イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

フィレンツェ ブロガー招待1、サン・ジョヴァンニ洗礼堂

 今日は久しぶりにフィレンツェを訪ねました。一般には公開されていない場所や1年に一度しか公開されていない場所などを、フォトブロガーとして特別に、ガイドつきで訪問できるという、うれしい招待を受けたからです。

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Il Grande Museo del Duomo, Firenze 19/10/2013

 朝7時に家を出て、電車でフィレンツェについたのは10時過ぎのことです。雲はありましたが、幸い1日中青空が広がっていました。

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 あいさつと説明のあと、まずはドゥオーモなど、みごとな建造物の並ぶサン・ジョヴァンニ広場を訪ね、ガイドさんの詳しい解説を聞きました。

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Battistero di San Giovanni, Firenze 19/10/2013

 最初に訪ねたのは、聖ジョヴァンニの洗礼堂です。

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 日の光を浴びて金色に光るモザイクが美しい洗礼堂には、モザイクの下に、内壁から張り出した歩廊、マトロネオ(matroneo)があるのですが、

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 今回は特別に、このマトロネオを歩き、詳しい説明を聞いて、写真を撮ることができました。

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 マトロネオを歩くと、モザイクを近くから鑑賞することができます。キリストの衣装が青・赤の2色なのは、青は神性を、赤は人としての性質を表しているそうです。中央のキリストの、向かって右側には地獄に落ちた人々、左手には天国に召された人々が並んでいるのですが、キリストのしぐさは、右手では天へと来るように促し、左手では、「そこにとどまりなさい」と止めているのだそうです。

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 地獄の人々が苦しむ様子も、よく見えます。

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 床に敷きつめられたモザイクの模様が、すべて異なっているということも、上から見ると、よく分かります。床の中央に見える八角形の部分には、昔は、外壁と同じこの形の洗礼盤があったそうです。八角形をしているのは、1週間、7日が終わった8日目に、新しい世界に入り神に近づくため、その第一歩となる洗礼を施す洗礼堂は、八角形をしているのだそうです。

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 すばらしい眺めや興味深い説明に感嘆しつつ、マトロネオを後にして、らせん階段を下りました。

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 1日はまだ始まったばかりです。

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Firenze Segreta - Evento per Fotoblogger 1 19/10/2013

Battistero di San Giovanni; visita esclusiva al Matroneo.
Camminando sul matroneo, si può ammirare molto di più la bellezza dei mosaici sopra di noi e giù in basso.
Grazie di cuore per l'invito!
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- フィレンツェ ブロガー招待2、ドゥオーモI / Fotoblogger a Firenze 2 - DuomoI (21/10/2013)
- フィレンツェ ブロガー招待3、ドゥオーモII / Fotoblogger a Firenze 3 - DuomoII (28/10/2013)
↑ この記事の続きです。
- フィレンツェ ブロガー招待4、大聖堂クーポラ登り / Fotoblogger a Firenze 4 - Cupola del Duomo (31/10/2013)
- イタリア語学習メルマガ第18号「ダンテ『神曲』の冒頭を読む」
- イタリア語学習メルマガ第20号 「イタリア語の歴史とダンテ」
- イタリア語学習メルマガ第90号「フィレンツェ洗礼堂とダンテの郷愁~美術書を読む」
↑ ヤフージオシティーズのサービス終了のため、メルマガのバックナンバーを掲載していたサイトが消失してしまい、現在このブログにバックナンバーを移行中です。移行でき次第、リンクを追加するつもりですので、しばらくお待ちください。

参照リンク / Riferimenti web
- facebook – mimulus – Il Grande Museo del Duomo apre ai blogger! 19 e 26 ottobre 2013: eventi per foto/travelblogger!
- Il Grande Museo del Duomo. La fede la storia l’arte - Firenze

