2013年 09月 15日
白黒のトリュフ味見に博物館、チッタ・ディ・カステッロ
会場は、トリュフを専門とするTartufi Bianconiです。今日は、主に日本とアメリカからのお客さまを対象としての、トリュフの説明や料理法の紹介、そして、トリュフ料理を味わう昼食会が行われ、わたしは、イタリア語・英語から日本語への通訳を担当しました。
お客さまたちのプライバシーの問題がある上、仕事の最中は、写真を撮る暇もないのですが、親切な店の方がどうぞと言うので、お客さまの到着を待つ間にいろいろと写真を撮りました。会合や商談で、企業秘密が関わるような通訳の仕事の場合とは違って、こういうお店の場合は、店の宣伝になることもあり、かえって撮影を歓迎してくれます。
こちらが食事の会場なのですが、部屋に並ぶ家具や陶器などは、すべて地元の職人さんたちが腕をかけて作ったものです。チッタ・ディ・カステッロは、木製家具を作る職人やその工房が多く、良質の木材を使ったいい家具を、お手頃な値段で購入すること、注文することができます。わたしたちも今使っている洋服ダンスや、改築中の家の窓やよろい戸を、この伝統の家具づくりの町の職人さんに作ってもらいました。ウンブリア州は、自然が豊かで、食がおいしいけれども、物価が安いため、北イタリアや北欧、ロシアなどの人が、移り住んだり、別荘を購入して、夏だけ訪れたりする場合もよくあります。タンスを頼んだ職人は、こうやってウンブリアに別宅を購入した英国人から、家具作りを依頼されることが多いと言っていました。
この店は、トリュフの料理やトリュフを使った保存食の製造を行っているのですが、希望すれば、犬を使ってのトリュフ狩りやトリュフを使った料理教室にも参加することができます。店には、併設された工房で作られたトリュフを使った製品、瓶詰めのトリュフソースやポルチーニ・クリーム、トリュフ風味のチーズなどが、たくさん並んでいます。
お客さまたちが到着してから、まずは併設された工房で、瓶詰めのトリュフソースや乾燥トリュフを作るための機械について、説明がありました。
次に、トリュフ関連の資料や道具を集めたミニトリュフ博物館で、トリュフの種類や採り方について、教わりました。19世紀に使われていたトリュフをスライスする道具や、不思議なことに、カタツムリの殻の中に育ったトリュフなど、興味深いものがたくさん並んでいました。
中国やモロッコ産の、品質や香り・味が格段に劣るトリュフが、イタリア産のトリュフと偽って、あるいは混ぜ合わされて売られることも多く、イタリアのトリュフ産業に深刻な打撃を与えているということです。残念ながら、こういう現象は、何もトリュフに限ったことではありません。
2グループに分かれての説明が終わったところで、ウンブリア産のプロセッコが、食前酒としてグラスに注がれ、ここで採れるトリュフを試食します。
香ばしく、おいしく、希少価値が高いので、お値段もいい白トリュフ(tartufi bianchi)、Tuber Magnatum Pico、
同じく、香りが高くおいしい黒トリュフ(tartufo nero)、Tuber Melanosporumなど、試食する四種類のトリュフについて、採れる時期や味・風味の特色について、説明がありました。興味のある方は、この店のサイト(下記リンク参照)に、イタリア語と英語で詳しい説明がありますので、ご覧ください。
このおいしいミニ・クロスティーニを試食し、説明を聞いたあと、黒トリュフでパスタに和えるソースや鶏の胸肉に黒トリュフソースを包み込む料理について、調理法を教えてくれました。このあとは、いよいよ会場に移り、ビュッフェ形式で、トリュフざんまいの料理を、それぞれがお皿に盛って、自分の席で食べていきます。前菜には、白・黒のトリュフやポルチーニ、マッシュルームなど、さまざまなキノコのクリームやソースが載った小さなクロスティーニ、トリュフ風味のハチミツを添えて食べるトリュフ入りチーズが並びます。プリモとセコンドは、先ほど作り方の紹介があった、黒トリュフのスパゲッティと黒トリュフソースの鶏の胸肉包みで、コントルノはサラダと、メニューはまさに、トリュフづくし、キノコづくしでした。食事は、トリュフの試食があるだけと聞いていたので、わたしは一応、早目の昼食をすませて来ていました。食事がからむ通訳の仕事は、食べる物が目の前にあっても、食べる暇がないことが多いからでもあります。
ウンブリアに暮らし、よくトスカーナの山にも出かけるわたしは、トリュフを食べる機会は時々あるのですが、こんなにトリュフざんまいの食事をしたのは初めてです。店も工房も、トリュフの香ばしい香りに満ちていて、店内に入ったときに驚きました。店では、主に外国人旅行客を対象に、こうしたトリュフの試食や料理教室、トリュフ狩りなどの活動を企画しています。経営するご夫婦はイタリア人、奥さんは英語での説明もされますので、英語やイタリア語がお分かりの方で、ウンブリアを訪ねるついでがあり、トリュフ大好きという方は、連絡を取ってみてください。日伊通訳も必要だという方は、お店の方を通じて、あるいはわたしの方に直接、ブログへの鍵コメントという形でお問い合わせください。
Tartufi Bianconi Srl
Loc. Santo Stefano del Piano, 21
06012 Città di Castello (PG)
Tel: +39 0758511591
Fax: +39 0758511591
Sito: Tartufi Bianconi - HOME
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Tutto Tartufo!
