2012年 11月 13日
トルコロも栗の香り

思いつきで作ったのですが、なかなかおいしくできて、お義母さんも、「おいしい。わたし、栗が好きだから、うれしいいわ。」と、喜んでくれました。

朝食用にと、ウンブリア伝統のリングケーキ、トルコロ(torcolo)を作るのは、最近は、わたしの役目です。
素朴な飽きのこない味がおいしくて、夫は、この「母の味」の伝統的なレシピのトルコロが大好きです。ただ、わたしは、チョコレートが好きなので、カカオを加えたり(下記リンク参照)、レモンの代わりにオレンジを使ったり(不思議とカステラに似た味になります)、リンゴの季節なので、リンゴを入れたりと、時には、基本のレシピを少しアレンジして、いろいろな風味のトルコロを作っています。たまに、新しいレシピでケーキやビスケットを作って、失敗することがあるのですが、このトルコロの卵・砂糖・小麦粉の分量は、頼れる強い味方で、これにリンゴやオレンジを加えたり、カカオを加えたりしても、おいしく香ばしいケーキに、きちんと焼き上がってくれます。

今回、マロン風味のトルコロを焼くことにしたのは、夫が、パンナコッタに添えるマロンソース(下記リンク参照)を作るために、買ってきたラム酒とマロンクリーム、マロングラッセが残っていたからです。昨日、ケーキを作るときに、せっかくだから、残ったこういう品を作って、マロン風味のケーキにしようと、思いつきました。そこで、参考までにレシピを調べてみると、卵・砂糖・小麦粉の配分はさまざまであるものの、これに栗クリーム、そして、なぜか同量の50mlのラム酒を加えて、作るレシピがいくつか見つかりました。ただ、わたしは、失敗のないトルコロの配分とレシピを基本にして、作ることにしました。

材料のうち、伝統的なトルコロと同じなのは、卵3個、砂糖ヨーグルト容器(1杯125g)2杯分、薄力粉ヨーグルト容器4杯分、オリーブオイルヨーグルト容器半分、ベーキングパウダー1袋、型用無塩バター・薄力粉ともに適量です。今回の生地には、レモンのすりおろした皮や果汁の代わりにマロンクリーム、牛乳の代わりにラム酒50mlを加えました。わたしは、瓶に残ったマロンクリームが半分弱、160gほどだったので、それを加えただけですが、他のレシピによると、瓶ごと、360gをそのまま使うと、よりしっかりと栗の味のきいたケーキができそうです。

さらに、マロングラッセを200g使いました。そのうち半分は、細かく砕いて、ボウルから型に入れる移し入れる直前の生地の中に入れて、よくかき混ぜ、

残りの半分弱は、ケーキの表面を飾ろうと、型に移し入れたあとの生地の上に載せました。このとき、ひょっとしたら、オーブンで焼き上げる途中に、マロングラッセが、ふくれあがる生地に、飲み込まれて隠れてしまうかもしれないという気持ちはあったのです。それで、マロングラッセは、このままでも食べられるのだから、ある程度、ケーキが盛り上がり、表面が固まりかける直前に、生地をオーブンから取り出して、上に載せようかなとも、考えました。でも、結局は、焼いている途中の生地を、オーブンから出すことに抵抗を感じたので、最初からマロングラッセを、生地の上に置くことにしました。
結果的には、上の写真でお分かりのように、表面には、マロングラッセがごく一部しか顔をのぞかせていません。中に入れた分も、つぶが大きすぎたものは、皆、生地の底に沈んでしまっています。ただ、マロンクリームが少ないこともあって、生地自体の栗の風味はほのかなので、生地の中の大粒のマロンは口にうれしいし、沈んでしまったものの、マロンがあるところが、線を描いて、ちょっとした模様になっています。上に、少し残ったマロングラッセを載せてみたら、見かけもなかなかよろしいかと思います。

上の写真は、10月の散歩中に見つけて、拾った栗たちです。(記事はこちら)このとき、夫たちは、「小さい栗(castagna)ばかりで、マロン(marrone)がないなあ。」と言いながら、拾っていました。イタリアでは、こんなふうに、こういう小ぶりの栗をcastagna、栗の中でも特においしいとされる種の、実が大きいものをmarroneと呼んで、この二つを呼び分けます。今回、トルコロに加えたのは、マロンクリームにせよ、マロングラッセにせよ、イタリア語・フランス語で、marrone, marronと書かれているので、正確に言うと、マロン風味のトルコロなのですが、マロンも栗の一種ですし、わたしにとっては、栗の方が、言葉として、目にも口にも心にもずっとなじみ、想起するイメージも思いも多いので、この記事では、マロンという言葉と栗という言葉が、混在しています。ご了承くださいませ。
日曜にはパンナコッタ、今週初めはこのケーキで、季節の栗の風味を、満喫しています。やたら自分で作るものだから、デザートの採点が辛い夫も、今回は、素直においしいと言ってくれました。
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Torcolo ai marroni
Riuscito bene e piaciuto anche a mio marito e mia suocera!
Ieri l'ho fatta modificando un po' la ricetta di torcolo e utilizzando il rum, marron glacè e crema di marroni avanzati (li ha comprati mio marito per la pannacotta).
Ingredienti & procedimenti come torcolo ma rum 50ml al posto di latte, crema di marroni 160g (-360g a piacere) al posto di succo e buccia grattugiata di limone. Poi aggiungere i marron glacè spezzettati sia dentro che sopra l'impasto, dopo anche sopra la torta già cotta. Ne ho usato circa 200g in totale.
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- トルコロは母の味 / Torcolo, dolce tipico perugino (30/10/2010)
↑ ボウル一つで簡単においしくできます。作り方を、写真と共に詳しく説明。
- 甘い誘惑 / Torcolo al cacao (15/12/2011)
↑ カカオ入り、チョコレート風味のトルコロのレシピあり。
- パンナコッタ栗風味 / Pannacotta con marron glacé & salsa di castagne (12/11/2012)



そうそう、ダンナのノンナがいる山は栗だらけで最初の方は
喜んで栗拾いしてましたが、このマローネとカスターニャの違いが分からず
”カスターにゃばっかり・・・”とノンナにがっかりされた苦い思い出があります。
ちがいを昔説明してもらったのですが、私もダンナもうまく見分けられず・・・
あと、レシピがヨーグルト容器ってのがおばあちゃんのレシピですよね。
うちのノンナのschiaccata alla fiorentinaのレシピを教えてもらいましたが
こちらは全部大匙・・・でも量りを出さなくていいから楽でいいですよね♪
うちではレシピがヨーグルト容器、ボウルはサラダボウルで、何でも、何か特別な道具ではなく、身近にあるものを使います。いちいち量りに載せる必要がないのは、とっても便利ですよね♪

トルコラですが、ウンブリアのケーキなんですね!
素朴でと~っても美味しそう♪
ワンボールでできるのも嬉しいので、ぜひ作ってみたいです(^^)
ところで、イタリアのケーキ作りの時はよく、「癖のないオリーブオイル」と指定があったりすのですが、トルコラの場合はどんなオリーブオイルが良いですか?
それと、型の大きさを教えていただけると嬉しいです~♪
(色々と質問ばかりでゴメンナサイね^^)
型は、今測ってみたら、リング型でも(ケーキの一番大きい円周が)、ホール型でも、直径が25cmでした。