2013年 09月 05日
詐欺のわなにご用心

前置きが長くなりましたが、そういう不況下にあって、仕事探しに苦しむ人の職を得ようという願いを利用して、金儲けをしようという出版社が、最近は、日本語など、さまざまな外国語を母語とする人にまで、さらに執拗な詐欺まがいのわなをはりめぐらしていますので、日本の皆さんに警告を呼びかける意味で、この記事を書いています。
具体的には、この出版社はFaligi Editoreです。すでに数年前から、イタリア人の若い翻訳家志望者などに、「3時間の講習を受ければ、翻訳の力量を示すために、翻訳する文学作品が与えられ、いい翻訳ができていれば、翻訳を任され、翻訳の著作権料を得ることができる」と呼びかけ、140~160ユーロの受講料を支払わせ、遠くから志望者を呼び寄せています。力量を見るため、そして、のちに仕事として与えられる翻訳作品は、出版される確証がなく、仮に出版されたとしても、この出版社はそもそも電子書籍を販売することが多いので、収入は雀の涙ほどにしかならないことが多いということです。
最近になって、この出版社、Faligi Editoreが、日本語の母語話者(madrelingua giapponese)を対象にした、この「文芸翻訳の世界に踏み込めるという餌をちらつかせた有料の翻訳講習の案内」を、イタリアの求人・求職サイトで、頻繁に見かけるようになりました。参加者本人が上に書かれたような事情を承知の上で、それでも参加するのであれば構いません。けれども、参加すると、168ユーロの料金と交通費を払って会場に赴き、さらに、報酬が見込めない文学作品の翻訳に数週間を費やして、貴重な時間やお金を失うことになりかねません。わたしとしては、この詐欺まがいの広告に、日本の方がだまされることのないようにと思い、参加費用を払う前に、実情を知って、判断材料にしていただきたいと考えて、記事を書いています。
この出版社に無駄足を踏まされて憤る人や、こういう詐欺まがいの在り方に異議を唱える人の言葉は、英語やイタリア語のサイトにはいくつも見つかります。参考までに、そうしたイタリア語のサイトへのリンクをいくつか挙げておきます。この件でFaligi Editoreを非難する人は多く、中には実際に翻訳家として活躍している方もいるのですが、Faligi Editore・ traduzione・truffaといった言葉をキーワードにして検索すれば、他にもこういう非難の言葉の並ぶ、多くのウェブページが見つかるはずです。「仕事の可能性をちらつかせて多額の料金を巻き上げ、希望を餌に、ただで翻訳をさせる手口」という非難もあって、そのとおりだと思います。
この出版社に限らず、電子メールでも、イタリア語や英語のメールには、市民から大切なお金を盗もうとする詐欺メールがたくさんあります。「郵便局(銀行)のあなたの口座が差し止められました」、「クレジットカードの使用がブロックされました」、「多額の遺産をあなたにこそ受け取ってほしい」、「くじに当選されました」などという理由で、銀行口座の詳細を含む個人情報を盗もうとしています。イタリアの銀行や郵便局は、そうした個人情報をメールで尋ねることは決してしないそうです。残念ながら、国を問わず、こうした詐欺の罠が多い世の中ですので、皆さんも、くれぐれお気をつけてくださいませ。
写真は、今年7月の夕方に、リミニに向かう車内から撮影したヒマワリ畑です。
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C’è la crisi economica,
la gente soffre per la mancanza e/o per la perdita di lavoro
e sono indignata contro chi la inganna e la spenna,
facendole vedere speranza dove in realtà c’è poco da sperare,
sia nel caso delle pubblicità frequenti della lotteria
che nel caso delle pubbilicità ingannevoli del corso di traduzione
da parte della Faligi editore.
Poi quasi ogni settimana arrivano le email che cercano di rubare
le informazioni e i soldi, dicendo: “Il vostro conto corrente è bloccato”,
“Avete vinto alla lotteria” ecc.
Cerchiamo di stare attenti a non cadere in queste trappole.
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- No Peanuts! for Translators – Ci Vorrebbe Una Legge! (Il caso Faligi Editore) (19/10/2011)
- Il Segno di Caino – The Translator’s Hall of Shame - Faligi Editore - L'inculata Rampante (7/2010)
- Ironicamente parlando… le solite storie (semiserie) sul genere umano. Sarà capitato anche a voi… o forse no? Faligi Editore – A Translator’s Stairway to Hell (8/6/2011)
求職中の私はいつも求人サイトを見ているのですが、このFaligi Editoreはいつも求人を出していて、翻訳なんてそんなに簡単では無いだろうと思っていたら、やっぱり色々ある会社だったんですね。
しかも翻訳のテストだ会場に来いだのあったのでうさん臭いとは思ってました。
情報ありがとうございます!