イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

本を贈ろう

 クリスマスです。わたしも夫も、本を読むのが好きなので、読書を愛する子に育ってほしい、感受性と想像力が豊かで、自分の頭できちんと考える大人に育ってほしいと、本を贈ることにしました。そうして、昨日ペルージャ郊外の大きなおおきな書店で、うれしいほどたくさん並ぶ児童書の中に、物語も装丁もイラストもうってつけの本を見つけて、購入しました。

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 小学校5年生の妹娘に選んだのは、『Classisi illustrati per ragazze』、題を訳すと、「女の子のためのイラストつき世界名作集」です。姪たちもアニメで知っている『ハイジ』や、まもなく翻案アニメ映画が上映される『オズの魔法使い』も、収録されています。一つひとつの作品は、かなり短くなっていますが、その分、話の展開が早く、すべてのページに、色つきのきれいなイラストがあるので、これなら飽きずに、楽しんで読めるだろうと考えて、選びました。絵が多いので、姪よりも小さいお子さんに買って、一緒に絵を見ながら、読み聞かせることもできると思います。

 一方、中学校1年生の姉娘には、この『Piccole donne』、日本では『若草物語』の題で知られる名作を選びました。このシリーズは、どの本も装丁とイラストがよくて、『赤毛のアン』もありました。わたし自身が一番夢中になって読んだのは、『赤毛のアン』ですが、このシリーズでは、『若草物語』の方が、イラストがきれいです。それに、『若草物語』なら、主人公の姉妹が4人いるので、感情移入できる登場人物が一人は見つかるだろうし、話の展開が早いので、飽きやすい姪にはいいだろうと、こちらを選びました。わたしが小5で角川文庫のアンシリーズを読むことができたのは、すでに読書好きで、アニメで見たアンに魅かれていたからです。でも、『赤毛のアン』は、自然の描写やアンのセリフがかなり長いときがあるので、そういう部分で姪が飽きて、読むのを投げ出しては困るなと考えました。

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 常々、姪たちに本を贈りたいと思いながら、これまでは、数年前に、絵のとても美しいクリスマスのしかけ絵本を1度贈ったきりになっていました。誕生日やクリスマスのたびに、あちこちの書店の児童書コーナーに行ったものの、表紙の絵が今ひとつだったり、イラストがなかったり少なかったりで、これはと思うものが見つからず、結局は、喜んでもらえるのが確実な、おもちゃや衣服、ハローキティー商品などを選んでいたからです。

 それが今回、ペルージャ郊外にあるこの大きな書店、その名もLibreria Grandeに出かけると、児童文学の世界の名作コーナーがとても充実していました。たとえば、『若草物語』も、さまざまな出版社のいろいろなシリーズの本が並んでいて、その中から、活字の大きさや装丁、イラストなどを見比べて、選ぶことができました。児童文学だけではなく、大人用の本も品揃えが豊富で、本や文房具以外にも、おもちゃやお菓子、ジャムの詰め合わせ、クリスマスをテーマにした飾りや置き物など、贈り物にふさわしい商品もたくさん並んでいます。店内に置かれた椅子に座って、本を読むこともできます。書店のホームページには、写真が豊富で、こういう店内の様子が分かるようになっています。ペルージャからE45 でアッシジ方面に向かうと、大型スーパー、Ipercoopのすぐ手前にあります。機会があれば、ぜひ訪ねてみてください。

  Libreria Grande
  Via della Valtiera 229 L/P
  Ponte San Giovanni (PG)
  tel 075 396343
  sito http://www.libreriagrande.it/

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Luminarie natalizie del centro di Perugia 20/12/2012

 帰りは、ペルージャの中心街に立ち寄りました。

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Mercatini di Natale Rocca Paolina, Perugia 20/12/2012

 じっくりと姪たちの心に語りかけ、二人の心を読書にいざなう贈り物をと考えて、本を選んだのですが、やはり、受け取って、うれしいと思えるものも添えてやろうと、パオリーナ要塞(下記リンク参照)のクリスマス市に出かけました。たけしさんの奥さん、あゆみさん手作りの、フクシアの花を思わせるピアスがかわいらしくて、姪たちの好きな色のものを、それぞれ選んで購入しました。

