2013年 10月 03日
新教皇がアッシジに

カトリック教会の長い歴史の中で、教皇として初めてフランチェスコの名を名乗るPapa Francescoは、素朴で温かい人柄や、清貧・倹約を求める姿勢から、イタリア国内でも世界でも、すでに人気が高いようですが、聖フランチェスコの生地であるウンブリアでは、新教皇の就任時に、ウンブリアの各都市で、ペルージャ・アッシジ・グッビオなど、どの町が最初に教皇を迎えるか、名乗りを上げたり、互いに牽制し合ったりしていました。

カトリック教徒ではないわたしでさえ心から敬愛する聖人の一人、アッシジの聖フランチェスコは、地元のウンブリアではことに愛され、親しまれ、夫の両親は、聖フランチェスコの記念日である10月4日を選んで、結婚式を挙げています。そういうわけで、新教皇就任以来、新聞の地方版では、教皇関連ニュースがしばしば登場し、また、4月末も夏も、アッシジでは観光客がかなり増えたと伝えていました。今回の新教皇訪問に至っては、ずいぶん前から、アッシジの宿はすべて満室になったという記事を読みました。
イタリアでは、教皇選出などといった重大ニュースがないときでも、国営のテレビニュースでも、しばしばカトリック教会や教皇が登場します。何か問題のあるときや、すばらしい言動があったときばかりではなく、たとえば、夏の休暇に向かったとか、どんなふうに過ごすかとか、そんなことまで取り上げられるのです。そういう背景もあって、今日の昼の地方ニュースでは、20分弱の報道のうち、半分が新教皇のアッシジ訪問にあてられていました。

ニュースでは、教皇がヘリコプターで到着する場所や、大聖堂の広場での会場の準備などについて説明がありました。「行ってわたしの家を建て直しなさい」(Va’ e ripara la mia casa)という神の声を聞いて、聖フランチェスコが仲間たちと共に、自らの手で再建した教会は、アッシジの町はずれにある聖ダミアーノ教会です。教皇フランチェスコは、その聖ダミアーノ教会、ポルツィウンコラやリーヴォトルトに加えて、聖人が世俗の富と服を脱ぎ去ったというこの広間を訪ねることも希望しており、その広間を教皇が訪ねるのは、今回が初めてだということです。
新教皇フランチェスコを通じて、清貧と愛に生きた聖フランチェスコを、皆が、敬うだけではなく少しでもその生き方に近づきたい模範とし、無駄な浪費に慣れた感のある政治家たちやカトリック教会が、政治も教会も、本来は民の幸せのためであり、民を貧窮に追いやり、自らが奢侈に興じるためではないのだという当たり前のことに気づき、その気づきから、本来在るべき姿に立ち戻ってほしいものだと思います。

アッシジの聖フランチェスコ大聖堂は、聖人のお墓があり、ジョットなど名高い画家の名画は多いけれども、聖人の死後に、教皇の意向で建てられたものです。個人的には、同じアッシジでも、この大聖堂よりも、聖フランチェスコが最初からの仲間たちと共に、清貧と祈りに生きたポルツィウンコラ(サンタ・マリーア・デッリ・アンジェリ教会)や、聖ダミアーノ、リーヴォトルト、そして、瞑想と祈りに過ごし、聖痕を受けたラヴェルナの方が、ずっと聖人にとって大切な場所であり、その魂に触れることができそうな場所ではないかと感じています。こういう聖フランチェスコゆかりの場所はウンブリアだけではなくイタリア各地にあり、巡礼や旅行で訪ねたこともあるのですが、またおいおいご紹介していくつもりです。
Arriva Papa Francesco ad Assisi!
Oggi il telegiornale regionale delle 14.00 ha dedicato la metà del programma alle notizie su questo evento. Il papa visiterà anche la sala della Chiesa di San Damiano dove San Francesco si spogliò e rinunciò ai beni paterni ma la quale finora non è stata mai visitata da nessun papa. Che i politici lo seguissero come esempio...
関連記事へのリンク
- 聖フランチェスコの日に (4/10/2012)
- 聖フランチェスコとCantico (2/2/2013)
- アッシジを歩く1 ~ポルツィウンコラ (17/4/2011)
- 新教皇、Papa Francesco (14/3/2013)
- メルマガ第24号 「聖なる森林の山道(2)、聖フランチェスコ」 (24/10/2009)
- メルマガ第86号 「新教皇Papa Francescoのあいさつ」 (2013/3/16)
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南米出身の新教皇はイエズス会の方だそうですね。キリスト教のグローバリズムと歴史の深さを感じずにはいられません。いや仏教だってそうなんですが、こちらは結びつきが薄いですしね~
ところでなおこさんは英語の通訳↓↓もなさるのですね!伊語は存じておりましたが、英語もそれだけの能力をお持ちだったとは。 いやーすごいなあ。コツコツ続ける努力を厭わない精神と、語学センスの両方を兼ね備えているのでしょうね。もう尊敬しちゃいます。仏語もそろそろペラペラなんじゃありません?私なんて、まともにしゃべれるのは日本語だけです。ほんと、お恥ずかしい限り(苦笑)
英語は昔取った杵柄なんです。時々本を読んだり、音声CDを聞いたり、英語で会話をしたりして、何とか、以前ほどではないにしても、力を保てるように気をつけています。
フランス語は、せっかく南仏に出かけたものの、行き先が決まったのが直前で、前の週に英語の通訳の仕事があったため、勉強をおろそかにしたまま、行ってしまいました。観光所の案内のフランス語を読んで理解することは大体できましたが、会話になると、言いたいことが思うように言えなかったり、伝わらなかったりで、もどかしい思いもたくさんしました。それで、帰宅したら勉強をと思っていたのに、エンジンがかかりません。頑張るぞ!

日本の学校でも、宗教の時間があって、聖フランチェスコについて学んだりするところがあるんですね! 少しずつ成長していかれる様子が遠くからでも感じられて、親御さんとしても、きっと感慨深いものがあることでしょう。さぞかしすてきな演奏会であったことでしょう。リンクをありがとうございます♪ 実は二つ目のリンクの方は、わたしのブログにもリンクが貼ってあって、お会いしたことがあり、演奏も2度聴きに行っています。
アレッサンドロは、こんなに有名になってしまうから、夫の合唱団で一緒に歌ってくれたことがあって、知っていたのですが、一度友人たちとポルツィウンコラを訪ねたとき、聖フランチェスコについて語ってくれたその教えに感動したのを覚えています。(その際の記事へのリンクも上にあります。)歌も、以前はよくミサの際にオルガンを弾きながら歌っていて、ミサの終わりにあいさつに行って、その歌声の美しさを言うと、「歌や音楽もミサの大切な要素だと思い、こういう形で貢献したいと思っているから、そんなふうに言ってもらえて、うれしい。」と言ってくれていました。歌声も人柄も、とてもすてきな修道士さんだと思います。