの用紙を発行してもらい、それを持って、薬が必要なら薬局へ、検査や診療・治療が必要なら、保健所や公立病院内にある予約センター(CUP)に出向き、ここでも列に並んで、検査などが受けられる日を予約します。わたしの場合は、ありがたいことに、かかりつけの医師の診療所の階下にある薬局にCUPの受付窓口があるので、医師から用紙を受け取り次第、すぐに病院の予約を入れることができます。
ちなみに、血液・尿検査は9月28日、皮膚科の診療は11月2日に予約しました。11月2日より前には、空きがなかったからです。緊急ではない場合、イタリアでは希望してから実際の診療までに、2、3か月、あるいはそれ以上待たなければいけないこともあります。血液検査の方は、9月22日土曜日なら空きがあると言われたのですが、急がないので、週末を空けておくために、28日金曜の朝にしました。
諸事情で血液検査をしたことは、最近も何度かあったのですが、いわゆる健康診断のための血液検査をするのは、2006年9月以来です。そろそろ検査の必要があったとは言え、今回、検査を思い立ったのは、前回の検査時の数値に、実は問題があったことが、最近になって分かったからです。
前回の血液・尿検査の結果を、友人でもあるかかりつけの医師に見てもらったら、「健康にまったく問題なし」と言いながら、彼が注目した項目があります。それは、俗に善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールの数値です。イタリアでは100ml中40mg以上であればよいと、正常値に上限がないのですが、私の場合はこの数値が104mgで、「こんなにHDLコレステロールが高いのは、これまで見たことがない。」と、驚いていました。このときは、「値が高すぎるからと言って問題はまったくないから。」と言われ、安心していました。
それが、8月半ばのことです。ローマの友人たちがトスカーナで改築中の家を訪ね、友人夫婦は2階に、わたしたちは1階にテントを張って寝泊まりしたのですが、そのときに、何かの拍子にコレステロールの話題が出ました。わたしが、自分のべらぼうに高いHDLコレステロールの話をすると、この友人が、「あ、それは日本人独特なんだと聞いたことがあるよ。」と言うではありませんか。それが気になって、ペルージャに戻ってからインターネットで調べてみると、次のようなことが分かりました。
1.日本ではHDLコレステロールの標準値にも上限があること。
2.100mg/dl以上は、高HDL血症と呼ばれ、日本でも千人に一人。
3.従来は、長寿症候群と考えられていたが、最近になって、CETP欠損症ゆえの高HDL血症である場合もあることが分かってきた。コレステロールエステル転送蛋白(CETP)の遺伝的な欠損異常で、肝臓がHDLからコレステロールを回収できないために、血中にHDLがあふれるのだが、こういう例は、特に日本で多く見られる。また、その場合は、冠動脈疾患になりやすく、動脈硬化が進む可能性がある。
余分なコレステロールを肝臓に運んでくれるHDLが多いと安心していたのに、実は、それが、CETP欠損症によるもので、肝臓がHDLの運ぶコレステロールをはねつけるからかもしれない、それを知って、恐くなったのです。一人で食べるときは、できるだけごはんや和食にしようとしているものの、イタリアでの食生活は、日本に比べると、コレステロールが高くなりがちです。ただ、CETPの検査手段も高血圧症の治療法も、まだ確立していないので、結局は、「年に1度は血液検査をして、悪玉のLDLコレステロールの数値を見て、もしそれが標準値であれば、問題なかろう」とのことなので、安心しました。
というわけで、甘いものやこってりしたものは、とりあえず検査の結果を見るまでは避けなければと思いつつ、今朝もカボチャの花を摘んだので、これはやっぱり衣をつけて揚げるのがおいしいかなと、心が揺れるわたしであります。
*追記
2枚目の写真は、友人宅の隣家の2階のベランダに居並ぶ子猫たちを撮影したものです。そして、皮膚科の診療は、わたしの大きめのほくろを夫が心配して、悪性でないことを確かめるようにと言うからです。
それにしても私も、食材が揃いずらいや料理が楽などを理由に、こちらだとどうしても和食よりイタリアンが多くなってしまっています・・。でも、体のことを考えると断然に和食の方がいいのですよね~。それに私は毎晩ワインで晩酌だし(苦笑)
でも・・・カボチャの花の天ぷらは美味しいですよね(*^^*)
そちらでは検査や診察を受けるのに手順があるのですね。
乳腺外科では同じ所で診察も検査も採血もすみます、
薬も前の薬局だから今は楽になりました。
ホクロはすぐにわかるようですよ、娘も目の下に小さいのが
ありますが、心配はないらしいです。
なおこさんも検査と診察が終わればいいですね。
ネコちゃんがこんなに並んでる姿は見たことがありません、毛並みも綺麗ですね、可愛い~
今回のわたしのように、体は健康で、急ぐ必要がない場合はいいのですが、診療や検査を急ぐ必要があるのに数か月待たされたり、病気の人が、まずはかかりつけの医師のところへ、それから血液検査、診療、薬局へと、あちこちに足を運ばなければいけないのは大変で、病気の人に優しくない制度だなと思います。
ホクロは、実は以前にも一度診てもらって、「悪性ではなく、問題はないけれど、定期的に確認するように」と言われています。わたしはちっとも心配していないのですが、夫がうるさいので…… そのくせ、自分がしなければいけないはずの検査には、まだ行っていないんですよ。
かわいいですよね。こんなに子猫がいっせいに並んでいるところ、わたしも初めて見ました!
上に伸びていくサラダ菜も、ベランダの手すりに鈴なりの猫も初めて見ました!両方ともなかなか見られない光景ですね~。
私の義父も高血圧で薬を飲んでいるため、義母は「油と塩を控えている」と言うのですが、私にとってはこれでですか??という量です。
和食の塩分控えめ、なんてイタリア人にとっては味がしないのでしょうね・・・。
イタリアの診療制度は本当に病人にやさしくないといつも思います。具合が悪いのに、かかりつけ医、予約センター、薬局、検査機関と何度も足を運ばなければなりません。義母がしたマンモの予約が4年先だった時はとても驚きました!
なおこさんの血液検査とほくろ、問題ないといいですね!
Rianaさんのお宅もなんですね! 義父母も義弟夫婦も、みんな、高血圧で薬を飲んでいるくらいなのに、油と塩の量がはんぱではないので、心配しています。少しずつ減らしていけば慣れるとは思うのですが、長年続けてきた料理法や味、やっぱり変えるのは難しそうです。
半年後というのは聞いたことがあったのですが、4年先とはとんでもないですね! 日本のように、私立病院にかかっても、ちゃんと保険が効くようになれば、公私の競争で公立病院のサービスもよくなるし、そこまで待つこともなくなると思うのですが、お年寄りがますます増えていく中、何とか手続きを簡素化してほしいものです。
ありがとうございます。あんまり心配はしていないのですが、血液検査の方だけ、少し気になっています。