イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

聖フランチェスコの日に

 「愛されることよりも愛することを、理解されるよりも理解することを、慰められることよりも慰めることを求め」られるようであれたらと思うけれど、それは本当に難しい。「主よどうか、わたしがそういう人になれるようにお力添えください」という、美しい祈りの言葉の作者として、俗に考えられている聖人。(真実は異なるようです。)

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 初めてわたしがアッシジの聖フランチェスコ(San Francesco d'Assisi)を知ったのは、まだ日本に住んでいた頃、渡辺和子さんの著書に引用されていたこの祈りの言葉を通してだったのではないかと思います。

 そのわたしが、聖フランチェスコという人を知り、魅かれるようになったきっかけは、2000年8月のイタリア旅行中に、アッシジで見たこのミュージカルです。



 作品全体を貫く、人生への賛歌と、自然や弱いものを愛し、清貧と愛・信仰に目覚めて生きた、聖フランチェスコの人生に感動しました。

 終了後は、迷わず『Francesco – Il Musical』のCDを購入し、イタリア語の勉強も兼ねて、美しい音楽と歌を何度も何度も聞いて、励まされました。

「太陽が沈んで、すっかり闇に包まれたら、目を空に向けてごらん。
 空には月が昇り、丘は白く照らされている。
 日の光もやがて戻ってくる。
 コオロギが鳴かなくても、雄鶏が鳴き、
 そうして、新しい1日が訪れる。
 花にも枯れるときが来るけれども、
 そのときには、もう新しい芽が生まれているものだ。」
(「 」内は石井訳。この部分のイタリア語原詩は、下記リンク参照。)

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 それから3年後に出会って、やがて結婚することになった夫が、やはり聖フランチェスコをことさら慕っているのも、単なる偶然ではないかもしれません。聖人の出身地のあるアッシジ(Assisi)は、ペルージャから近いこともあり、ウンブリアには、イタリアの守護聖人である聖フランチェスコを敬愛する人は、他州に比べて多いのではないかと思いますが、それでも、義父母のように、結婚式に聖フランチェスコの記念日を選び、長男にはフランチェスコと名づけようと考えるほどの人は、少ないのではないかと思います。母方の祖父が亡くなったため、結局夫は亡き祖父の名を受け継ぐことになりましたが、夫の名前は三つあって、その一つはフランチェスコなのよと、義母が教えてくれました。

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 ひょっとしたら夫が自然を愛し、虫や動物に優しいのも、聖フランチェスコの影響かもしれません。出会った頃から、聖フランチェスコにゆかりの深い場所を訪ねる機会はしばしばあります。ラヴェルナ(La Verna)、アッシジ、サンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ、リーヴォトルト…… 聖人の足跡を訪ねて、2009年にはラヴェルナまで、2011年にはリエーティからローマまでの6日間の巡礼にも、夫や友人たちと共に参加しました。

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 今読んでいる伝記をきっかけに、再び訪ねてみたいと思っていたサン・ダミアーノ(San Damiano)の教会も、先日の土曜日に、ようやく訪ねることができました。

 今日、10月4日は、義父母の結婚記念日を祝って、ラヴェルナ旅行を贈り、ついでにわたしも、この聖人の祝祭日に、ラヴェルナを訪ねてみたいと思っていたのですが、義父母は、週末のピオ神父の教会への旅行準備で忙しく、わたしと夫も、改築中の家の床を仕上げる業者を決めるために、今日の午後は、あちこち回ることになりそうです。聖フランチェスコを記念するこの日に、謙虚で、慈愛にあふれる聖人に、少しでも近づけたらと、思うのでありました。

関連記事へのリンク
- 聖金曜日のラヴェルナ / Venerdì Santo alla Verna (22/4/2011)
↑ 冒頭に掲げた祈りの言葉のイタリア語全文とその日本語訳を載せています。
- メルマガ第68号 「歌~すべてが闇に包まれても、聖金曜日、復活祭とアッシジ」

参照リンク
- Amazon.co.jp - 渡辺和子著、『愛をこめて生きる – “今”との出逢いをたいせつに』(PHP文庫)
↑ 渡辺和子さんの著作は何冊も読んだのですが、最初に読んだのはこの本です。どの本も心に響き、励まされることが多いのですが、この本は他の著作に比べて、文が簡潔で、読書に慣れていない人でも読みやすかったように覚えています。かつて日本の高校で教えていた頃、高校生によく勧めていました。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2012-10-04 13:00 | Film, Libri & Musica