2013年 03月 13日
飛蚊症、mosche volanti
それが、その日の夕食中、それから夜に、ごくふつうの照明を使っている他の部屋でも、やはり視界の右手に同様の黒いレース状のものが見えたので、心配になりました。これほど大きな模様が見えたのは、この3度だけだったのですが、その後、注意してみると、傷の入った、あるいは汚れたガラスが投げかけるようなしみのようなものが、ごく小さいものではあるのですが、視界にあります。

インターネットで調べてみて、どうやら飛蚊症(ひぶんしょう)らしいということが分かりました。近視の人には起こりやすく、特に問題はないことが多いというものの、網膜剥離(distacco della retina)など、緊急に対応しないといけない病気が原因の場合もあるということです。翌金曜日に、さっそくかかりつけ医の診療所に足を運びました。公立病院の専門医の診療を受けるには、まずかかりつけ医に診てもらい、どういう検査や診療が必要かを書いてもらう必要があるからです。診療が5時からなので、5時前に行くと、もう待合室はいっぱいで、ようやく診療を受けられたのは、午後6時40分のことでした。それでも、目の症状については、おそらくは特に治療を要しない飛蚊症だろうけれども、緊急を要する病気の可能性も完全には否めないということで、「緊急を要する(urgente)」という項に印をつけてくれたので、助かりました。風邪を引いて、2週間経っても咳や微熱がなくならないので、これも「ひょっとしたら結核だったりして」などと、夫には一笑に付されつつ心配していたのですが、これも、咳が2、3週間続くこともあるし、結核のような病気はイタリアでは少ない上に、もし結核であれば、咳以外にも他の症状があるはずだと言ってくれたので、とても安心しました。診療後に、すぐそばの薬局の予約センター(CUP)で、眼科医(oculista)の診療を予約してもらいました。ペルージャ市内にある地域保健所(ASL)に、火曜の午後空きがあったので、予約を入れ、ついでに診療代も払いました。でないとまた、診療前に、保健所で番号札を取って、待つことになるからです。患者の自己負担金は、20ユーロですみました。
幸い、視界が大きな模様に覆われたのは初日だけで、日が経つにつれて、模様が見えても、傷の入った眼鏡のレンズを通して眺めているように感じられる程度になりました。昨日午後の眼科での診療には、いいからと言ったのですが、夫もついて来てくれて、結局はとても助かりました。
と言うのは、網膜(retina)に異常がないかどうかを検査するために、瞳孔(pupilla)が開いたままになる点眼液をさしたら、そのあと、焦点が定まらずに、ぼんやりして見える状態が数時間続いたからです。あとで夫は、自分もかつて同じ検査を受けたことがあって、この点眼液のあと運転するのは危ないだろうと思って、同伴したんだと話してくれました。親切な女医さんが、症状を聞いたあとで、おそらくは生理的飛蚊症で、そのうち慣れて、気にならなくなるだろうと言いつつ、やはり網膜の状態を確認しようと、検査の前に点眼液をさすことになりました。模様が見えるのは右目だけだったのですが、夫が運転してくれることだし、医師にも勧められて、両眼を検査することになりました。
予約は午後3時半だったのですが、最初に診療室に入ったのは3時45分。おそらくは飛蚊症で、心配はないだろうけれども、網膜を点検しましょうと、点眼液をさされて、いったん診療室を出ました。15分ほど待ってから検査をとのことだったのですが、薬が効くまではと待つわたしの前に、二人の患者が診療を受け、実際に検査をしてもらったのは4時50分頃のことでした。長い待ち時間の間、夫は本を読み、わたしは『bien-dire』1・2月号を読んで、フランス語の勉強をしました。だんだん瞳孔が開いて、文字がぼやけて読みづらくなる中、まずは、フランスの柔道チャンピオン、テディ・リネールに関する記事、次に、フランスの学校教育における中退者増加問題を扱った記事を読みました。plutôt queという表現が繰り返し出てくるので、何度か読み直して、文脈と語形から、イタリア語のpiuttosto cheにあたる表現ではないかと見当をつけたのですが、今辞書を引いてみたら、思ったとおりで、語義に「…よりはむしろ」とあります。
待ちに待ったあと、網膜の検査を受けると、今のところ、網膜は左右とも正常で、右目に見える小さな線維が、影を落として模様が見えるのであり、症状を完治させる治療法はないけれども、そのうち慣れて気にならなくなるはずだとのことでした。

