2013年 06月 27日
結婚記念日大周遊1

美しい緑と野の花と見晴らしを楽しみながら、ぐるりと回ったのは、シビッリーニ山脈の渓谷です。

前日から山登りをしていたリミニの友人たちと合流するつもりだったのですが、わたしたちが到着した頃には、二人は最高峰の頂上にいたため、とりあえず、わたしたち二人で散歩を楽しむことにしました。
前夜に夫の属する合唱団の合唱祭と、その打ち上げの宴があったため、家を出るのが遅くなり、ようやくカサーリに着いて、散歩を始めたのは、午前11時39分のことでした。

まずは険しく切り立つ岩山、Monte Bove Nord(2112m)を右手に、下方に川のせせらぎを聞きながら、パーニコ渓谷(Val di Panico)を、川の水源に向かって歩いて行きます。野バラ、Rosa caninaを始め、さまざまな野の花が道を彩っています。

正午の太陽が照りつける、影の少ないゆるやかな坂道を少しずつ上って行くと、幸い、しばらくしてから、木のテーブルとベンチの並ぶ、昼食に絶好の場所が見つかりました。
右手奥には、てっぺんがほぼ直線に見える山(Pizzo Berro)、正面には断崖の上に、優しい緑の広がる山(Pizzo Tre Vescovi)が見えるのですが、今回の散歩では、このあと、二つの山の稜線に近い高みを歩くことになりました。

それまでには、まだ数時間山を登り続ける必要があったのですが、苦労してたどり着いた高嶺からの眺めはすばらしく、

この高さまで登ると、出発地点だったカサーリCasali(1048m)の村や、当座の目的地であった山あいの鞍部、Forcella del Fargno(1811m)にある山小屋(Rifugio)も、見ることができました。この日は、この鞍部まで山を登ったあと、来た道を引き返すのではなく、そのまましばらく道を先に進んでから、カサーリを目指して、山の斜面を下り、パーニコ渓谷をぐるりと一周しました。

夫は、パーニコ川の源から、さらに少し山を登ったあと、同じ道を引き返すつもりでした。ただ、この日は真夏のような天気で、 来た道を下って行くと、暑くなるのが目に見えていた上、以前に車で訪ねて、この辺りの高峰からの眺めがすばらしいことを知っていたこともあり(下記リンク参照)、わたしから、このまま山を登って、渓谷を一周しようと提案しました。

昼食を終えて、さらに先に進むと、ボーヴェ北山の切り立った岩肌の下で、イタリア語ではmaggiociondolo(意味は「5月の首飾り」)と呼ばれるキングサリが、金色の花をいっぱいに咲かせていました。

この辺りで、車道を後にして、奥に見える、頭を左向けにして寝そべった犬のような、ライオンのような山に向かって、山あいの小道を登って行きました。今地図で確認すると、夫はこのとき近道をしようと、本来のトレッキングコースよりは一足先に、車道を離れたようです。

色とりどりの花が咲く、なだらかな山道を登って行きます。

こんなかわいらしい白い花が、岩の傍らに咲いています。

パーニコ川の数ある源の一つでしょうか? 右手に、さわやかな音を立てながら、清らかな水が勢いよく流れ落ちる滝がありました。近くには、ランの花もいくつか咲いています。他にも、草木に隠れて、あるいは岩穴から流れる滝や渓流をいくつか見かけました。

時々道が草に覆われて、トレッキングコースが分かりにくい箇所もあるのですが、この手前の石にあるような、赤と白で記されたCAI(イタリア山岳クラブ)の印が、時々目に入るので、道を間違えてはいないと、安心して進んで行けます。

斜面を登り切ると、そこには、緑の野原が広がり、高峰に、まだ白い雪が残っているのが見えました。

きれいな野の花があちこちに咲く中には、歩く植物図鑑である夫も、見たことがないという花さえありました。すばらしい眺めを楽しんだり、花の写真を撮ったりしているうちに、前方の山から下りて来た人たちがいたので、結婚記念日の思い出にと、ここで2枚撮ってもらった写真のうち1枚が、冒頭の写真です。
時に、ぼくはあっちに行きたい、わたしはこちらにと意見が分かれ、二手に別れたものの、やがて落ち合い、時に道に迷いながら、山を登って美しい風景や花に出会い、何だか人生や結婚生活の縮図でもあるような山登りを、思いがけず十分に楽しむことができて、いろんな意味で、これまでになく思い出深い、すてきな結婚記念日になりました。散歩の記事は、次回に続きます。
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Passeggiata fantastica sui Monti Sibillini delle Marche - parte 1
Un altro bel ricordo dell’anniversario.
Cascate, ruscelli, sentieri ornati dai fiori & panorami mozzafiato.
Itinerario
Casali (1048m) 11.38 – sentiero CAI 275 – Sorgenti di Panico 13.43 – CAI 275 – sentiero CAI 277 – Forcella del Fragno (1811m) 17.30 – strada sterrata - sentiero CAI 278 – Casali 20.08
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関連記事へのリンク / Link per gli articoli correlati
- 結婚記念日大周遊2 / Passeggiata sui Monti Sibillini delle Marche – parte2 (16/6/2013)
↑ この記事の続きです / Il seguito di questa passeggiata
- 世界を足下に2 / Sibillini, lato Marche – parte2 (5/2012)
- 世界を足下に3 / Sibillini, lato Marche – parte3 (5/2012)



6年目の結婚記念日をおむかえですか。おめでとうございます☆
山の景色がすごく綺麗ですね。
いつの間にか、山も夏の緑の色になってきていますよね。
こんな天気の良い時に山を歩きたいです。
(こちらは梅雨です。今日は晴れましたけど)
凸応援ぽち!

