2012年 11月 05日
カボチャとシチューとぶつぶつ大王
夏は花のてんぷら、冬は実を楽しめる、ありがたいカボチャです。皮は薄いオレンジ色ですが、中身は日本のカボチャと同じ、あざやかな黄色をしています。
昼食時に、カボチャのポタージュにしようかなと思っていたら、ちょうどこの日、10月31日の昼には、義母が大きな鍋いっぱいのヒラマメのスープを作って、わたしと夫にも分けてくれました。夕食時にも、そのスープがまだ少しあっていた上に、前夜にわたしが作ったみそ汁も、少し残っていました。というわけで、汁物ざんまいを避けるために、カボチャのグラタンを作ることにしました。
今回も、クックパッドで見つけたmarimariキッチンさんのかぼちゃのクリーミーグラタンのレシピで作りました。前に一度作っておいしかったのを覚えていたからです。
インターネットで見つけたレシピは、特に何度も参考にしたいうようなものは、印刷して、ファイルに綴じてあります。ファイルには大ざっぱに、プリモ、セコンド(肉・魚・豆腐料理の順)、野菜の付け合せ(野菜の収穫時期順)、デザートといった順で、レシピを並べてあって、参考にしたいレシピが、できるだけ早く見つかるように工夫しています。そして、「次回からは塩分を控える」、「加熱時間を短くする」、「あまり口に合わなかった」、「大失敗」など、作ったときのメモや感想を、書き加えてあります。
ただ、今回は作り始めたあとになって、実は、以前に同じレシピを2枚印刷していて、それまで見ていなかったレシピの方に、super faticoso(意味は、「ひどく手間がかかって大変」)というメモがしてあったのに、気がつきました。
そんなに手間がかかったとは覚えていませんでした。なぜ手間がかかるのかと言うと、我が家には電子レンジがないので、元のレシピでは「レンジでチン」、2分・3分・5分加熱すればすむ作業に、時間も手間も、かなりかかるからです。
イタリアでは、電子レンジが健康に害があると考える人が、少なくともわたしの身の回りには多くて、夫もその一人ですし、台所には備えつけのオーブンがあるので、レンジはなしですませています。最初は、単なる迷信だろうと考えていたのですが、インターネットで調べてみると、どうも電子レンジを疑ってかかった方が賢明で、できれば使わないに越したことはないという結論に至りました。(下記リンク参照)
そこで、元のレシピでは、レンジで数分加熱すればいい材料を、わたしは、煮立てた牛乳の中に入れて、20~30分かけて、カボチャがゆでて、柔らかくなるまで、じっくりと煮ました。ただし、カボチャとタマネギは牛乳が沸騰してすぐに、小麦粉は、カボチャがゆで上がる直前に、入れました。そうして、火を止める直前に、フォークでつぶしたゆで卵を加えて、よく混ぜました。
夏は暑くて、苦痛でたまらない、火やオーブンを使う料理は、寒い冬は、作っている間も後も、部屋や体が温まるので、ありがたいのですが、それにしても、作るのに1時間以上かかってしまい、なかなか大変でした。和風でカボチャを煮込んでもよかったのですが、甘みを夫が嫌がるだろう、グラタンなら喜んでくれるはずと思ったのです。それが、できあがったグラタンを見て、開口一番、「ああまた、牛乳やバターを使うフランス料理か。」と、夫は食べる前から、いかにも嫌そうな顔をして言うのです。
日本では、だれかが作った料理の批判を、よっぽどひどい味でなければしないし、しても控えめにすると思うのですが、イタリアでは、招いた友人や食べた家族が、なかなかおいしくできているものでも、何か香草が足りないとか、自分の口に合わないとか、はっきり言うことが、よくあります。それには慣れていたものの、食べる前からこんなふうに言われて、わたしもムッとしました。そうして、一口食べてから、「あれ、おいしい。」と言うのです。以前にも、夫が喜んで食べたのを覚えていて、手間をかけて作ったというのに。
さらに、昨日のことです。秋の山は美しいし、友人たちに出会えたのはうれしいものの、霧が深く寒い山の道を下りたり、上ったりしながら、たくさん歩いたので、帰ったときには、すっかり疲れ果てていました。