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 要塞の中には、こんなふうに花盛りの木々をかたどった、すてきな照明や置き物など、他にも興味深い品々が、たくさん並んでいました。

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 クリスマスのイルミネーションに彩られて美しい目抜き通りを歩きながら、駐車場に向かいます。

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 坂道を下っていたら、かわいらしい折り紙のペンギンでいっぱいの、こんな空間も見つけました。

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Regaliamo i libri, soprattutto ai bambin
i, in modo che possano imparare ad amare la lettura, trovare conforti, amici, modelli, insegnamenti e emozioni in libri, e sviluppare la sensibilità, l'immaginazione e la capacità di pensare, ragionare. In Giappone insegnando nelle scuole superiori, ho imparato che tanti ragazzi amanti dei libri sono diventati così, perché i loro genitori glieli leggevano da quando erano ancora piccoli.
Da anni volevamo regalare i libri alle nostre nipotine, però alla fine compravamo spesso qualcosa che loro volevano, anche perché non trovavamo edizioni buone da regalare. Invece, ieri in una grandissima libreria abbiamo trovato tante belle edizioni dei libri classici per i ragazzi e finalmente potremo regalare i libri che possano nutrire il piacere della lettura. Speriamo che gli piacciano.
Belle le illuminazioni natalizie del centro di Perugia. Siamo andati alla Rocca Paolina per trovare qualche regalino carino da aggiungere ai libri. C'erano tanti oggetti carini e curiosi.
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- たそがれのタワーブリッジ / Tower Bridge, London (5/12/2011)
↑ 後半に読書の大切さと、読書の習慣は子供の頃に培う必要があることについて書いています。
- ペルージャ中心街 名所めぐり1 / Passeggiata nel centro di Perugia 1 (13/1/2012)
↑ パオリーナ要塞(1540-1543)の歴史と説明あり / Foto della Rocca Paolina

LINK
- Amazon.it – “Classisi illustrati per ragazze” (Usborne Publishing)
- Amazon.it – “Piccole donne” (Mondadori)
- Libreria Grande - HOME

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by KEIKO at 2012-12-22 01:29
なおこさんこんばんは!

姪御さん達はきっと、優しいおじさま、おばさまが大好きでしょうね。クリスマスのプレゼントに本を撰んで下さったお二人の気持ちはきっと彼女たちにも伝わると思いますよ。でも、本が好きな子供に育てるっていうのは、とても大事なことだと私も思います。

本のプレゼント、良いですね。私は甥の子供達(男の子です)に、毎月1冊づつ、落合恵子さんの児童書籍専門店「クレヨンハウス」から送ってもらっていました。自分で選択するのが本来は1番良いんでしょうが、偏ってしまう危険性もありますからね。

最近、日本ではちょっとした百科事典ブームです。本屋さんの入り口の一番目立つところに、百科事典が、ど~んと場所をとっています。子供よりも、若い女性が買っているという事ですが・・・・・人間と比較したり、DVDを付けたり。(例えば、モグラの泳ぐ姿とか)今までの百科事典とはちがって、おもしろいですよ。
Commented by Masami at 2012-12-22 02:36
読書の贈り物はいいですね~!サラも小学校に入り少しずつですが自分で本を読むようになってきたのでなおこさんお勧めの『Classisi illustrati per ragazze』は気になりました!この辺りでも是非探してみたいです♪ そしてペルージャのクリスマスイルミネーションは綺麗ですね~。そぞろ歩くだけでもロマンティックな気分になれそうですね(笑)

↓ ご主人様が指揮を取って作られたセルペントーネ、力作ですね~。
ペルージャの伝統菓子とはいつか食べてみたいです(^^)
Commented by milletti_naoko at 2012-12-22 05:34
けいこさん、こんばんは。毎月の本の贈り物、すてきですね。おいごさんも楽しみにしていることでしょう。最近書かれた新しい児童書もたくさん並んでいたのですが、やっぱり確かな良書をと、世界の児童文学の名作の中から選びました。日本ではよく見かけたのに、イタリアでは見かけたり、その逆だったりする作品があって、おもしろかったです。

