2013年 04月 10日
半過去、イタリア語・フランス語
これでようやく、半過去の勉強に取りかかることができます。フランス語とイタリア語では、文法の微妙な違いがあるものの、たとえばフランス語の複合過去と半過去の違いは、これまで耳にし、目にした用例に関しては、イタリア語の近過去(passato prossimo)と半過去(imperfetto)の違いと共通するところが多そうで、そういう点でも、既習のイタリア語の知識に大いに助けられます。
数年前、イタリア語教授法の授業の課題で、それぞれの入門書で、近過去や半過去が、どのような順序で登場し、どんなふうに説明されているかをまとめて、提出したことがあります。
日本語で「半過去」と訳される、イタリア語のimperfettoという時制は、本来の語義や文法的用途から考えると、「未完了」と呼ぶべきものです。というのも、このimperfettoという言葉は、「完了」(perfetto)に、否定を表す接頭辞のin-(m、p、b の前ではim-となる)がついてできた語である上、文法的にも、perfettoという、「動作などが完全に終了した際に使われる時制」に対峙するものだからです。
現代日本語では、たとえば、「昨日わたしは山で散歩をした。」でも、「私は散歩をしていたとき、サーラに出会った。」でも、過去はすべて「た」を使って表します。
Ieri ho passeggiato in montagna.
後者は
Mentre passeggiavo, ho incontrato Sara.
と動詞の異なる時制を使います。
イタリア語の過去時制にはいろいろあって、直説法の完了時制(perfetto)には、近過去だけではなく遠過去(passato remoto)もあります。ただ、遠過去は、標準イタリア語では、遠い昔のできごと、あるいは、現在と関連がないとみなされるできごとに使われるため、日常会話では使われる頻度が低いので、イタリア語学習者が特に迷うのは、過去のことを話すときに、近過去と半過去のどちらを使えばいいかということではないかと思います。(ただし、南イタリアでは、つい最近のことでも、遠過去を使いがちだという地域的特徴があります。)
近過去を使うか、半過去を使うかの決め手は、このように、動作をすでに完了したものとしてとらえるか、それとも、継続したもの、過去の習慣・反復・描写など、未完了のもの、ある過去の一時点で時を止めて、そのときにどういう様子であったかを表すか、によります。
この完了・未完了時制の使い分けは、現代日本語にはないので、ただでさえ理解や習得が難しい上に、imperfettoに「未完了」ではなく「半過去」という訳をあてていることが、さらに学習者を迷わせる原因になっているのではないかという気がします。
今日は時間がないので、ここで記事を終わりにしますが、こういうイタリア語の二つの過去の違いが、フランス語で半過去を学習するときに、役に立ってくれるものと確信しています。これからフランス語の直説法半過去を勉強しながら、また折に触れて、イタリア語やフランス語の半過去などについて、書いてみたいと思っています。
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Carino carino il nostro gattino, ma forse l'ho accarezzato troppo spesso sulle ginocchia e ora ho trovato alcune punture forse di pulci del gatto... perché le zanzare ancora non ci sono e poi le punture si trovano dove le zanzare non potrebbero mai arrivare.
I fiori di azalea ci abbelliscono la terrazza e ci rallegrano il cuore.
Sono arrivata finalmente al capitolo di 'imparafait de l'indicatif'. Le conoscenza dell'italiano e del suo 'imperfetto indicativo' mi aiuteranno.
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関連記事へのリンク
- 郷愁、Ma Normandie
半過去に近過去ってあるのですねぇ、私は難しいことはわかりませんが
なるほ~どですわぁ。
言葉が意味することは面白く楽しいですね。
この猫ちゃんはとても器量良しさんですね。
品もあって可愛い~
お花も美しいですわぁ~
いつも癒しの写真をありがとうございます。
この子猫は毛並みもきれいで、我が家の人気者です。小さい頃から皆がこぞってエサをやってかわいがるからか、一番皆になついています。ただ、最近調子に乗って、ひざの上にのってくる子猫をいつまでもいつまでもなでることを時々していたら、どうもネコのノミに、あちこち刺されてしまったようです!!
青い瞳のかわいいネコや花盛りのツツジに、心がはずむ今日この頃です♪
フランス語にも半過去があるんですね!
おっしゃる通り私も半過去、苦手です。(今でも)
文法で不明な点があると、即「イタリア語のABC」で調べるようにしております。多分「フランス語のABC」と姉妹書ではないかと思うのですが、、、
「イタリア語のABC」はイタリア語の学習をはじめた時、先生から薦められ最初に購入した文法書であります。
こぼれんばかりに咲き誇るツツジ、見事です♪
『イタリア語のABC』は、わたしにとっても、最初に独学に使った入門書の1冊です。文法項目について疑問に思ったことを、さっと調べられて、分かりやすくまとめてあるので、便利ですよね。出版社も同じですし、わたしも、この2冊は姉妹書だと思います。
ありがとうございます。咲きっぷりのみごとなツツジの花を見るたび、うれしくなる今日この頃です♪
上の例のように、日本語で「散歩を『していた』」というのは、日本語教育でいう「テイル形」の過去形なわけで、これとイタリア語の半過去とは、対応している部分が多いように見えますが、どう思われます?確か日本語の文法書では「(動作動詞に付いて)ある過去に行われた動作に『期間』が存在する事を含ませる」みたいな説明があったと憶えているんですが・・・。あと変化動詞の場合には単に過去の一点の状態を表すとか・・・。日本語の過去形も、侮りがたし、です。
イタリア語では、僕はすっかり話し言葉に影響されて、「Mentre mangiavo, leggevo un libro」みたいな半過去の使い方をしてますが、やっぱりちゃんとしたイタリア語を身につけるためにはやめたほうがいいんでしょうか。それとも、もうこの使い方も市民権を得たんでしょうか?
なんだか質問ばっかりですみません。国語の先生に学生時代に聞かなかった事を、いま発散しているみたいです。笑。お暇があるとき、気が向いたら答えてくださいな!
半過去の本質的な核となるのは、やはり「完了していない動作、ひいては、継続中の動作・反復・描写などを表す」ことなのですが、(つづく)
上の'Mentre passeggiavo, ho incontrato Sara.'という例では、「私がサーラに会った」という一時点、その動作が完了したときの状態が「散歩をしていた」ので、Mentreで始まる時を表す従属節では半過去、主節では近過去を使うのに対し、みつぐさんが挙げていらっしゃる例では、「過去に二つの動作が同時に並行して行われて」いて、かつ、どちらの動作も、その時点では、完了せずに、「継続している」ものとしてとらえているので、これはこれで、りっぱなちゃんとしたイタリア語で、逆に、この場合はこういう使い方をするのが正しいのです。Mentreで始まる従属節の中では、Mentreが何かが継続中であることを表す接続詞なので、「動作の完了」を表す近過去や遠過去は使えず、過去形の場合は半過去が使われるのですが、対して主節では、「同時並行して行われる動作」であれば半過去、「Mentreで始まる節で説明されている期間の一時点に起こったことや、完了した動作」であれば近過去を使うからです。
はじめまして。よろしくお願いいたします。
今日、イタ語学習開始日です。
9月のイタリア旅行に向けて、頑張ります。
だけど、時制多いですね。
普段、日本語で楽し過ぎなのかな(笑)。