イタリアには、天気に機嫌や体調まで左右される人がたまにいるのですが、うちの夫もその一人です。もともと、友人の前では穏やかな顔を保てることが多くても、身内の前ではかんしゃく持ちなのですが、季節の変わり目や、天気が崩れる頃は、特にそれがひどくなります。「坂道は、上るときには倍の時間がかかるから、帰りは、日が暮れる前に、早めに出発しなければ。」と言うと、「どうして何もかも先々まで考えて決めてしまおうとするんだ。」と爆発。帰りが遅くなったので、夕食はどこかの店で帰りがけに食べようかと話していたとき、「今日は寒い中を長い間歩いて、すっかり体が冷え込んだから、食べるんだったら、あったかいスープがいい。そう言えば、シエナでは、レストランのメニューに、スープ物がよくあるのに、アレッツォやペルージャでは見かけない気がする。」と言うと、「あちこち食べ歩いたわけじゃないから、そんなこと知るもんか。」だれも、知っているべきだなどとは言っていません。実は、おとといからずっとこんな調子です。
帰宅してすぐに、簡単に手早くできる根菜のみそ汁を作ろうと、料理を始めました。それが、いざジャガイモ、ニンジン、タマネギをゆで始めてから、たくさん歩いて疲れていたためか、急にこってりしたものが食べたくなりました。そこで、途中から、メニューをクリームシチューに変更しました。参考にしたのは、これまでにも何回も作っている(記事はこちら)、クックパッドのけゆあさんのルウなしで作る基本のクリームシチューのレシピです。
1時間ほどかかって、ようやくおいしいシチューができたのに、夫ときたら、「ああ、また、牛乳を使ったフランス料理! ぼくはイタリア風のもっとあっさりした料理が好きなのに。」と不平を言います。これが、本当に好みに合わないなら言いのですが、こちらは、夫が好きなのを覚えていて作っているのに、口もつけずに愚痴ばかり言うので、腹が立つのです。上の写真は、以前に作ったときのものです。今回は、牛の薄切り肉を使い、仕上げにカレー粉を少々加えてカレー風味にしたので、シチューの色が少し黄色くなりました。一口食べたあとは、「とてもおいしい。」と喜ぶ夫であります。
翌朝は、わたしが朝食に、残ったシチューを平らげました。夫は、「あれ、ぼくも食べたかったのに。」と言ったのですが、かろうじて一人分しか残っていなかったのです。「フランス風の牛乳を入れる料理は好きじゃないって言ったでしょう。」と言うと、「あれ、そんなこと言った? おいしいって言ったじゃない。」と答えておりました。
ペルージャではこれから、天気の崩れやすい日が続きそうで、夫の機嫌も崩れやすいと思うと、気が重いのですが、根はいい人だし、夫のおかげで、こんなすてきな秋の風景にも出会えるので、まあよしとしましょう。こちらの人は、夫に限らず、言うだけ言って、後はけろっとしている場合が多いのです。まじめに相手にすると、自己防衛に入って、反撃がひどいのですが、こっちが平静であれば、かえって反省して謝ってくるようだと、最近、対処法が分かってきました。
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Bosco d'autunno & piatti caldi
Sono buoni i piatti caldi quando è freddo. Poi usando il forno, si scalda anche l'ambiente.
Ieri dopo qualche ora di passeggiata, finalmente siamo riusciti ad incontrare i nostri amici!
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参照リンク
- ナターシャ・タイムズ – 電子レンジで「チン」は健康に悪いというのは、本当ですか?
「こちらの人は、夫に限らず、言うだけ言って、後はけろっとしている場合が多いのです」に大納得!本当に、私は未だに言われると反撃してしまうことが多く、反省の日々。あらゆる物事に対し「流す」という行為がめちゃくちゃ苦手なので訓練しなくては、と思っております(笑)
カボチャのグラタン、クリームシチュー、とっても美味しそう!!
寒い冬には温まって最高ですよね。
かぼちゃのグラタン、そしてシチュー、美味しそうですね~!
昨日あたりから急に冷え込んできたので、温かいものが美味しい季節になってきました。レシピのリンクもありがとうございます。
ブログを拝見して思うのですが、撮影された写真、本当に癒されます。この前のネコの写真もそうですし、山の中、少し霧がかかった感じが本当に『身体に良さそう』という感じさえ受けます。
電子レンジのお話ですが、うちの夫も、あまり電子レンジを使いたがりません。できるだけ、お鍋等で温め直す、という方法を好みます。
迷信かと思っていたのですが、根拠があったのですね!