悪化を防ぎ、あるいは状況を改善するには、硝子体をできるだけ健全な状態に保つことが大切で、そのためにも、できるだけ毎日水を2リットル飲むようにと勧められました。また、硝子体を構成する要素であるコラーゲン(collagene)やヒアルロン酸(acido ialuronico)を補う栄養補助剤(integratore alimentare)を処方してくれました。症状がなくなるわけではないけれど、硝子体を健全に保つのに役立つだろうということで、今日さっそく買ってきました。女医さんからは、20~30日間、1日1錠飲むように言われたのですが、一箱20錠入りなので、20日間服用するつもりでいます。
実は、この一連の診療の間中、飛蚊症にあたるイタリア語、miodesopsieという言葉は、かかりつけ医も、眼科医もまったく使わず、どんなふうに、症状が起こるかということを目の構造と共に説明し、mosche volanti(訳すと「飛ぶハエ」)という俗称で呼んでいました。確かに、「ハエに似たものが見える」というギリシャ語から来るらしいこのイタリア語のmiodesopsieという言葉は、聞いても何のことだか分かりづらく、発音もしにくく、覚えにくいものではあります。余談ですが、日本語では飛ぶ「蚊」、イタリア語では飛ぶ「ハエ」と、虫が変わるものの、とにかく飛ぶ虫にたとえているのが、おもしろいと感じました。あらかじめインターネットで調べていたおかげもあって、医学専門用語は頻出したものの、女医さんの言っていることは大体分かったのですが、今日、栄養補助剤を買いに行く前に、どうして必要なのか、どういう成分が含まれているかを調べるついでに、今回、診療にあたって目にした、耳にした、目と飛蚊症に関する言葉を、図と共にまとめてみました。硝子体や瞳孔など、指す部分や機能を、日本語でさえ正確に知らなかったので、いい勉強になりました。
いつかどなたかのお役に立てば幸いです。
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Miodesopsie, mosche volanti
Mi preoccupavano le visioni di una specie di fili di ricamo e macchie che in realtà non esistono.
Ieri visita oculistica. Come pensavo 'miodesopsie' ossia 'mosche volanti'. L'oculista mi ha controllato anche la retina di entrambi gli occhi, per fortuna i sintomi non sono stati causati dalle malattie gravi, ma è una cosa abbastanza frequente e naturale soprattutto per chi è miope come me.
Cercherò di bere molta acqua ogni giorno, come mi ha consigliato la dottoressa ieri.
Però non trascurate se aveste un sintomo simile, potrebbe essere provocato anche da una patologia grave come il distacco della retina e per questo il medico di famiglia mi ha fatto un'impegnativa urgente.
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実家の隣人が飛蚊症でした。彼女も進行しないように薬を飲んでいると言っていました。
日本語からイタリア語になると虫の大きさが大きくなっているのが笑えました。
やっぱり目の大きさのせいでしょうか。
病名の虫が、イタリア語で蝿なのは、ギリシャ語からの借用だと思うのですが、日本語と中国語のどちらでも「飛蚊症」と言うので、どちらが名前を先に採用したのかは疑問です。稲作がさかんで蚊が多い東洋では「蚊」、伝統的に家畜を飼育するヨーロッパでは野外でも屋内でも蝿をよく見かけるから「蝿」かなと、思ったりもするのですが、実際はどんなところなのでしょうね。

