2013年 05月 29日
イタリア語VSフランス語2

昨日は、比較級・最上級の練習問題を解いているのですが、日本語の入門書で、比較級と最上級を勉強したのは、数か月前ということもあって、答え合わせをすると、イタリア語の知識に引きずられた間違いが、かなりあります。
たとえば、「次の空欄に、適切な絶対最上級または相対最上級を入れなさい。」という問題で、
Le Mont-Saint-Michel est le deuxième site ( ) visité de France.
正解はle plusです。これは、フランス語では、形容詞の最上級が名詞を修飾する際に、形容詞が名詞の前に来る場合は、
定冠詞+plus(moins)+形容詞+名詞+de…
(例、La Loire est le plus long fleuve de la France.)
と、定冠詞は名詞の前に一つあるだけですが、
形容詞が名詞の後に置かれる場合は、
定冠詞+名詞+定冠詞+plus(moins)+形容詞+de…
(例、Le printemps est la saison la plus agréable de l’année.)
と、名詞の前とplus(moins)の前に、それぞれ定冠詞が必要なので、定冠詞が二度登場するからです。例文はいずれも、『新・リュミエール』の139ページから引用しました。
一方、イタリア語では、形容詞の最上級が名詞を修飾する際に、最上級が名詞の前であろうと後に来ようと、定冠詞は、名詞の前に一つあるだけです。
E’ il film più bello che io abbia mai visto.
E’ il più bel film che io abbia mai visto.
(それは、わたしがこれまで見た、最もすばらしい映画です。)
それで、うっかり二度目の定冠詞を抜かして、plusだけ書いて不正解だったのですが、今後は、この違いに気をつけます。余談ですが、フランスで2番目に訪問する人が多いというモン・サン・ミシェル、わたしもいつかきっと訪ねてみたいと思っています。

ユーロの導入について書かれた文章の空欄に、適切な比較級または最上級を入れなさいという問題もあります。
… Pour obtenir le calcul (le plus) rapide de conversione de l’euro, les Italiens ont eu (plus de) chance (que) les Françaises car ils doivent simplement diviser par deux mille. Il y a (moins de) problèmes pour voyager et tous les prix seront comparés facilement…
ここで、わたしが間違えたのは、太字で印したところで、いずれも前置詞のdeを落としてしまいました。イタリア語では、数量の多さを比較するときに、più+名詞(より多い~)、meno+名詞(より少ない~)と、piùとmenoを名詞の直前に置き、前置詞のdiは不要です。ところが、フランス語では、数量の比較に限っては、
plus (autant, moins) de +名詞+que
(例、Monique a plus de robes que Michèle. 『新・リュミエール』から引用)
という具合に、数量の比較を表す語の後、名詞の前に、deという前置詞が不可欠なのです。
イタリア人向けの問題集なので、理解力を問うために、フランス語からイタリア語に訳す問題もあれば、仏作文の力を問うために、イタリア語からフランス語に訳す問題もあります。これも、注意していないと、イタリア語に引きずられたずっこけミスをしてしまいます。
E’ molto importante sapere usare il computer.
正解は、
Il est très important de savoir utiliser l’ordinateur.
です。
主語を必ずしも必要としないイタリア語では、この手の非人称構文は、動詞E’で始まり、意味上の主語となる節は、不定詞の動詞で始まります。それが、フランス語は、ちょうど英語でも、
It’s very important to be able to use the computer.
と言うように、形式主語のilを必要とし、意味上の主語となる節では、不定詞の動詞の前に、前置詞deが必要なのです。
この問題でも、ついついイタリア語の習慣で、わたしは、フランス語なのに形式主語のilを忘れ、動詞savoirの前の前置詞deを忘れてしまいました。それだけなら、まだ許せる範囲なのですが、わたしはフランス語に訳さなければいけないというのに、
E’ tres important…などと、とんだ間違いをして、イタリア語の動詞で文章を始めてしまいました。
英語のbe動詞にあたる、イタリア語のessere、フランス語のêtreは、直説法現在で、主語が3人称単数のとき、表記こそ、それぞれè、estですが、発音はまったく同じ、開口音のeだからです。
というわけで、現在解いているこちらの練習問題は、単にフランス語の文法の復習になるだけではなく、イタリア語とフランス語では、どういうところが違うのかを再確認するのに大いに役立ってくれそうです。
写真は、2011年10月、ローマへの巡礼の初日に、出発地のリエーティで見かけたリラを記念する像です。
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In francese, si dice 'le film le plus beau' oppure 'le plus beau film'. Quando il superlativo relativo viene dopo il sostantivo (nome), ci vogliono due articoli definitivi, mentre in italiano ci vuole un solo articolo anche in tal caso; 'il più bel film', 'il film più bello'.
Devo stare attenta a queste sottili differenze tra le due lingue. La foto è della Statua della Lira che abbiamo visto durante il pellegrinagio verso Roma nell'ottobre 2011, perché nel manuale di francese ho trovato un testo che parla dell'introduzione dell'euro.
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