こんにちは。
6年目の結婚記念日おめでとうございます!!
素晴らしい山歩きですね、こんなにあちこちにお花が
咲いてるのですね、お花たちも景色たちもお二人を
お祝いしてくれていますね。
これからも益々素晴らしいお二人でありますように~♪
山の上に、下では思いもかけなかったほど、色とりどりの花が咲いていて、うれしかったです。本当に、花たちも祝って、応援をしてくれているようでした。最初夫には、遠回りになりすぎると反対されたのですが、しっかり主張したおかげで、思っていたよりもさらにすてきな散歩ができて、本当にうれしかったです。
ありがとうございます。ムームーさんご夫婦のように、いつまでも末永く、互いの自由も尊重しながら、仲よく二人三脚で行けたらすてきだな、そうあれたらと祈っています♪

いや~、しかしすごい距離ですね。
山に矢印をしてある写真をみて、ひえぇ~!!って思いました(笑)
太陽も出て結構しんどかったのではないかと思うのですが、それだけ達成感は大きかったでしょうね。
これからも、お二人でステキな毎日を☆

なおこさん、普段から山や花の写真をブログにUPされていますが、この日のお花や山の緑の写真は心なしかいつもよりかわいらしく、そして色が鮮やかに見えますよ!
記念日おめでとうございました!
天気がぐずついたり暑すぎたりして、山を歩けない日が続いたので、この日は歩きたいと思ったのもあるのですが、真昼に暑い中を下るよりは、涼しい山の上へと登りたいという気持ちもあって、たとえ歩く距離が長くなっても、その方が楽だと思って、1周を提案しました。まさかこんなに距離が長くて、しかも時間がかかるとは、夫には指摘されましたが、思いもしませんでした。出発地点は暑かったのですが、上に登るに連れて、ひんやりした風が吹いて、山登りには快適な気候で助かりました。
昼食やおやつ休憩があったとは言え、8時間以上もの散歩は、久しぶりです。すばらしい眺めや花が楽しめて本当にうれしかったです。
とすかーなさん、ありがとうございます♪ 実生活でも山や谷をいろいろあっても仲よく乗り越えられて一緒に過ごして行けたらと思っています。
友人と合流するのが目的で向かった山でしたが、思いがけず、本当にすてきな、そして充実した散歩ができて、とてもうれしかったです。うれしいコメントをありがとうございます♪ 花や風景の写真は、曇っていても日ざしが強すぎていても、わたしのデジカメではなかなかきれいに撮れないので、この日は、天気も写真撮影に味方してくれたのだと思うのですが、特別なうれしい日だから、きれいに撮れているのかなと考えると、何だか自分でもうれしいです。

ピエモンテの大好きな渓谷を、今年の夏も花盛りの7月に訪ねたかったのですが、休暇を友人たちとも一緒に過ごすために、今回はアルト・アーディジェに行くことになりました。そのためもあって、ピエモンテの渓谷を思わせる、水や花、緑でいっぱいの山を、うちの比較的近くで、しかも記念日にじっくりと歩くことができて、本当にうれしかったです。
ライラさんも、どうかお元気でお過ごしくださいね!!
景色のよい、空気のおいしいところで記念日を送れるなんて素敵ですね。


結婚記念日に山歩き、とてもロマンチックですね。
なおこさん、旦那様は登山がお好きなのですね(?)
此処では(特にリグーリアだからなのでしょうか?)海好きの方々に出会うことが多いですが、私も山が好きなので、写真をうっとりしながら拝見いたしました。自然を見ていると心が休まります。
モンテシビッリーニ、存じ上げず調べてみたのですが、マルケとウンブリアに跨る大きな山脈なのですね、いつか訪れてみたいです。
これからも、旦那様とともに幸せな日々を歩まれますように…
Patataさんも山がお好きなんですね! リグーリアは数年前にチンクエ・テッレの五つの漁村を、海岸沿いの散歩道と電車(ひどく暑い日だったので、一区間は電車で)で訪ねたのですが、ブドウ畑や木々の緑に覆われた山を、美しい海や村を眺めながら、歩くことができて、本当にすてきでした。お近くですから、機会があればぜひ一度歩いてみてください。記事へのリンクはこちらです。
http://cuoreverde.exblog.jp/14282241/
リグーリアからは、わたしの大好きなピエモンテの山々にも近いですよね。7月のAlpi Marittimeは、緑の山が色とりどりの花に彩られ、水が豊かで、本当にすてきなので、おすすめです。
ウンブリアやマルケも、自然が美しく、食もおいしいところなので、機会があれば、ぜひ一度お越しくださいね。お祝いの言葉をありがとうございます♪