寒いときは、温かいものがおいしいですよね! シチューはおいしくて、うれしかったです♪ オーブンや鍋物は、料理していて、部屋や体が温まるのも魅力です。今晩は、りえさんとたけしさんに会って、しばらくおしゃべりしました。しばらくお忙しそうですが、また皆で会える日を楽しみにしています。
http://cuoreverde.exblog.jp/16335027/
バーモンドカレーの甘口が好きな人なら、本当においしくできるレシピです。
霧がかかると、寒さが身にしみるのですが、霧に覆われた秋の森は、風情があって、きれいですよね。最後のキノコの写真、何だかキノコが、ポーズを取ったモデルみたいでかわいらしくて、思わず撮ってしまいました。
ライラさんのだんなさんもなんですね! ひょっとしたら、日本ではあまり電子レンジの害が言われないのは、日本では家電産業が力を持っているからかもしれませんね。最初は不便だと思っていたのですが、今はなくてよかったと思います。便利なので、あると、ついつい使ってしまいそうで。
私だったら、そんな事を言われたら「確かに言ったね?今、ああまたって嫌がったね?じゃあ、どんなに後でおいしいって言っても、もう食べさせてあげないから!」と言って、味見用にデミタスカップ一杯分しかあげず、あとはパンを齧らせるかも・・・きっと。
電子レンジ、お古を貰ったのですが、私も滅多に使いません。風味が消えてしまうのです。
でも、ふふふ、なるほど、カップ一杯だけ味見させたら、以後は反省して、態度を改めるかもしれませんね。まあ、次の日の朝は、わたし一人でシチューを食べ終えてしまいましたけれども。「分かった? ぶつぶつ文句ばかり言うと、どういうことになるか?」 きっとまた、同じようなことは繰り返されるのでしょうが。
操縦法の会得、なるほど、そういう考え方もできるのですね!! お互いに仲よくやっていくコツと申しましょうか。掌中を泳ぐクロちゃんも、ある意味、大人なのだと思います。登山グループで同行される老若の乙女も、うまく指揮にのせて、一緒に波に乗っていらっしゃるようですし♪
レンジ加熱は風味が失われるというのも、正直私の舌にはよくわからなくて、私の場合は鍋ごと煮返し過ぎてクタクタにしてしまうことも多々あるから、それよりはと一人分を皿に取ってレンジにかけることもあります。でも余裕がある時は、蒸篭で温めますよ(^ ^)…あくまで気持の問題ですが、なんとなくホッコリします。
ところで高齢の伯母は電子レンジが必需品らしく、冷凍食材を小分けしては温めているみたいです。ホームもオール電化ですし…今さら害の話なんて伯母には関係ないだろうし、本人が一番良いようにしたらいい、と思っています。
おはようございます。
詠みながらあれ、なおこさんもこういうことがあるのねって
親しみがわきましたわぁ。
カボチャのグラタンは美味しいですよねぇ~
季節や気温の変化でご機嫌も変わるのはこちら日本でも
同じですわぁ。
夫は何でも食べますけど、頑固になりましたね、病気もそうですが、年齢が73歳になってから余計にですの、余分な事は言わないように
していますが、時々腹が立ちますわ。
イタリアでは、日本に比べて、オーブンを使う回数が多いので、あえて電子レンジの必要を感じないということもあるかもしれません。たいていの家では、すでに作った料理を温めるには、残り物の入ったお皿や鍋にふたをして、それを少量の水が入った鍋の上に載せ、この鍋の水を沸騰させ、そのまましばらく置いて、その蒸気で温めます。こうして温める方法をbagnomariaと言います。時間はかかりますが、ちゃんと全体に熱がわたって、温かくなるんですよ。
人生を長い間生きてきて、自分はこう思う、こうなんだという考えができあがっているのでしょうね。他人が違う意見や、自分の意には添わない感想を言っても、ただ、すぐにはねつけたり、腹を立てたりせずに、そういう考えもあるんだと受け容れられるようでいたいなと、思います。わたし自身も夫に言わせると、頭が固いそうではあるのですが。時々、本当に腹が立ちますよね。まあ、こちらが気づかずに嫌な思いをさせることもあるので、お互いさまなのでしょうが。
うちの義母も、自分が冷凍した、あるいは業者から買った冷凍食品を時々利用していますが、オーブンで温めたり、フライパンや鍋を使っています。伯母さまは、長年の習慣で、ご本人がそれで快適に生活されているんですよね。そういう可能性もあるんだと知りつつ、後は個人が信じるように選択することかと思います。煙草の健康への害は明らかだと分かっていても、煙草を吸い続ける人も、いるわけですもの。
自分の精神衛生上、できるだけ「ああ、またね。」とさらっと流した方が、お互いのためにも、いい気がしました。造り直したばかりの屋根が雨漏りしたり、ストレスがかなりたまっているのも、分かりますし……
困ったチャンのご主人ですね!
naokoさんに甘えているのでは?
天気が崩れる時に機嫌が悪くなると分かっているのですから、とにかくムキにならない、対等に渡り合わない、まあ心穏やかに乗り切って下さい。(それが人間だから難しい)
「低気圧と不機嫌の関係について」いろいろな視点から考察、観察して論文が書けそうな分野だとはおもいませんか???
くだらないか~? スイマセン!
