2012年 10月 07日
ウンブリア最古のオリーブ
幾世紀をも経て、今もどっしりと大地に根を下ろし、空に伸びる大木を見て、感動しました。
巨木を訪ねたのは、散歩の目的地だった聖大天使教会の境内にあった観光案内で、たまたまこの古木の存在を知ったからです。
9世紀の古い文献に、トレーヴィ(Trevi)最初の司教、エミリアーノが、ローマ帝国の迫害を受け、紀元304年に、トレーヴィ郊外の若いオリーブの木に縛りつけられ、斬首刑に処されて、殉教を遂げたと、記されています。文献が書き写された9世紀には、このオリーブの巨木こそ、聖エミリアーノが命を落とした若木だと考えられていて、巨木のある村、ボヴァーラ(Bovara)の住民は、以来ずっと、この巨木を、聖エミリアーノのオリーブ(L’Olivo di Sant’Emiliano)と呼んでいるのだそうです。
この大木へと続く小道の前には、説明の看板が立っているのですが、この看板によると、高さは5メートル。教会前にあった説明によると、木の円周は9.1メートル、葉の茂った部分の幅が8.2メートルということです。
幹が三つに分かれてしまっているため、樹齢を正確に知ることはできないのですが、うちにあるイタリアの巨木についての本を読むと、「樹齢が1700年という可能性は大いにある」とのことです。
小さく写った夫と比べると、このオリーブの木がいかに大きいかが、よくお分かりだと思います。
今も緑の葉が生い茂り、ごくわずかではありますが、実もちゃんとあります。ウンブリアでも、特に名高いオリーブオイルの産地、トレーヴィに、州最古のオリーブの木があるのは、偶然ではないのかもしれません。
下にリンクを載せているトレーヴィの町の観光案内のページにも、この聖エミリアーノのオリーブがあるからこそ、みごとな巨木への感嘆と聖人の記憶から、町の住民がオリーブの栽培に細心の注意を払い、トレーヴィのオリーブオイルが名を馳せるようになったと信じたいと書かれています。
丘の斜面に立つ美しいトレーヴィの町並みを時々遠くに見つけながら、広大なオリーブ畑の間を散歩したあと、この大きな大きな、そして古いオリーブの木に出会えて、うれしかったです。
関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 新オリーブオイル祭り、トレーヴィ / Festa dell'Olio Nuovo, Trevi (29/10/2011)
- ヨーロッパ最大のオリーブ / L’Olivo più grande d’Europa (18/10/2011)
素晴らしく立派なオリーブの木ですね。
見入ってしまいます。
秋になり、我が家のベランダのオリーブの木にも、実がなっています。
以前、テレビでオリーブの盆栽のことに触れていました。
数少ない実を鉢植えにして、試みてみようと思います。
どうなるか、年単位の楽しみです。
見事なオリーブの木ですね、これだけ大きく
なって色々な歴史を見て来たのでしょうね。
丘の上に建つ街並み素晴らしいですねぇ~
揃ってて綺麗ですねぇ~
素晴らしい写真をありがとうございます。
ベランダにオリーブの木があるなんて、すてきですね。オリーブの盆栽、イタリアでは時々見かけます。盆栽にしたら、どう育っていくのか、楽しみですね。
トレーヴィを始め、ウンブリアには丘の上に広がる石造りの美しい町が多いんですよ。
オリーブの老木、今でも実をつけるなんて凄い生命力ですね!
それにひきかえ我家のオリーブは、どうした訳か実がしわしわになってしまいました。最初は水不足かと思ったのですが、そうではなかったようです。 病気なのかしら? 今年こそ思い切って大剪定をしよう!!!
今年はうちのオリーブも、酷暑のためか水不足のためか、例年に比べて実がかなり少ないようです。剪定はやっぱり大切なようで、義父が例年、冬にかなり思い切った剪定をしています。来年はたくさん実をつけてくれるといいですね。