イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

湖畔の種の交換会と夏野菜の植えつけ

 イタリア各地の風土と食文化に根ざした、従来からある農作物がいつまでも暮らしの中から、食卓の上から姿を消さぬように、大切に守ろう、再び全国に広めていこうなど、さまざまな意図から、こうした作物の種を交換したり、贈ったりしようという会や運動が、イタリア全国にあります。

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 我が家でも、数年前から、こうした種を郵送してもらったり、種の交換会に出かけたりして、こうした種から苗を育て、この苗を畑に植えています。

 たとえば、今年は3月3日に、トラジメーノ湖畔、パッシンニャーノ(Passignano sul Trasimeno)で催された、種の交換会(Scambio Semi)に参加して、

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 こちらのseccagnoというトマトの種などを手に入れました。どんなに畑がからからに乾いていても(secco)、あまり水をやらなくても、ちゃんと育つ品種だそうなので、この名があるのかもしれません。

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 この日、会場となったパンタ・レイ(Panta Rei)は、湖の眺めのすばらしい場所にありました。

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 今年、我が家の畑に、夫が中心になって植えつけた野菜の苗は、こうして手に入れたばかりの種や、すでに数年前に、Associazione Civiltà Contadina(訳すと、「農村文明協会」)から送ってもらった種を、うちで何度か植えて育て、その野菜から取れた種などから、育ったものです。

 苗が育って、植えつけの時期が来たので、先週は、火曜から、畑を耕し、苗を植えつける作業に入りました。

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 先ほど登場した、こちらのseccagnoを始め、トマトの苗が多いのですが、

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 こんなふうに、ズッキーニの苗もあります。いくつか種を植えたのに、一つも芽が出なかったピーマンの品種もありました。

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 トマトの支柱も完成して、一段落したあとは、苗がしっかり育つように、水をやります。実は、この日以来、雨がしばしば降ったので、水やりの心配はないのですが、先日は、ひどい暴風で、支柱が倒れて、支柱を組み直すことになりました。

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 広い畑のうち、大半は、お義父さんが担当しています。最近は、ソラマメもどんどん育っています。

 これから夏に向けて、野菜が育ち、新鮮な夏野菜が食べられる日が来るのが、楽しみです。

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Fra qualche mese il nostro orto sarà colorato da diverse verdure estive cresciute dai semi scambiati, regalati o raccolte da noi negli anni precedenti.
Pomodoro seccagno, zucchino early gray, ecc. ecc.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by 武蔵 at 2013-05-20 08:26 x
いつも読ませていただいています。
2年のマレーシア生活をへて現在はフィリピンに住んでいるのですが、
将来的にはイタリアにも住んでみたいと思っているので、
これからも参考にさせてください。

お体に気をつけて海外生活を楽しんでください。
Commented by ムームー at 2013-05-20 10:37 x
なおこさんおはようございます。
いつもありがとうございます。
わぁ~こんな催しがあるのですねぇ。
種から育てるって素敵ですね、命の育みがわかり
感動しますねぇ~
柿の種から葉が出て来て大きくなりつつあるのも
毎日見ては声をかけています。
可愛いですねぇ~
トマトもたくさん植えられましたね、トマト料理に
使えて楽しみですねぇ~
広い場所ですくすくと育つ様子を日々見れるのは
感激しますね。
Commented by milletti_naoko at 2013-05-20 15:17
武蔵さん、はじめまして。コメントをありがとうございます。どうかそちらも、お体を大切に。
Commented by milletti_naoko at 2013-05-20 15:23
ムームーさん、おはようございます。こちらこそ、いつもありがとうございます。大切な種を、伝統の農作物を守ろうという運動が、近年はイタリアでも、世界でもさかんなようで、最近はヴァンダナ・シヴァさんの講演会にも参加したりしています。

ムームーさん宅の柿も、青い葉が元気そうで、これからどんどん育って、いつかおいしい柿が食べられるのが楽しみですね。声を毎日かけてもらえて、柿もこれは育たなければと思っているのではないでしょうか。

トマトは、イタリアではパスタやピザだけではなく、魚や野菜の料理、スープなど、使う機会が多くあります。トマトも品種によって、形や大きさはもちろん、味がかなり違ってくるので、今年初めて植えた品種が、どんなふうに育つのか、楽しみです。
Commented by fumieve at 2013-05-20 21:19
いろいろな、今となっては珍しい品種となってしまったお野菜などなど、楽しみですね〜。畑ができるのはうらやましいです。
Commented by milletti_naoko at 2013-05-20 22:36
Fumieveさん、これまで試した中では、特にcanestriniというトマトが、酸味のない濃厚な、本当においしいトマトソースができるので、お気に入りです。美しい水の都に憧れつつ、オリーブの木々や緑の中で暮らせる毎日をありがたいなと思う今日この頃です。
Commented by fusello at 2013-05-22 00:12
naokoさん、こんばんは☆
種の交換会で手に入れた珍しい種を蒔いて育てる、ワクワクしますねぇ。そして収穫したお野菜が気に入ったら、その種を皆さんにお分けする、素敵な催しですね。
それにしてもnaokoさん宅の畑、広いですね、お手入れが大変そう、お手伝いに行きたいくらいだわぁ~~~

↓の記事のバラ、豪華に咲いていますね♪
ミジャーナの新居に移植するのですか? 思い入れのバラなので挿し木でもいいから持って行って欲しいわぁ(オバサンのお節介ですが)
Commented by milletti_naoko at 2013-05-22 00:36
Fuselloさん、こんにちは。種の交換会は、その土地従来の伝統的な品種を守ることが主な目的なので、義父母も、昔の濃く甘いトマトがおいしいと喜んでくれています。広い畑の大半は、義父が手入れをしてくれていて、主に夫が担当する小さな畑以外は、わたしたちは主に収穫・消費係で、夏など、義父が不在のときに水やり、秋にオリーブの収穫を手伝うくらいです。手入れをお手伝いしたい、わたしもそのくらいの心意気でいないと。

土曜は夫がこのバラの花びらをたくさん摘み、ただいまバラのリキュール作りに挑戦中です。まだまだペルージャは雨の日が多いので、バラもきれいに咲く日が続きそうです。再び植え替えるのは、バラがかわいそうなので、挿し木から育ってくれれば、言うことないのですが。
by milletti_naoko | 2013-05-19 23:45 | Fiori Piante Animali | Comments(8)