アルベルトも友達やお客さんの前ではとっても柔らかいですが、
家族の前では全然違いますよ~(笑)
更に一番下のキノコの写真からの内容全部が夫と私にあまりにもピッタリ当てはまって笑えてしまいました(^^;)
そうそう、反撃すると自己防衛に入ってその後がスゴイ(笑)
言うだけ言ったらケロッとしていて何事もなかったかのようにいつも通りに戻って(笑)私は割と引きずる方なので直ぐに仲良くはできないのですが、そうすると、「Masamiは直ぐに気を損ねる」などと言ったり(苦笑)
でも、悪いと思っているのか、アルベルトも最終的には誤ってきますね!本当に出来るだけ気にしないで平静を保つのが一番ですよね~。
(時にこれは中々難しいですが(笑))
これからの季節、どうかご主人様の機嫌があまり悪くならないことを祈っていますね!なおこさん、頑張って下さいね!!!
うちも、相手はすぐにけろっとするのに、わたしがいつまでも後を引いて、それでまた相手が不機嫌になることもあります。平静を保つのは難しいのですが、相手に飲まれない方が、結果としては自分も楽だと分かっているので、少しずつそれが習慣になればと願っています。
最近、ペルージャでは天気がいいからか、週末の行いを反省したからか、今のところは機嫌のいい夫です。お互いに頑張りましょう!
このブログで紹介してくださったシチュー、早速昨日作ってみたんですが、とっても美味しかったです!!!夫はシチューを知らなかったみたいで、『何これ、美味しい!!』と大絶賛でした。身体が温まります。
近いうちに、カレーにも挑戦してみたいと思います。
一言、お礼が言いたくてコメントさせて頂きました。
では、また。
実はうちにも電子レンジがありません!いまの台所の造りだと、よい置き場所が無いのが難点なので、買わずにいたら結婚8年経ちました。無いなら無いで、結構それで大丈夫ですしね〜。
あ、喧嘩のお話ですが、うちも食べ物が原因で大喧嘩したことあります。その時は1日半口を聞きませんでした(私が夫を徹底的に無視)。そんなに怒ったところを見せたことがなかったので、相当不味いことをしたと思ったようで謝ってきましたが、その時に「作ってくれた人に文句をいうことは許せません。リスペクトが無い!」ということをコンコンと言い渡しました。けれど一応それ以来私も夫の好みに沿った上で健康面も考えた献立をするようにしましたが、それでも夫には「テーブルに並べられたものは、一口ずつでもイイから食べること」「初めてのメニューで見た目が気に入らなくても食べてから文句をいうこと」を規則にしました(学校かっ)。以来、自宅でのご飯は平和です(笑)。
さすがくまさんはお役人だけあって、規則と言われると守ろうとされる方なのだと思うのですが、うちの夫は規則や拘束を嫌がり、警告のある知らない山道でも、一人でわき道に逸れたりする人です。旅行でも、わたしは行く前にできるだけ行き先や宿を決めたいのに、夫は縛られずに、自由にあちこち移動をしたがるんですよ。そのくせ、実際に現地で、宿がなかなか見つからなかったり、見つかったのがひどい宿だったりすると、機嫌が悪くなるのは夫の方なのでありますが。
うちの夫はカラブリア出身なのでやはりこういった料理は抵抗があるようです。もちろん今は食べます、大好きですが最初はバターや牛乳がどうこう言っていたのを覚えていて、「イタリア人ってほんとトマトソースばっかだな」って思った記憶がありますよ(笑
レシピのアイディア、いいですねー。そうしてファイリングしておけばつかえそう。でも私、変なところでデジタル人間で、わざわざプリントアウトしてもまたネットに頼る、プリント見ないこと度々あるんです(笑 ヘンですよねー。
それにしてもグラタンおいしそー。うちもかぼちゃあるからやってみようかな♪
Naviaさんのだんなさんも、牛乳やバターを使った料理には、難色を示すんですね! 日本では、洋食とひとくくりにしてしまいがちですが、隣国のフランスとイタリアでも、これだけ料理の仕方や好みに違いがあるというのは、おもしろいですね。イタリアは、統一からまだ150年ですから、各地域でも料理にかなり個性がありますし。そうそう、うちの義母の料理を見ていても、カボチャでもピーマンでも、トマトと一緒に料理をすることが多いので、本当に、イタリア料理では、トマトをよく使うなと思います。
わたしは逆に、何かをするとき手元に紙があった方が安心できるので、疑問に思ったらすぐレシピを見て、分量や材料を変更したところや、作ったときの感想などを、紙に書き込んでいきます。カボチャのグラタン、レンジなしだと手間と時間がかかりますが、ほかほか温かくておいしいですよ♪