イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

レンガも芸術

 1月19日日曜日、朝ミジャーナに向かうと、オリーブの枝も葉もすべて強風になびいて、木が踊っているように見えました。

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19/1/2013 11.12

 冬に吹きすさぶ風とは言え、幸い南風なので、湿気と共に、温かい空気も運んできます。

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 夫が作業にいそしんでいる間、わたしは、初めて自分の目で、床に敷かれたレンガを見て、写真で撮影しました。部屋の用途によって、レンガの敷き方も変えてあります。寝室やトイレのレンガは、こんなふうにレンガをすべて同じ向きに、1行おきに段違いに、並べてあります。こういう配置の仕方をa correreというそうです。correreは「走る」という意味の動詞です。

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 一方、台所の床では、レンガがこんなふうに、入り口のドアから、入る人を奥へと導く矢印のように、敷かれています。この配置は、spina di pesce(魚の骨)。レンガの配置が、魚の小骨が、背骨から斜め後方に向かって、両側に延びている様子に似ているので、なるほどなと思います。

 四方の壁に沿って、細長く一列に並べられたレンガたちが、額縁のように、魚の骨模様に置かれたレンガを、囲んでいます。

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 こちらの部屋では、レンガが線路のように配置されています。こういう並べ方は、家畜小屋に多く見られたものなのだそうです。

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 夫が苦労して、半分に切断したレンガたちも、廊下をきれいに飾っています。どこを見ても、一つひとつの床が、レンガを敷きつめて、きれいに造り上げた芸術作品のようでした。

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Danza degli Olivi & Arte dei Mattoni 19/1/2013

Contro il gelo, il vento e l'umidità mio marito ha fatto un lavoretto domenica mattina.
Bellissimi mattoni & pavimenti, creati e decorati con maestria.
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- 大雨と雪とレンガと / Costruzione di pavimenti

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ムームー at 2013-01-23 08:32 x
なおこさん
おはようございます。
レンガの敷き方によってお部屋の雰囲気が
変わり素敵ですねぇ。
出来上がって行く様子を見るのは喜びに
なりますね。
いつも優しい言葉をかけて下さって嬉しいです。
抗がん剤も今のところ副作用もなくすぎています。
Commented by KEIKO at 2013-01-23 09:46 x
なおこさん、おはようございます。

見事な煉瓦の敷き方に、思わず見入ってしまいました。さすがイタリア、芸術の国です!!

旦那様と、職人さん達の努力の成果ですね。煉瓦敷きひとつにも、これだけの技と時間をかけて作り上げていくのですね~イタリア人は自宅をとても大事にして、いつも部屋が綺麗に保てるように時間をかける・・・と、どなたかが書かれていましたが、本当にそうだろうなあと、納得できました。早く全体の完成して姿を拝見したいです。楽しみです!!

Commented by fusello at 2013-01-23 11:52
naokoさん、こんにちは。
レンガにもいろいろな並べ方があるのですね。そして呼び名も。
レンガの濃淡も美しくまさに芸術ですね♪
モザイク好きの私はどうしても小さいレンガの方に目がいってしまいます。ご主人制作の廊下がいちばん好きかな♪
新居のどこかにステンドグラスも素敵ですがモザイクを入れてみては如何でしょう。naokoさんとご主人の合作で、表札とかどうかしら?
はぁぁ自分の家でもないのに夢が膨らむ私です。
Commented by milletti_naoko at 2013-01-23 16:50
ムームーさん、レンガの店の方が、部屋の用途に応じて、レンガの敷き方を変えよう、台所は「魚の骨」がいいと助言をくれました。寝室は、夫はもう少し変化のある配置をしたかったようですが、わたしが、この方が、木の床を連想させるし、落ち着いた気持ちで眠れそうな気がするということで、業者の助言どおりに敷きました。ただ、最後の写真では、夫の希望どおり、業者が助言した配置に比べて、90度回転させた形で、レンガが並んでいます。伝統に従いながら、少しずつ自分たちの好みや希望も取り入れて、きれいな床ができあがって、うれしいです。