Oggi lavoro da interprete a Città di Castello @ Tartufi Bianconi.
Degustazioni di tartufi, visita del museo e del labolatorio dei tartufi.
Un buon profumo di tartufi dappertutto, certo squisiti diversi piatti.
Sono molto simpatici sia coloro che lavorano nel locale che gli ospiti di diverse nazionalità.
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関連記事へのリンク
- Made in Italyの危機 (14/4/2010)
- 白トリュフ、見つけた! (14/12/2010)
↑ ペルージャの隣町、コルチャーノで、犬による白トリュフ狩りを体験。
トリュフ世界三大珍味の1つと云われていますが、トリュフ・キノコ三昧は珍味じゃなくて美味しいパーティの主役でしたね。
日本でもマツタケが外国産が多いです。
本物は本当に美味しいでしょう。(^^)/
ただいまこちらは、台風の暴風雨になっていて、一歩も外に出られません。(^^ ; ^^)
それと先の記事にあるラヴェルナをラヴェンナと勝手に読み間違えてぴきっと反応してしまいました。以前なおこさんから、ベネチアに近いからとラヴェンナのお話を聞かせて頂いて、行ってみたい衝動に駆られています。イタリアも暑い夏が終わって秋の気配がしているのですね。ペンナ山の向こうはトスカーナでしょうか。旅情がかき立てられます。
この週末にテュービンゲンで姉妹都市二つのお祭りがあったのですが、何とPerugiaも入っているのです。今迄何度もそのお祭りには行っていますが、今回は「おお、これがなおこさんの・・・」と、とても親近感がありました。
いつも瓶詰めのトリュフソースが出ていて、おいしいので私も友人も何瓶か買う事にしていて、それが我が家唯一の「トリュフを食べる贅沢」です。
台風でそんなにひどい暴風雨なんですね。どうか被害が出ませんように。
ラヴェルナとラヴェンナは、カタカナで書くと似ていますよね♪ ラヴェルナはビザンチン文化の町でモザイクの美しい教会が多い、とてもすてきなところで、わたしもいつかまた、ゆっくり行ってみたいと思っています。
チッタ・ディ・カステッロは、ウンブリアの北、トスカーナとの州境に近いところにあり、そのさらに北にあるラヴェルナやペンナ山はトスカーナです。15世紀に、ミケランジェロの父や祖父が、フィレンツェ共和国から、キウーシ・ディ・ラヴェルナや隣のカプレーセの司法長官に任命されて、家族と共に滞在したため、ミケランジェロの生家はラヴェルナの近くにあり、そのため、天地の創造や聖家族などの作品には、ペンナ山やラヴェルナが背景にあると言われているんですよ。
・ミケランジェロとラヴェルナ
http://cuoreverde.exblog.jp/18107532/
瓶詰めのトリュフソース、おいしさがぎっしりと凝縮されていて、格別ですよね。ウンブリアでは夏、特にトラジメーノ湖の周辺には、ドイツやオランダ、ベルギーからの観光客が多いんですよ。germanmedさんも機会があればぜひ足を伸ばして、トリュフの味を楽しんでみてくださいね。