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by クロちゃん at 2013-10-20 09:40 x
なおこさん、おはようございます。♪
画像と解説で、なるほどーと思いました。
歴史を感じる建物の中には色んなドラマが詰まっていそうです。
こちらは、朝から雨で、山が遠くなっている日曜日です。(^^)/
Commented by ayayay0003 at 2013-10-20 10:27
3枚目の写真、東側の扉(ロレンツォ・ギベルヂィ作のレプリカ)?ですよね?後にミケランジェロが「天国の門」と呼んで称賛したという。日本からのツアーで行くと中に入る時間がなくて、扉の前で説明を聞いたら終わりです。中は、すばらしいですね。仏教でいうところの、地獄絵図と極楽絵図のような・・・。宗教は異なってもなんだか共通のものもありますよねと感じます。
6月に訪れたばかりのフィレンツェですが、なおこさんのブログでとてもなつかしさを感じます。なおこさんのところから電車で行くとけっこう遠いのですね。でも招待されるなんて素敵です。チョコレート祭りの記事楽しみにしています。
Commented by ムームー at 2013-10-20 15:48 x
なおこさん
こんにちは。
憧れの地です~♪
私は行くともう帰りたくなると思いますわぁ。
若い頃には考えもしなかった留学ですけど、行けば
良かったなぁ、一人っ子だったしそんな勇気もなかったですの。
素晴らしいですねぇ~見せて貰えて嬉しいです。
いつもありがとうございます。
Commented by kazu at 2013-10-21 00:39 x
なおこさん、こんばんは。おっーついにフィレンツェの散策が始まりましたね。天国の門を入られてもう圧倒されるほどのモザイクだったでしょうね。私もこのドォモの母体のフィオーレ大聖堂のクーポラに上る時に天井画には息をのみました。フィレンツェはそろそろ寒いのではないですか。私がプチ留学していたのはちょうどこの時期でしたが、大家さんのアパートが寒くてちょっと辛かったことを思い出しました。なおこさんはお泊まりなのですか。続いてフィレンツェの情報、楽しみにしていますね。懐かしくて涙が出そうです。
Commented by 梨の木 at 2013-10-22 00:17 x
この洗礼堂、わたしもドアだけ写真に撮って帰ってきました。
天井のモザイク画はまだだだイコン風なんですね、ちょっと予想と違っていたのでビックリしてしまいました。フィレンツェ=ルネサンス美術(ボッティチェリあたり)と考えてしまったからなのですが、この洗礼堂が建てられた時期を考えるとちょうどチマブーエの頃ですから、まだ絵もこんなふうであるのが普通だったのですよね。

珍しい写真を見せていただけて感激です。
Commented by milletti_naoko at 2013-10-22 01:48
クロちゃん、こんにちは♪ おお、せっかくの日曜だというのに、雨だったんですね! 昨日はペルージャも天気は悪いという予報が出ていたのですが、天気のよさそうな遠い南の山を訪ねて歩きました。帰りが遅くなり、お返事が遅くなりました。

日本でもイタリアでも、歴史や美術にはいろいろな由来や説明があって、おもしろいですね♪
Commented by milletti_naoko at 2013-10-22 02:10
アリスさん、おっしゃるとおり、この扉はレプリカで、本物はドゥオーモ付属博物館にあります。仏教で言うところの地獄絵図と極楽絵図、まさにおっしゃるとおりだと思います。民衆は字が読めなかったこともあって、古来教会では絵画を通して、教えや聖書の内容を伝えていたのですが、それは日本も同じですよね。わたしの中ではそれぞれ別のできごととして個別に存在していて、そういう共通点にうっかり気づきませんでした。やっぱりいろんな方のお話を聞くと、わたしにも発見があります♪