ムームーさん、いろいろ大変なことも多いと思いますが、同じ病を乗り越えて克服されたムームーさんが、そばにいてくれて、だんなさまも心強いことと思いますよ。休めるときに、お体を休めてくださいね。
Commented by milletti_naoko at 2013-01-23 16:55
けいこさん、おはようございます。わたしも、これまであまり意識していなかったのですが、レンガの店やパンフレットで、部屋の用途や好みによって、いろいろな並べ方があるのを知って、びっくりしました。レンガ自体も、店によって、あるいは同じ店でも、使う土や焼き方、色が違うので、いろいろな店を回りながら興味深かったです。

資金不足で、とりあえずは2階だけを仕上げる予定なのですが、まもなくドアや窓もできるそうで、少しずつできあがっていく家を見るのは、大変ですが、楽しみです。
Commented by milletti_naoko at 2013-01-23 16:59
Fuselloさん、おはようございます。薪をくべて焼く釜でレンガを焼くと、火からの距離に応じて、同じときに同じ工場で焼いたレンガでも、黄色っぽいものから赤いものまで、色の濃淡に差があるので、仕上がった色に変化があります。こういう色合いの異なるレンガを、その色の違いを活かして、美しく、床を創り上げてくれました。

モザイクもすてきですよね。トイレの壁や床で、何か工夫ができないかとは考えています。Fuselloさんほど、芸術家のセンスや技術があればいいのですが。
Commented by クロちゃん at 2013-01-23 19:58 x
なおこさん、こんばんは♪
なるほど!w(゚o゚)w
木が踊っているようにみえまーす。
自然の中では笛・太鼓より風の音色がリズムをとりますね。
そして、レンガの並べ方もなるほどーと思いました。(^^)/
Commented by milletti_naoko at 2013-01-23 20:54
クロちゃん、こんにちは♪ ひどい暴風が吹きつけている中、オリーブの枝と葉が、髪やたてがみのように、風になびいて、踊っているように見えました。吹きすさぶ風とその音に、自然の強さを感じました。柳に雪折れなしと言いますが、オリーブも枝が柔らかいので、これだけ強い風が降っても、そうしてかなり重い雪が積もっても、しっかりと持ちこたえていました。

レンガ屋さん回りを始めた頃から、イタリアでいろんな館やお城を訪ねるたびに、レンガの色や形、並べ方を気にするようになりました。それぞれ工夫が凝らしてあり、違いもあって、なかなかおもしろいです。
Commented by oliva16 at 2013-01-25 20:59
素敵ですね…落ち着いた色合い。私は以前、イタリアからレンガを輸入して日本の建造物に売り込もうと試みている人のお手伝いでパンフレットなどを訳したことがあります。結局はこの景気でそんな手の込んだことをしようとするお客さんは見つからず、この試みは消えてしまったようです…。
それにしても根気のいる作業ですね。時間に対する感覚、住まいに対する感覚が、イタリアの人と現代の日本人では違うような気がします。もちろん十把ひとからげには語れませんが。日本だと、「そんなことは業者に任せて」となってしまいそう。でも自分たちの手でひとつひとつ、生活空間を作り上げていくというのはとても丁寧な生き方ですね。
Commented by milletti_naoko at 2013-01-25 23:18
Olivaさん、レンガ一つにしても、また同じような工程で造り上げているにしても、業者によって、仕上がりにも原材料にもかなりあることを、ウンブリア各地に散らばっているレンガ業者めぐりをしながら、つくづく感じました。イタリアでは、レンガははるか古代ローマ時代の昔から建築に取り入れられていて、だからこそ、レンガの文化があり、こだわりもあるのだと思います。

この家は、自然公園に近いために、ウンブリアの田園・山岳地域に、古くから伝わる材料や色、建築様式に従って建てなければいけないと、ペルージャ市の側からの規制も多く、さらに、コンクリートの外壁を取り除いたら、でてきた石の壁が美しかったので、経費や懐と相談しながら、できるだけよいものをと考えて、改築を進めています。建築業者がさっと造り上げて、希望者に売るような住宅の方が、イタリアでも多いと思いますよ。改築には本当に、時間と費用がかかり、神経も磨耗します。それだけに、何かがうまくできたとき、思うように仕上がったときは、本当にうれしいです。
by milletti_naoko | 2013-01-22 22:14 | Altro | Comments(10)