2013年 02月 03日
ピザを食せず世を去りぬ
テレビで筆者のインタビューを見て、これはよさそうだと思って買ったまま、読まぬまま月日だけが流れていった本が何冊もあるのですが、これもその1冊です。積読が続いていたのですが、昨夜読み始めたら、これが、とても興味深いのです。
まずは冒頭から、読者の心に新鮮な衝撃を与え、興味を引きます。
"I miei nonnni non avrebbero mai mangiato una pizza. Non soltanto hanno chiuso gli occhi senza mangiarla; non l’avrebbero mai mangiata, per quanto verso la fine della loro vita, nel centro di Alba, quasi sottocasa, una famiglia di immigrati dal Sud avesse aperto una (ottima) pizzeria, con i tavolini fuori."
「私の祖父母は、一度たりとも、ピザを食べたことがなかったであろう。単に、ピザを食べることのないまま、この世を去ったというのではない。祖父母の晩年に、アルバの中心街、家から目と鼻の先に、南部から移民としてやって来た一家が、テーブルを店の外に並べ、極上のピザ屋を開いたのに、それでも、決して食べることはなかったであろうということだ。」(「 」内は石井訳)
アルバ(Alba)は、白トリュフ(tartufo bianco)で有名な、イタリア北部、ピエモンテ州の町です。筆者によると、差別心からではなく、イタリア南部を、自分たちとはまったくの別世界、異なる慣習を持つものととらえていたからで、たとえば、外で、道を歩く人の目に触れるところで食べるという行為さえ、祖父母には考えられなかったのだということです。そうして、筆者自身も、21歳で生まれて初めて、男性どうしが顔を寄せ合い、頬にキスしてあいさつするのを目にして、衝撃を受けます。それは南部の青年たちで、ピエモンテでは当時、男性どうしでは、たとえ幼なじみや親友でも、そういうあいさつをする習慣がなかったからです。
筆者の祖父が、この『パルティジャーノ、ジョニー』の作者、ベッペ・フェノッリョの父が営む店に、12歳で見習いとして働き始めたとき、まだ幼いベッペが、店から近所の幼稚園に行くとき、同伴するのも、おじいさんの仕事だったというのも、おもしろい。
そうして、今では、筆者のおじいさんの世代とは世が変わり、アルバにも、いくつもピザ屋が軒を並べ、テーブルの並んだ戸外で食べる店も多く、白トリュフが載ったピザさえ売られている……
あんまり興味深いので、もっと早く読み始めなかったのが残念です。可能な日には、1日に10ページ読むことを自分に課して、176ページあるので、2月中に読み終えることができればと思っています。
Ieri ho cominciato a leggere questo libro. Molto interessante!
関連記事へのリンク
- イタリアの今・未来
↑ この本を読み終えての感想と本の内容の要約です。
LINK
- Amazon.it – “L’Italia de noantri. Come siamo diventati tutti meridionali” (Aldo Cazzullo)
久しぶりにアツアツのピザが食べたくなりましたー。
本は色んなことを学ばせてくれますね。
私の愛読書は山のガイドブックになっていますが…。(*^_^*)
今日は節分であちこちで花火があがっていました。(^^)/
同じ国でも地域によってい色々なことが違うのですね。
興味深いですねぇ~
ピザのいい香りがしてきそうですわ、食べたくなりました~
いつも温かい言葉をかけて下さって励みに
なっています~♪
ムームーさんも、ピザがお好きなんですね! こちらこそ、ムームーさんたちのお姿に教えていただくことが多いです。