6月にフィレンツェにいらしたばかりなんですね! 次回はぜひ、洗礼堂も訪ねてみてください。このところ悪天候が続いていますが、天気のいい日があれば、チョコレート祭りを訪ねて、ご報告しますね。
Commented by milletti_naoko at 2013-10-22 02:12
ムームーさん、やっぱりフィレンツェはいいな、見るべきものも多いなとつくづく思いました。時代は変わって、今はたくさんの人が、気軽に留学に出かける世の中になりましたよね。いつかぜひ、だんなさまやお嬢さんたちと一緒にお越しくださいね。こちらこそ、いつもありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2013-10-22 02:19
かずさん、こんばんは。モザイク、本当にきれいですね~ 下から見上げても圧倒されますが、特にマトロネオを歩いて、近くから見たときには感動しました。

かずさん、フィレンツェにプチ留学をされたことがあったんですね! 思いがけず、かずさんにとって懐かしい記事を書くことができてうれしいです。フィレンツェにせよ、ペルージャにせよ、石造りの古い町の古いアパートは、寒いときには芯から冷えて、大変ですよね。最近はペルージャでも寒いのですが、晴れて日がさすと暑いので、天気予報とにらめっこして、重ね着でいろいろ対応できるように準備して、行ってきました。フィレンツェではドゥオーモなど、三つの建物で、ひたすら階段を上り下りしたので、昼間は幸い暑いくらいでした。
Commented by milletti_naoko at 2013-10-22 02:27
梨の木さんも、フィレンツェにいらっしゃったんですね! 洗礼堂は建てられたのがルネサンス前である上に、ガイドさんの説明によると、当時のフィレンツェは交通の要所で、さまざまな文化が行き交う場所であったため、こうしたビザンチン風のモザイクがで飾られているそうです。

ローマのパンテオンを意識して建てたのだという説明もありました。質素な外観からは予想もつかないような、きらびやかなモザイクですよね。フィレンツェは見るべき場所も物も多いので、わたしもこういう機会でもなければ、洗礼堂には入らなかったかもしれません。機会があれば、ぜひ訪ねてみてください。
Commented by 梨の木 at 2013-10-22 21:01 x
なおこさん、連続ですみません。

わたし、このモザイクをみたときに反射的にヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂の天井を思い浮かべてしまったのです。ヴェネツィアならビザンチンの影響も大きいですから当然と思えることも、これがフィレンツェだとずいぶん意外な感じがしたのです。でもそうですか、フィレンツェは当時は交通の要所だったのですね。当時のことをいろいろ想像すると、わくわくします。
Commented by milletti_naoko at 2013-10-22 23:39
梨の木さん、いえいえ、コメントはいつもありがたいです♪ わたしもこういうモザイクを見ると、ラヴェンナやヴェネッツィアを思います。ピサやジェノヴァなど、近くに海運で栄えた町もあるので、フィレンツェはそういう意味でも交通の要で、フィレンツェの町が交易や金融業のおかげで繁栄したのは、そういう地理的な要因もあるのではないかと思います。すみません。中世イタリアの歴史はこちらで何度もいろんな先生から習ったのですが、10年前のことでうろ覚えです。

たとえばペルージャでも、かつて居住していたエトルリア人が築いた門や城壁、井戸あり、古代ローマ時代の遺跡あり、さらには、教会や大噴水など、中世の建築もありと、数千年の間に、暮らしたさまざまな民族の暮らしや当時の建築様式・芸術作品が偲べるのが、おもしろいなと思います。地面を掘ったら遺跡が出てきたなんてことも、まれではないようですし。

フランスも各地にいろいろな風習・食文化・建築物があり、風景も自然も豊かでいいですよね。
Commented by fumieve at 2013-10-28 22:15
うわわあああ・・・これは羨ましいです・・・ただただ、ひたすらタメイキ・・・。
Commented by milletti_naoko at 2013-10-29 02:07
fumieveさんは美術史が専攻で、モザイクもよく記事にされていますものね。すごいカメラを持つ人たちにも囲まれて、どうして私がと思いつつも、ありがたい機会に感謝しながら、すばらしいモザイクや建築、風景に感嘆しました。将来、皆が登れることを目指して、準備を進めているようですから、fumieveさんも、いつかきっと!
by milletti_naoko | 2013-10-19 23:59 | Blogger a Firenze | Comments(14)