2012年 11月 26日
霧のアッシジ
上の写真では、左端の丘の上に要塞、Rocca Maggioreが、右端に聖フランチェスコ大聖堂(Basilica di San Francesco)が見えているのですが、大聖堂の下半分は、すっかり白い霧に包まれています。
この写真は、アッシジの町を、リーヴォトルトから撮影したものです。リーヴォトルトには、聖フランチェスコが最初の仲間たちと共に清貧と祈りの日々を過ごした小さな家を記念して、後世に建てられた教会があります。写真の左端に、赤い矢印で示しているのが、聖フランチェスコ大聖堂です。昨日は、ちょうどこの矢印の高さまで、アッシジを取り囲む平野が、すっかり霧に覆われていました。
最近は、ペルージャでも、朝晩は霧に包まれ、霧が去っても曇り空という天気が続いていたのですが、昨日は久しぶりに晴天でした。それで、大家族での昼食のあと、暖かい日差しの下を散歩しようと出発しました。
それが、まだペルージャをそれほど離れぬうちに、前方の景色がすっかり白い霧に包まれているのが見え、すぐに広いひろい霧の中に突入しました。そうして、あとは、時々晴れ間も見えるものの、ひたすら霧の中を進んでいきました。
散歩をしたかった場所が分からず、間違った道を進んでしまったのですが、おかげで車が山道を登って、霧の層から抜け出すことができました。眼下に白い霧の海が広がって、本当にきれいです。
小高いなだらかな丘は、海に向かって伸びる半島に見え、遠くに連なる山並みは、島のようです。アッシジの町と丘の上に立つ要塞も、遠くに小さく見えています。
その後、再び山道を下って、霧の中に入り、途中で人に道を尋ねて、ようやく目的地に到着することができました。このサンタ・クローチェ教会が、わたしたちが昨日歩こうと考えていた聖フランチェスコの森(Bosco di San Francesco)の入り口になっています。アッシジの聖フランチェスコ大聖堂の山すそに広がる森林を、FAI(イタリア環境財団)が数年にわたって修復し、散歩道を整備して、今年2月から、この聖フランチェスコの森が、一般に公開され、人々が、散歩できるようになりました。
残念ながら、秋と冬は閉場が早く、わたしたちが着いたときには、もう森には入れませんでした。
それでも、教会の前に建つ12世紀の古い水車小屋や
教会の前にかかる美しい橋を見ることができました。晴れていれば、この辺りからも見えるはずの聖フランチェスコ大聖堂が、この日は、深い霧で見えませんでした。聖フランチェスコの森の散歩では、アッシジの大聖堂側から、森を通って、この水車小屋やサンタ・クローチェ教会まで歩く人が多いそうです。
閉場時間を過ぎていたため、森の散歩道は歩けなかったのですが、このサンタ・クローチェ橋の上の道は車道になっていて、教会の前を通って、聖フランチェスコ大聖堂まで、続いていると聞きました。そこで、車道を歩いて、大聖堂まで歩くことにしました。
わたしたちが歩いていた車道の下方に、森の散歩道が見えました。
手前の石の上に、CAI(イタリア山岳クラブ)の赤と白の線、少し先の岩の上には黄色いタウ(tau)の道しるべがありますから、この車道は、CAIのトレッキングコースであり、かつ、聖フランチェスコの足跡を慕って歩く巡礼の道でもあります。道端の木の葉の赤や黄を愛でながら、坂道を上って行きます。
ようやく霧の世界の外に出て、霧の上にたたずむ大聖堂を見ることができたのは、歩き始めてから、約20分後のことでした。
アッシジの城門の一つ、聖ジャコモ(ヤコブ)門から、町の中心街に入ります。この門の名前を見て、またサンティアーゴ・デ・コンポステーラ(サンティアーゴはスペイン語で「聖ヤコブ」)に誘われているような気がしました。
聖フランチェスコ大聖堂は、下半分が白い霧に包まれ、その後方には、霧の海が広がっています。夕日に染まるアッシジの町は美しく、初めて歩いた聖ジャコモ門周辺の町並みもすてきでした。
名残は惜しかったのですが、もう日が暮れようとしていたため、暗くなる前に、駐車場に戻ろうと、散歩は短めに切り上げて、来た道を引き返しました。再び霧の中に入る前に、夕焼け空の下、山々の間に広がる白い霧を見ることができました。
再びサンタ・クローチェ橋を渡り、ようやく車まで戻ったのは、午後5時過ぎのことでした。
********************************************************************************************************************************
AssisiI sul mare di nebbia
Bellissima la città di Assisi e la pianura umbra coperto dalla nebbia ... dentro la nebbia ci si vede male, ma se si esce dalla nebbia, i paesaggi e i panorami sono spettacolari.
Suggestiva anche la Basilica di San Francesco sopra un mare immenso di nebbia e sotto il cielo colorato dal tramonto.
Volevamo visitare il Bosco di San Francesco. Purtroppo, era già chiuso quando ci siamo arrivati ieri dopo pranzo, perciò abbiamo camminato per la strada dall'ingresso del bosco fino alla Basilica.
********************************************************************************************************************************
関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- リーヴォトルト、清貧の日々 / Santuario di Rivotorto, Assisi (25/4/2012)
- サンティアーゴが呼んでいる? / Ci chiama Santiago? (26/9/2011)
霧の中に浮かぶ山の風景・・・・こういう風景も良いですね。
霧のなかに浮かぶような建物も、不思議な感じがしますね。
凸d(^ー^)pochi!
おはようございます。
何と美しい霧の世界が幻想的に広がっているのでしょうかぁ、
神秘的ですね、霧が海のようにも見えますね。
大聖堂にアッシジの街並みに遺跡のような堅固な建物群
見とれています~
いつも知らない世界を見せて頂けて嬉しいです。
なおこさんの感性で写された数々の作品ですわぁ~
霧のアッシジ、聖フランチェスコ大聖堂、荘厳な空気が漂っていますね! 以前、霧の中の美しい教会の絵葉書をアッシジで買った記憶が、、、 霧の季節はいつまで続くのですか?
前の記事のBoに関してですが、私の友人は同意した時に、Bon、Bon(ボン、ボン)と言いますが、聞き間違えでしょうか?
Buon、Buonがボン、ボンと聞こえるのでしょうか?
「ボンボンは日本語では若旦那のことだよ」なんて説明したのを覚えているのですが、、、あぁ、naokoさんの記事とはちょっと関係なかったかな。。。
イタリア人にも、英語やフランス語、ドイツ語であいさつやお礼を言ったりする人がたまにいるので、それかもしれないし、場所にもよりますが、buonoを方言でbonoという地域も多いので、その語末の-oが落ちたのかもしれませんね。状況や住む場所や本人の話し方の癖や好みにもよるので、何とも言いがたいのですが……