日本に今百科事典ブームがあるとは思いもしませんでした!
Commented by milletti_naoko at 2012-12-22 05:53
まさみさん、こんばんは。実は姪たちには、アニメの『赤毛のアン』の第1話を見る途中に退屈されたことがあります。最近のアニメやテレビ番組は、じっくりと話の中に引き込むのではなくて、次々に何かが起こり、視覚的に関心を引いたり、何かの感情を引き起こしたりするものが多いので、そのためかなとも思います。まずは童話、それから、こういう少し長めの児童文学作品というのが、発達の順序を追った読書ではないかと思いますが、もしグリムやアンデルセンなどの童話を、サラちゃんがすでに読んだり聞いたりしているのであれば、こういう少し長めの話でも、問題ないかと思います。

セルペントーネ、機会があれば、ぜひ食べてくださいね! レシピは家や店によって違うのですが、アーモンドが香ばしい素朴な味で、おいしいですよ! 今年はクリスマスに、パネットーネではなくて、手作りのやや小さ目のセルペントーネを贈ろうと、今日はアーモンドなどの材料を購入しました。というわけで、明日は朝からセルペントーネ作り、それから親戚宅回りです。頑張ります!
Commented by クロちゃん at 2012-12-22 09:04
なおこさん、おはようございます。♪
色々と考えられた心のこもった贈り物、d(-。∂)good!!です。
クリスマスですね~。
日本でもみんな笑顔になる日です。(^^)/
Commented by fusello at 2012-12-22 15:29
naokoさん、こんにちは♪
本の贈り物、素敵ですね。フクシアのピアスまで添えて、、、
なんて優しい心配りなんでしょう!
私が小学生の頃にはよく伝記物を読んでいました。キュリー夫人とかエジソン、歴史上の有名人物などなど。

前の記事のセルペントーネ、可愛いお菓子に仕上がりましたね♪
日本で蛇は何となく忌み嫌われている印象を受けますがイタリアでは幸運を呼ぶ存在なのでしょうか?
以前サンセポルクロのレース学校で蛇をデザインしたレースを織った事があります。やはり蛇は愛すべき小動物名のですね、イタリアでは。

2週間前に引越しをしました。
買い替えに7ヶ月もかかってしまいました。
naokoさん宅は、買い替えの心配もないようなので羨ましいです。買い替えの煩わしさと引越しのドタバタで抜け殻(大袈裟)状態の私ですが今年中には決着をつけて新年を迎えたいと思っております。

Commented by milletti_naoko at 2012-12-22 18:29
クロちゃん、こんにちは。本自体は内容もイラストも魅力たっぷりなので、あとはどうか姪たちが気に入ってくれますようにと祈っています。
日本でもみなが笑顔になれる日、いいですね♪
Commented by milletti_naoko at 2012-12-22 18:36
fuselloさん、ありがとうございます。長い目で見て、真にためになるものを贈りたいけれど、やっぱりせっかくのクリスマスだから、受け取ってうれしいものをと、いろいろ考えてみました。伝記もいいですよね。今回は、初の大きな本ということで、児童文学名作の古典を選びました。

蛇の形にデザートを作って食べるというのは、おもしろいですよね。イタリアでも、聖書の創世記でアダムとイブに道をはずさせたということで、忌み嫌われてはいるのですが、だからこそ食べてしまうということもあれば、記事にも書いたように、年のめぐりを蛇の円形で表しているということでもあるのではないかと思います。

引越は何かと考えることも、することも多くて大変ですよね。日本でも、幼い頃からずっと引越を繰り返し、ペルージャでも今の家に落ち着くまでは、いえ、それからも何度も引越をしたので、想像がつきます。お疲れさまです。どうかすべてうまく片づいて、穏やかな気持ちで新年をお迎えになることができますように。住み替えというと、頭に芭蕉の『奥の細道』の冒頭文が思い浮かびます。雛祭りにはまだ早いのですけれども。
by milletti_naoko | 2012-12-21 10:56 | Film, Libri & Musica | Comments(8)