イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

中世の音楽と食事の宴、ウンブリア チテルナ

 9月16日月曜日は、通訳の仕事で、ウンブリアとトスカーナの州境にある小さな村、チテルナ(Citerna)に出かけました。

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 ペルージャから車で北に向かうこと約1時間。初めて訪れた村は、趣のある城壁に囲まれています。

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 この城壁の手前に見えるいくつかの窓の左手は、城壁に沿って長く長く続く、レストランのテラス席になっています。このテラスにテーブルや椅子が多数並べられ、お客様たちは、中世の音楽の演奏を聞きながら、中世の料理が専門というシェフの料理を楽しみました。

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 時に、いくつかのおいしいウンブリアのワインの試飲があり、ソムリエから、それぞれのワインについて詳しい説明があります。

 通訳の仕事での参加だったので、料理やソムリエの説明を訳したり、お客様たちの質問に答えたりしていて、落ち着いて食べることはできませんでしたが、ワインについても、新しい発見があり、料理も、このニシンのマリネがとてもおいしかったです。

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 場所がちょうど、ウンブリアとトスカーナの州境にあることもあり、サラミもチーズも、二つの州のものを味わうことができました。花粉症の季節は過ぎたものの、アレルギーに負けない体づくりをと、サラミやサルシッチャ、乳製品は避けるようにしているわたしですが、今回ばかりはせっかくだからと、食べてみました。産地の説明を訳すのに夢中で、チーズを取り忘れたので、取りに行こうとしたら、「わたしのお皿に載せてくれたチーズの量が多すぎるので、半分どうぞ。」と、日本のお客様がすべて少しずつ分けてくださいました。わたしもチーズは、味は見たいものの、量を食べるのは控えたかったので、ありがたかったです。

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 誰も話していないし、質問がないときをねらって、「チャンス!」と、時々写真を撮りました。テーブルを飾るのに、季節の野菜や果物を使っているのも、彩りがきれいで、季節感があります。

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 英語圏の人たちが多い祝宴で、日本からお越しのご親戚のために、英日・日英通訳を担当したのですが、そういう国際色豊かな宴だけあって、お客様の中の日本の若い女性に、香港やスイス、ロンドンなど、世界各国で学んだり、働かれたりされている方が多いのに驚きました。そういう方たちはまた、なぜわたしがイタリアに暮らしているのかが逆に不思議なようで、よく質問をされました。

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 レバーの料理は夫の好物なのですが、わたしは苦手です。血を作るとは言うけれど、動物の内臓の中でも、特に肝臓には毒素がたまりやすいと聞いてもいるので、無理はせずに、少しだけ味見しました。日本のお客様の中にも、やはりレバーは苦手という方がたくさんいました。ニンジンやセロリなどの野菜と煮込んであって、ふだんこちらで食べるものに比べると、優しい味がしたのではありますが。

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 セコンドの締めは、子豚の丸焼きです。ポルケッタほどは肉を焼き込んでおらず、まだ生焼けに見える部分がありました。

 いつ通訳が必要かが前もって予測しづらく、席も肝心のご親戚の方と同席ではなかったため、ご親戚のそばに行って訳そうと思ったら、カメラマンが間にいて遠慮してしまったり、とまどうことも多くありました。でも、他のお客様を始め、日本からお越しのご家族の方も、皆温かい方ばかりで、仕事を通じて、こうしたすてきな方々に出会うことができました。さらに、さまざまな人生の在り方に触れ、ウンブリアの食文化について、さらに学ぶことができました。お客様たちが、中世の宴を楽しむお役に立つことができましたようにと祈りつつ、今回の仕事の依頼者やお客様たち、そして、こういう機会が得られたことに感謝しています。

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Pranzo medievale a Citerna

Ho partecipato da interprete.
Gli ospiti venivano da diverse parti del mondo e tutti molto simpatici.
Piatti interessanti, buoni con la musica medievale dal vivo.
Citerna (PG) 16/9/2013
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by suzu-clair at 2013-10-02 20:26
お料理、おいしそうですね!!

出張もあり、数日ご訪問できなかったため、
失礼ながらまたまとめ読みさせていただきましたが、
素敵な旅をなさっておられたのですね☆

10年以上前になりますが、
ほんの少しの間コートダジュールで短期留学していたので、
南仏記事にわくわくしました♪
カマルグやアヴィニヨン、
当時行ってみたいと思っていたのですが、
近くまでは行く機会があったものの、
訪れることができなかったので、
なおこさんの記事で拝見できて嬉しいです♪
ピサの斜塔も・・・素敵ですね☆

楽しい時間が伝わってきました。
素敵な記事、ありがとうございます☆
Commented by milletti_naoko at 2013-10-03 04:55
すずさんは、コートダジュールに留学されたんですね!! カマルグは、残念ながら、船や足でゆっくり回ることはできませんでしたが、白馬やフラミンゴ、城壁の上を歩いて見たAigues-Mortesの眺めが、印象に残っています。アヴィニョンでは、教皇の館だけではなく、訪ねたかった橋に行けてうれしかったです。アヴィニョンに行く途中、たまたま見かけて訪ねた香りの博物館もとても興味深かったのですが(また、詳しくご紹介するつもりです)、おかげでアヴィニョンに着くのが遅くなり、大急ぎで回ることになってしまいました。

わたしたちは逆に、カンヌやサントロペ、ニースなどのコートダジュールの町を一つは訪ねたいと思いつつ、土曜日だったので渋滞や混雑の恐れもあり、当日中にイタリア入りをするべく急いでいて、訪ねられずじまいでした。きっとすてきなところでしょうね。わたしもぜひ訪ねてみたいです。

ピサの斜塔は機会があれば、ぜひ登ってみてください! 前から眺めるだけでも、感慨深いものがあります。

こちらこそ、ご多忙の中、いつもお優しいコメントをありがとうございます♪
Commented by ムームー at 2013-10-03 15:05 x
なおこさん
こんにちは。
中世の宴ってなんて素晴らしいことでしょう。
通訳のお仕事で素敵な所に行かれましたね。
ペルージャの田舎の街並みを夫とテレビで見ていました。
とっても素晴らしくて感激しました、こういう所になおこさんが
お暮らしなんだなって思いましたの。
知らないで過ぎていくのに色々なことを知っていくのは
楽しいです~
いつもありがとうございます♪
Commented by milletti_naoko at 2013-10-03 16:45
ムームーさん、おはようございます♪ ウンブリアでは、中世の町並みが残り、お祭りで中世の料理が味わえたり、衣装や踊りが見られたりする町も多いんですよ。

ペルージャの田舎の町並みとは、以前に他の方がコメントされていたアグリトゥリズモがあるあたりでしょうか? 野生のアスパラガス探しも放映されていたとか……

ムームーさんがお住まいの京都もとても美しい町ですよね。行くたびに夫といろいろな庭園や寺社を訪ね、散歩をしては感嘆しています。ペルージャにはペルージャのまた違った歴史ある町並みや自然があります。エトルリア人の築いた城壁もあれば、古代ローマや中世の建築物や遺跡もあちこちに残っていますし、一歩町を出ると、自然もとても豊かです。いつか機会があれば、ぜひいらしてくださいね♪ こちらこそいつもありがとうございます!
by milletti_naoko | 2013-10-02 12:24 | Inteprete Traduzioni | Comments(4)