2013年 02月 16日
聖なる渓谷を訪ねて

2月14日の午後には、雪の山を歩いて、聖フランチェスコのブナを訪ねました。聖フランチェスコが、森を歩いていて、嵐に遭い、この木の下で雨風をしのいでいたら、ブナが聖人を嵐から守ろうと、枝を折り曲げて傘のようにつつみこんだという伝説があるので、こう呼ばれています。

美しく、みごとな巨木にあいさつしてから、雪山を下りました。聖なる渓谷が、茜色に染まっています。この日の晩は、聖フランチェスコが1208年に、初めて町を訪ねたときに、「こんにちは、いい人たち。」(Buongiorno Buona gente!)とあいさつをし、

若かりし日の過ちが許されたことを悟ったというポッジョ・ブストーネに宿泊し、翌朝は、町の高みに建つ聖ジャーコモ修道院を訪れました。

それから、山の高みにある小さな教会を目指して、修道院の後方にそびえる山を、ひたすら登りました。この教会は、聖フランチェスコが、しばしば訪ねては、祈りと改悛の時を過ごした聖なる洞窟(Sacro Speco)を包むようにして、建てられたものです。

この日の午後は、さらに南に向かい、晩年の聖フランチェスコが、目の手術を待ち受けて、過ごした場所、フォレスタ教会を訪ねました。聖フランチェスコが、ここで「Cantico delle Creature」のすべて、あるいは一部を作ったとする学者も多いそうです。

この日の最後に訪ねたのは、フォンテコロンボ修道院です。聖フランチェスコが修道会の規則の決定稿を口述し、病んだ目の手術を受けた場所なのですが、聖人にゆかりの、こうした肝心な場所を訪ねたかったのに、扉が閉まっていたため、翌朝、つまり、今日、2月16日の朝にも、再び足を運びました。

聖なる渓谷の旅のしめくくりは、グレッチョです。聖フランチェスコが、キリスト誕生の場面を再現し、最初のプレゼーペ(presepe)を実現したと言われる場所です。聖フランチェスコが眠ったという岩屋もあるグレッチョ修道院を訪ねたあと、ペルージャへの帰途につき、午後5時頃、うちに戻りました。

聖なる渓谷は、聖フランチェスコの人生にゆかりの深い地であるだけではなく、自然もとても美しい場所で、山を歩きながら、クロッカス(croco)やスミレ(violetta)の花に出会い、春の訪れは近いと感じることもできました。
夫が有給休暇を取って、バレンタインに二人で旅行をしようと、夫が考えてくれたおかげで、また一つ、すてきな思い出が増えました。
関連記事へのリンク
- 聖フランチェスコとCantico delle Creature
- イタリアのクリスマス ~ プレゼーペとクリスマスソング


素晴らしい景色を見ながら聖人の歩みを感じるって
素敵ですね。
険しい道にもほっとさせてくれるお花が出迎えて
くれますね。
自然に咲くお花は色も形も見事ですわぁ。
いつもありがとうございます。
聖なる渓谷は初めて聞きましたが、
聖フランチェスコにゆかりのある場所なのですね~。
雪の渓谷がまたとても風情があっていいですね!
最初の写真の聖フランチェスコのブナ、これは本当に見事ですね♪
いつまでも続く上り道は厳しいのですが、本当に、時々出会えた花に励まされました。こちらこそ、いつもありがとうございます♪
Valle Santaと呼ばれる渓谷は、実はラヴェルナの周囲にもあって、そちらは時々訪ねることがあるのですが、今回は、本格的に、リエーティ周辺の聖なる渓谷を訪ねることができてうれしかったです。2年前だったか、夫が友人たちと一緒に、このあたりの修道院を巡礼で訪ねていて、写真を見て、いつかわたしも行きたいなと思っていたのです。聖フランチェスコのブナ、枝ぶりが、日本の盆栽のように、紅葉のようにみごとで、けれども、こういう形に庭師が仕立てたのではなく、自然の姿なのだということに、感動しました♪