イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

牛乳神話とカール・ルイス

 カルシウム摂取や骨の増強に役立つと言われる牛乳や乳製品が、摂りすぎると逆に骨をもろくし、他の病気を引き起こす。今朝、さまざまな研究結果を踏まえて、こう訴える記事を読んで、びっくりしました。記事へのリンクは以下のとおりです。

- Il Fattaccio – L’IMMENSA BALLA DEL FABBISOGNO DI CALCIO +video

 この記事によると、

・牛乳に含まれているカルシウムは、骨に沈殿して、骨の構造を、硬直した、ひどくもろいものにする。
・比較的吸収が難しく、過剰になりがちな牛乳のカルシウムは、体内の柔らかい組織や靭帯、心臓などに蓄積され、そうした組織・器官の、本来あってはならない石灰化を引き起こす。
・アメリカ合衆国、イスラエル、オランダ、フィンランドなど、乳製品を最も多く消費する国で、骨折の発生率が最も高い。

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Monti Sibillini 12/5/2012

また、

・100gの牛乳に含有されるカルシウムは、同量の人間の母乳に含まれるカルシウムの4倍もあり、人間にとってはカルシウムの含有率が過剰である。
・胃酸過多の薬としての、炭酸カルシウムの利用の増加に伴って、1990年には2パーセント未満だった高カルシウム血症による入院が、1993年には12パーセントになった。
・早めに症状を発見できれば、高カルシウム血症は治療できるが、人は、関節炎や腎臓の恒久的な損傷といった副作用の可能性をいっさい考慮せずに、炭酸カルシウムが主成分の胃酸過多を抑える薬を、何年も続けて服用しがちである。

 記事の最後にある、カール・ルイスのインタビューと陸上競技の映像に、とても説得力があります。字幕はイタリア語ですが、インタビューの音声は英語になっています。


 「わたしが最高の業績を達成したのは、完全菜食主義者になって、30歳という年齢で、自分よりもずっと若い選手たちと競わなければならなかったときです。大食漢のわたしは、健康と最大限の運動能力を真に両立させるには、どうすればいいかを、研究し始めました。乳製品や残りをすべて(動物性食品)を食べるのをやめ、野菜や果物をミキサーにかけ…… 少しずつ食生活を改善していくうち、最後には、100パーセントの完全菜食主義者になっていました。」(イタリア語字幕の日本語訳。石井訳。訳してから、英語で聞いてみて、イタリア語字幕には、英語音声にはない言葉もあることに気づきました。)

 ちょうど今、夫が購入した、健康なアルカリ性の体を作るための食生活やレシピを勧める本を読んでいたこともあり、題が気になって、記事を読んで、驚きました。こういう健康や食生活については、諸説あるのは承知ですが、このIl Fattaccioのニュースは、企業広告を収入源とする大手のマスメディアが、広告主の企業に遠慮して、あるいは圧力を受けて、公にしないような、健康や環境、社会問題に関して、学会の研究結果などを踏まえて、役立つ情報を教えてくれることが多く、わたしは信頼しています。

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 記事を読んで、それでも、牛乳や乳製品は体にいいから大いに摂取すべきだと思われる人がいても、それは大いに結構なので、わたしは、「牛乳は健康にいい、カルシウムのために牛乳や乳製品の摂取を」という広告や記事が多い中で、こういう情報もあるので、自分の行動を選択するための判断材料として、読んでいただければと思って、記事にしてみました。だからと言って、自分の食生活から、牛乳や乳製品をいっさい排除するつもりは、今のところわたしにもないのですが、こういう判断をする研究者や識者がいるということを知っておくことは、大切だと思います。

*追記(2月23日)
過剰な牛乳摂取の弊害は以前から、日本でもイタリアでも何度か耳にしていたので、すぐに記事にしたのですが、偏った記事では困ると思い、他の機関の記事も調べてみました。

- Harvard School of Public Health – Calcium and Milk: What’s Best for Your Bones and Health?
↑ 牛乳の摂取が骨粗鬆症をもたらすとは書かれていませんが、牛乳の摂取量の多い人が、少ない人に比べて骨粗鬆症になる率が少なくなるというデータはなく、過剰な牛乳摂取は、(今後のさらなる研究を待つべきとしながらも)卵巣がんや前立腺がんにかかる危険を高めるかもしれないとしています。また、奨励されている1日の摂取量は過剰と思われ、牛乳や乳製品は、すぐれたタンパク質言ではあるけれども、カルシウムの1日の必要摂取量が定かではない上に、最良のカルシウム源ではないので、牛乳や乳製品の過剰な摂取は控えた方がいいとしています。

Delle strategie dell'industria casearia americana che introduceva a mano mano il latte nella mensa delle scuole ne ho sentito già parlare e anche del fatto che erano imitate pure in Giappone in cui alcuni bambini non riuscivano nemmeno a digerirlo bene. Sempre con la giustificazione che il latte aiuti ad avere le ossa più solide, invece...(Leggete l’articolo sotto↓)

LINK
- Il Fattaccio – L’IMMENSA BALLA DEL FABBISOGNO DI CALCIO +video

関連記事へのリンク / Link all’articolo correlato di questo blog
- 世界を足下に2 / Monti Sibillini, lato Marche – parte2 (15/5/2012)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2013-02-23 15:01 | Salute | Trackback | Comments(0)