2013年 05月 17日
バラに思う
色とりどりのバラが、それはきれいな花をたくさん咲かせています。
ジャスミンにバラと、香りの高い花を好む夫が、長い間に、少しずつ集めたとっておきのバラたちです。
ウンブリアとトスカーナの州境の、緑に囲まれた村に、夫の母方の祖父母が住み、義母が生まれ育った古い家があり、8年ほど前から、1年あまり、夫と二人で、その家で暮らしました。
今はもう人手に渡り、改築されて豪邸になってしまったというこの家の前に、夫は小さなバラ園と畑を作り、しばしば手をかけて、それはそれは大切に育てていました。
せっかく咲いている命ある花を、家に飾るためにと言って手折るのは忍びないということで、夫は、そして、その感化を受けてわたしも、花は基本的に摘み取らず、庭や野山に咲いているのを愛でています。
それが、この頃、部屋で日本語の授業の準備をしていたわたしの背後から、こっそり忍び寄った夫が、庭で摘み取ったバラの花を、特に記念日というわけでもないのに贈ってくれて、それがひどくうれしかったのを、今もなつかしく覚えています。
当時は、バラが、病気や小さな丸く黒い害虫に襲われることが多く、しばしば二人で、害虫退治をし、育ちかねているバラを、心配しながら見守ったものです。
義父母が住む今の家に引っ越したとき、夫はどういうわけか、このバラを、すぐに人目につき、見ることができる庭ではなく、家から離れた畑の奥の垣根近くに植え替えました。最初にわたしたちが暮らし始めたのが、庭のない3階だったからかもしれません。目につくところに置いておくと、義家族が花を摘んでしまうかもしれないと、心配したかもしれません。大きなクルミの木の下なので、日ざしが強く、地面が乾きやすい土地でも、バラが育ちやすいからかもしれません。大きな夢をかけ、できればいつまでも暮らしたかった、大地に根ざした生活を送りたかったのに、手放すことになった、祖父母の家や土地の思い出を、しばしば目にするのが、つらかったからかもしれません。
わたしたちが、このペルージャの家に暮らし始め、なつかしいバラたちを植え替えてから、はや6年。最初は細々と花を咲かせていたバラたちも、近年は新しい土地にしっかりと根を下ろしました。住居から離れているためもあって、以前に比べると、手をかけることがずっと少ないのに、不思議と以前よりもずっと元気で、病気や虫に負けることがなく、毎年すくすくと育って、かつてよりもはるかにふんだんに、花が咲いています。
5月初めの巡礼中は、わたしたちもしばしば雨に降られ、ペルージャでも雨の日が多かったと聞いたのですが、そのおかげもあるのでしょう、ほとんどのバラたちが、つぼみや花でいっぱいでした。
環境の変化に順応して、少しずつしっかり大地に根を伸ばし、新しい土地でも、人が見ていなくても、手をかけなくても、きれいな花をたくさん咲かせて、目を喜ばせてくれる、そういうバラに、見習いたいところの多い今日この頃です。
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Piove, piove, ma la pioggia innaffia le Rose e le rende più vigorose e belle.
Ormai è passato qualche anno da quando si sono traslocate. Vivono in loro i ricordi, le emozioni, il sole, il vento e la terra di Reschio.
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美しく咲いたバラのお花にうっとりです。
私も庭のお花は切らず眺めています、だから生け花を娘時代に
習いましたがパチパチと無残に切るのが嫌でした。
思い出のお花たちがこうして見事に咲く様子を見るのは
嬉しいですねぇ。
なおこさんの言われるように見習う事が多くありますね。
この間の母の日の薔薇が綺麗に庭で咲いています。
どんなになるか楽しみです~
いつもありがとうございます~♪
今朝、夫は、バラの花びらでリキュールを作るのだと言って、たくさんバラを摘み取って来ました。リキュールのためなら、いいのかしら? お酒は弱いのですが、香りの高いリキュールができそうで、少し楽しみです。
こちらこそ、いつもありがとうございます♪
情報がお役に立ったようで、何よりです。土曜市、わたしたちは混雑を避けて、なかなか足を運びませんが、市の間の周辺の渋滞の様子を見ても、皆に人気があるのだなと感じています。
どういたしまして。こちらこそ、うれしいコメントをありがとうございます。ペルージャでの留学と滞在が、楽しく実り多いものとなりますように。