私も強度の近視だし、あとは華麗じゃなかった加齢~(笑)もっとも若い人でも現れる白髪のようなものだと慰められました。勿論薬も出ませんでしたし、特にサプリも飲みませんでした。治療の必要のない飛蚊症なら過敏にならず気にしないのが一番の治療かも知れませんね。しかしとすかーなさんもおっしゃっていますが、蚊とハエ、大きさが随分違いますよね。私はやっぱり蚊がいいです(笑)
「最初に見えた像が大きかったのは動き始めだったからでしょう、なくなることはないけれど、徐々に(慣れて?)気にならなくなるはずです」と、目医者さんは言ってくれました。サプリも気休めのようなもので、それで症状がなくなるわけではないけれどと断りながら処方してくれました。やはり目が乾くと悪化しやすいようですし、知人には、運転に支障があるくらい視界を遮られて困っている人もいるので、水をたくさん飲むようにしようと思いました。確かに大きさから行くと、ほっそりとした蚊くらいで収まってくれるとありがたいですよね。友人のお義母さんは、大きな花束にさえ見えるほどの汚れを見ることもあるそうです。
私も蚊飛症と診断されています、真っ白いものや
空を見るといっそうきつく現れますが、言われるように
慣れてくると気にならなくなりますね。
あれ以来診察は受けていませんがサプリを飲むのがいいのですね。
今度買いますわ~
サプリは、お医者さんも気休めのようなものだけれどと言いながら、処方してくれました。ただ、飛蚊症の原因となる線維が固まる硝子体を構成する成分を、食事から摂るよりはずっと集中的に確実に摂れるから、一度は服用しておいた方がいいとのことでした。
やはり目は大切なので、あまり気にならない程度に、症状が収まってくれるといいですね。

昨日Questuraに行って、私も無事期限なしの滞在許可証を受け取る事が出来ましたー!昨日も「5番窓口、番号なし」でした。
直子さんの時も、5番窓口に並んでいる面々、すごくなかったですか・・・?夫がいたからよかったものの、一人であそこに並ぶのはかなり辛いものがあるなぁと思いました。
割り込んで来ようとする輩ばかりで、番号なしというのはいかがなものかと腹立たしかったです・・・が無事受け取れて、もう再度これを繰り返さなくてよいと思うとほっとしました・・・いろいろと情報をどうもありがとうございました。
私も昔から飛蚊症で、検査した事がありますが特に異常はないので心配ないとのこと。その後日本の健康番組で飛蚊症の事を扱っていた回を見たのですが、胎児の時に水晶体(?)に影が出来る事があって(スミマセンこのあたりうろ覚えですが)その影響がほとんどで、なんともないとのこと。
急に見える量が増えるようなら網膜はく離や脳の他の原因があるかもしれないのですぐに病院へ・・・と言っていました。
直子さんも特に心配ないと診断されたようで、よかったです。
水を多く飲んだほうがいいんですね、私もそう心がけます!
まりさんも飛蚊症なんですね! 幸い今のところは何事もないようでほっとしました。そうそう、女医さんにも同じことを言われました。急に大きく見え出したり、光が見えたり、周囲がゆがんで見えたりしたら、すぐに救急診療を受けるように、と。たくさん水を飲むのは、花粉症にもいいそうなので、心がけているのですが、1日2リットルは本当に多いですね。
Italumbriaの日本語の授業、エンジンがかかるのが遅いですね。残念です。自分で日本語とイタリア語の学校を創りたいような、資金がかかりすぎるような…… イタリア人への日本語講座を始め、「外国人大学語学&学士課程サバイバル」・「イタリア人夫を持つ日本人妻用」、「イタリア料理を学びたい人用」など、いろいろおもしろいイタリア語講座や家庭教師的サポートはできると思うのですが。大学受験用小論文指導・現代文・古典成績アップ講座なども。

Italumbriaはペルージャでの開催はこのまま流れてしまいそうですね・・・直子さんが学校を作ってくださったら素晴らしいと思います!
娘が生まれて気になるのは日本語学習です。ペルージャにもローマやフィレンツェのような日本語補習校(https://sites.google.com/site/giapponesetoscana/school)があればなぁ・・・って思うのですが。フィレンツェまで毎週は通えないし、同じことを思っているウンブリア在の方多いのでは・・・?思うのですが。
直子さん、ぜひ開校して下さいませんか(笑)???